8 神
神様の話をする前にまず大前提として覚えておいてほしい認めてほしいことがあるんだけどいいかな?
人間は神様ではない。
これはどうかな? 認めてもらえる?
じゃあ逆に言うよ?
神様は人間ではない。
これはいい?
了承されたことにして話を進めるよ。
以前に言葉の話をしたときに言葉は人間って言ったよね?
じゃあ、こうなるよね。
神様は言葉ではない。
強引な論法だと思うけどどうかな? 納得してもらえたかな?
神様は言葉じゃないから神様を言葉で説明することはできないことになるよね?
つまり神様って言葉で話すことのできない存在なんだってこと。
神は語り得ない。
言葉は世界の元。
神様は世界の外。
これが大前提。
その上で神様について話すね。
大前提で神様は語り得ないーーーー言葉で言えないってことだから、ここから先は完全にフィクションだよ。
○
僕たち人間に、ためになる物事を与えてくれる存在が居ると考える。
その存在を神様であるとする。
生きてるかぎりどんな環境のどんな状況でも神様は僕たちにためになる物事を与えてくれる。
そしてどうしても僕たちが耐えられない状況になったら、あの世に連れ戻してくれる。
「もう十分がんばったから帰っておいで」って言ってくれる。
僕たちは生きてるかぎり全てがためになる。
そう、全てが。
つまり、この宇宙にある全てが神様。
この宇宙には宇宙しかない。
ゆえに神様は一人ぼっち。
でも宇宙の中身はいろいろある。
いろいろある中身の全てが神様の分身。神様の1部分。
だから世界には神様がたくさん居るように見える。アラーも居ればヤハウェも居る。
もちろん宇宙の1部分である人間も神様の分身。
宇宙の1部分も宇宙なんだ。
宇宙の全てが神様の端っこなんだ。
人間の後ろには、ためになる物事を与えて愛してくれている神様が居る。
そう思うことで心理的な避難場所を得られる。
崖っぷちに追い詰められたって後ろには神様が居る。逃げ道を用意してくれている。
「いざとなったら戻ってきていいから思う存分やってみなさい」
そう言って送り出してくれる。
そうすることで僕たちは思う存分やってみることができる。
経験できる。
経験することによって自分の中身が増える。
自分の心が肥え太る。知識が増える。できることがどんどん増えていく。楽しい。
自分というコップに心という水が注がれる。
また僕たちは、神様は人間ではないから、ためになる物事を自分が持つ世界観の外側に探すようになる。
神様は世界の外だから。
人間は世界の内。
あっ、ちなみに世界観ってその人が「世界ってこういうものだろ。その世界で人はこういうふうに生きるものだ」って思ってることだよ。
閑話休題。
こうやって自分の世界観の外に答えを求めることで自分の外側から情報を取り入れることができるようになり自分の限界を超えて成長できる。
自分の内側でぐるぐる悩まなくて済む。自分の中に答えを求めなくて済む。自分の中の答えでは自分を超えることはできないの。つまり成長できない。
経験は自分の知っている世界の中にはないんだよ。自分の世界の外側から与えられるの。
経験による見たり聞いたりした知識も、やってみて身に付いた能力も、自分の世界の外から与えてもらったものなんだよ。
また神様に祈り願うことによって頭の中の考えを整理することができる。
神様は厄介事をなんでも聞いてくれる。人間みたいに嫌がらない。
自分ではどうにもできなくて家族にも友達にも相談したけどどうにもならなかった。そんな厄介なこと人に言ったってどうしようもないでしょ? 人じゃなくて神様に言わなきゃ。
神様に話すことで厄介事の内容が整理される。
頭の中の考えが整理されると自分のためになる 行動がスムーズに行われるようになる。
そうすることによって願いが叶う。
また自分の能力でどうにもならないことは、神さまに丸投げする。「神様におまかせします」って。
こうすることで自分にできないことに労力を取られることがなくなり、自分のできることに全力を注ぐことができてパフォーマンスが劇的に向上するんだ。
このように人間の考え方の上での神様ってすごく有用。だから神様っていう言葉がなくならないんだよね~。
人が人であるために、人ではないという神様の存在が不可欠。存在が存在するためには反対の存在が必要なんだ~。
注意しなくてはならないのは、人の考え方の上での神様は考え方であって物質ではないから実際に自分の替わりに面倒事をやってくれるものではないんだよね。ただ、ひらめきを与えてくれるものなんだ。
神様って僕の替わりに歯磨きしてくれないんだよ。歯磨きしないと虫歯になるって教えてくれるだけなんだ。ケチだよね。歯磨きくらいしてくれたっていいじゃん。
神様って「知識を教えて能力を与えるから自分でやってね~」っていう存在なんだ。
○
でもこうしてみると神様って、ばあばみたいだね。
えっ? とんでもないって?
またまた~。