第2章 邂逅 第1話 パールヴァティーとシヴァ
「此処は…?」
目を開けると、どうやら保健室のベッドの上らしかった。
「あら?気が付いたのね?初めての授業で緊張したのかしら?貧血で倒れたみたいだけど、もう大丈夫ね」
「有難う御座います。誰が此処に、運んでくれたんですか?」
「生徒よ。偶然、倒れる時に出会したんですって。あの子、きっと貴女に惚れてるわよ」
「揶揄わないで下さいよ。真城先生」
保健の先生の名札を見ながら、名前を呼んだ。恥ずかしながら、まだ赴任したばかりなので、他の先生達の名前をあまり覚えていない。
身体を起こして鏡の前に行き、顔を洗って化粧を直した。口紅を塗りながら、真城先生に尋ねた。
「私を此処に、連れて来てくれた生徒の名前が分かりますか?」
「ああ、黒崎湿婆くんよ。お礼は必要無いって言ってたけど、教師だもの、そう言う訳にはいかなかったわよね」
「え、えぇ…。一言、お礼が言いたいです」
まだ頭を抱えてふらついていると、真城先生は「送ろうか?」と心配してくれた。私は「大丈夫です」と言って断り、彼に会いたい衝動に駆られた。
「湿婆…しば…シヴァ?うあっ、頭が痛い…。私は…、彼を知っている…?」
何度も夢の中に出て来た男と同じ顔だ。何で最初に見た時に、気付かなかったのだろうか?恐らく、「また告白か?」と半ばウンザリしてろくに顔を見ていなかったせいだ。
あの夢の中の男は、夢の中に出て来る私の夫だ。夢の中で彼が出て来ると、ずっと性行為をしている夢を見るのだ。目が覚めた時、自慰行為をしたまま眠っていて、シーツがぐっしょりと濡れていた事があった。
それを思い出して顔を真っ赤に染めると、目の前に彼の姿を見て胸が高揚する自分がいた。
「先生、もう大丈夫なんですか?心配しました」
「あなた…シヴァ…くん?」
「はい?…湿婆ですけど?」
「わ、私の事…分かる?」
自分でも何を聞いているのか、分からなかった。混乱する頭を整理しようとして、その方法を模索していた。
「朝倉真珠先生ですよね。告白したんですから、知ってますよ」
彼は私の質問の意図が読めず、怪訝な表情で私の真意を掴もうとしていた。
「私たち…ど、何処かで会った事、あったかな?」
「…変な奴だと思わないで下さいね?実は夢の中で会っていました。小さい頃からずっと、先生と夢の中で会っていました。金色の肌をした先生は、夢の中では俺…僕の妻で、僕達は仲の良い夫婦でした」
彼の話は、私も物心が付いた頃からずっと見て来た夢と同じだと思った。
「…運命って、信じる?」
「俺は運命の相手が先生なら、信じますよ」
気が付いたら私は、彼にハグをしてキスをしていた。
「先生…まだ返事を聞いてませんが、OKって事で良いんですよね?」
私は軽く頷いて、離れた。
「でも私は教師で、貴方は生徒。2人の関係がバレたら、私は教師クビになっちゃう」
「大丈夫、誰にも言いませんから。2人の秘密にします」
まだ授業が残っていたので私は仕事に戻り、倒れた事を生徒達から心配された。彼とはLIMEを交換して会う約束をしたので、放課後が待ち遠しかった。
「朝倉先生、終わったら飲みに行きませんか?」
赴任してから毎日の様に男性教諭達から食事に誘われていたけど、彼氏が出来てしまうとそれすらもウザく感じる。
「ごめんなさい。今夜はちょっと用事があって…」
「用事って、まさか…デートですか?なーんて…」
「はい」
「えっ!?」
「はい、今夜は彼氏とデートなんです」
「か、彼氏…って…いたんだ…」
ガックリと肩を落として、男性教諭達は去って行った。
「はぁ。これでもう誘われ無いわね?」
教師と生徒の禁断の愛だ。絶対に誰にもバレる訳にはいかない。彼には電車代を渡して、3つ隣り駅の近くで降りてもらい、そこから路地裏にあるカラオケ店で待ち合わせる事にした。私は車で向かうので、帰りは送る予定だ。
「はぁ、はぁ、はぁ。ごめん、遅くなった」
「大丈夫。そんなに待って無いよ、真珠」
「真珠って、変な渾名付けないでよ」
「えっ、だって皆んなそう呼んでるよ?」
「…」
部屋に入り、一息つきたくてタブレットでドリンクを注文した。
「そんなに見ないで…恥ずかしいわ」
「ため息が出るほど綺麗だ。先生と付き合えるなんて夢みたいだ」
私の方こそ、本当に夢で見た男性と同じ顔だと思い、彼の顔をマジマジと見ていた。
「人の事を言えないじゃん。そんなに俺の事を見て。そんなにイケメンかな?」
「う~ん、まぁまぁじゃないかな?」
「何だよそれ?」
「だって、顔でOKした訳じゃ無いんだもの…」
続きの言葉は、彼の唇によって塞がれた。舌を入れられて、私も舌を絡めた。息が苦しくなって離れては繰り返していると、胸に手が伸びて来て触られた。
男の子だから触りたいだろうな、と思って好きにさせていると、下着の中に手を入れられて直接触られた。
「コラっ!ダメ、ダメよ。これ以上はダメ…」
彼は止めるどころかスカートの中に手を入れて来たので、怒って止めた。
「怒るわよ!まだ早いわよ。付き合って1日目じゃない!」
「1日目だって?俺達、前世では夫婦だったんだよ?妻を抱きたいに決まってるだろう」
下着の上からスリットを撫でられると、思わず声を上げてしまった。
「あんっ!」
慌てて両手で口を塞いだ。
「何だ、感じてるんじゃないか?」
「卑怯よ、貴方だってアレを擦られたら感じるでしょう?」
「先生…経験あるんですか?」
「どうかしらね?」
「処女じゃないなら、ヤっても良いでしょう?今は俺が彼氏だよね?他の奴とヤってるのに、俺とはしてくれないの?嫉妬で気が狂うよ」
「何で私がヤった事がある前提なのよ?ハッ!?」
口を押さえると、湿婆君と目が合った。
「良かった先生、まだ処女なんだ?」
「独占欲が強いのね?私は、絶対に浮気はしないから安心してね。だから今日はもう我慢して。今の貴方の事、私は何も知らないのよ?だから…まだ心の準備が出来て無いの」
「でも収まらないよ、コレ…」
ズボンのチャックを下ろして、彼がアレを出して見せた。父のでさえ、ほぼ見た記憶が無い。動悸が止まらず、思わず彼のモノを手に取って見た。
「あっ、先生。そこまでするなら、せめて手でイカせて下さい!」
彼に言われて、男性はこの状態は苦しいと聞いた事があるな、と友人が言ってたのを思い出し、手コキをしてあげた。
ぎこちなく、彼は少し気持ち良さそうだったけど、カラオケボックスの時間が残っておらず、このままイカなければ可哀想だなと思い、咥えてあげた。
「恥ずかしいから、あまり見ないでね」
彼は私が彼のモノを咥えている姿で興奮したのか、さらに唆り勃たせた。
ジュッポ、ジュッポ、ジュッポと卑猥な音がカラオケボックス内に響き、アソコがムズムズして自分でも濡れているのが分かった。
「ひゃあ!」
ソファに倒れる様に仰向けになった彼のモノを舐めながら、彼の指が私の敏感な部分を刺激したのだ。私も感じたくて、その手を払いのけたりせずに受け入れた。
「うんぁ!くっ…イク…イっちゃう…一緒に…」
腰がガクガクして、足の指が攣りそうになるほど痙攣して、先に私がイった直後に口の中に精を吐き出された。
「はぁ、はぁ、はぁ…先生。先生、愛してる」
口淫した後の女性とのキスを嫌がる男性が多いと聞いたけど、彼は舌まで入れて来た。だけどそのせいで、彼の精子を飲んでしまった。
「ごほっ、ごほっ。苦っ…」
「先生、綺麗に舐めてよ」
「もう、いい加減にして!AVの見過ぎよ。もうしてあげないからね」
「ええーっ!そんなぁ~」
情け無くズボンを履く彼が、何だか愛おしく感じた。
「手が早過ぎよ。キスは良いけど、1ヶ月はお触り禁止だからね」
泣きそうな顔をする彼を見て、ゾクゾクと感じる自分がいた。
「ふふふ、私ってS気があったのね?でもあまりイジメると可哀想ね。ちゃんとご褒美はあげるから」
性行為は、付き合って1ヶ月記念日に許してあげようと思いながら彼の表情を見ると、お預けを喰らったワンちゃんみたいで可愛く見えた。




