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帰る場所 3

 今は何時だろうか。どこまで歩いただろうか。俺はどこに向かっているのだろうか。




 ふと目の前に現れた時計台を見上げると、針は10時30分を示していた。


 辺りは闇に包まれ、街灯の光のみが視界に映る。俺の目が暗順応してくれればここがどこなのかまだ幾分か分かるかもしれないが、街灯の光がそれを妨げる。


「おかしいな......少なくとも3時間は歩いたと思うんだが、まだ10時半? この時計壊れてんのか」


 歩き疲れて身体も心も疲弊しきっている俺は、目の前の時計が示すものに苛立ちを覚えた。


 自分が疲れから正常な判断ができない、興奮状態に陥っていることには気づいていた。だからこそ、時計台の後ろにわずかに見えた木製のベンチに俺は迷わず腰を掛けた。


「はぁ、どうなってんだマジで。ここどこらへんだよ......」


 家路を辿り始めた時のことは覚えている。ゲームセンターで見つけた、俺たちの代の三中のユニを着た謎の人物について俺が違和感を感じてたってのに、セミの奴がさっさと解散しやがった。


 俺もすぐに解散して歩き始めて、いつも通りの家の近くの交差点まで差し掛かって、信号が青に変わるのを待って......気付いたときには知らない場所にいた。


 いや、正確には知らない場所ではない。時折、街灯の光に照らされてこの地域の名前を示す看板が視界に映った。


 『松葉台(まつばだい)』とか『三王寺(みおうじ)』という文字を目にしたが、これらは全て俺の住む出月市(いづきし)の地域名だ。しかし出月市内のどの辺りなのかはほとんど知らない。


 唯一知っているとすれば、ここは俺の家がある『花野(けの)』の周辺ではないということくらいだ。


「俺帰りつけんのかな。別に方向音痴じゃないんだけどな......どっちかというと地形には強いはずなんだが......あ?」


 木製のベンチに深く腰かけ、ぼーっと顔を前に向けた状態で俺が呟いていると、視界の先に一台の車が通りかかったのが見えた。その車の前照灯に照らされた奥の景色を見たとき、俺が今どこにいるのか知ることができた。


 時計の示す時間を参考にして言えば4時間ほど前、俺たちが時間を潰すために部活をサボって......部活に励んでいた場所、出月市立竜原(たつはら)高校だった。


 ......俺こんなところにいたのか。

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