ポストにある手紙
「んー!」
鳥のさえずりのよく聞こえる朝に僕は起きる。森に籠ってかなり経ったがやはり朝はいいな。
「顔洗お~」
ジャー
相変わらずの顔に呆れる。前髪は長く真っ白の髪の毛に紫のメッシュ、片目を隠し紫の瞳が自分を見つめる。昔からの童顔は治らないらしい。
「そろそろ顔も大人っぽくなると思ったんだけどな~。」
あきらめて朝御飯の準備をする。
ジュー
朝御飯はこの前収穫した野菜のサラダとフレンチトースト。コーヒーもいれて贅沢だな~と思いながらもこれだけはやめられない。
「いただきます!」
パクッめちゃくちゃおいし~!!これは店開けるよ!!
「あ、ほふともはふひふひはいほ(あ、ポストも確認しないと)」
入っているわけはないが一応確認する。まあ、かつての知り合いだったりの手紙もたまに入ってるからな。
ガチャッ
眩しいぐらいに快晴。山だから涼しいけど。
「さて、入ってるかな~?」
ガサッ
「ん、なんかいい紙質のが入ってる。」
いつもと違う手紙を取り出し中身を見た。そこには驚くことが書かれていた。
「は、はぁ~!?」
驚きすぎて大声をあげてしまった。手紙にはこう書かれていた。
『あなたを、国立異能関係職専門高等学校の教師に選抜いたします。』
「いやいやいや!?」
隠居生活最大のピンチですよ!?なんで籠ってると思ってんの!?てか、どうやってポストいれたの!?ここにたどり着くのってまあまあ困難なんだけど。
「てか、国立ってガチの実力主義じゃないか...。」
あれ嫌いなんだよね。
「...僕の実力気づいてるのか?いや怖!?無理無理無理無理!!」
取り乱しすぎて少しつかれた。
「落ち着け...そもそも選抜したのが誰って話だよな。」
候補をあげるにしても多すぎて絞り込めないんだよな。いや?まてよ...隠居して減ってるんじゃないか?
「まず、いつも手紙をくれるあいつ。」
あいつはそもそも僕の状況を理解してるし、なんなら隠居をしたいと言って家を隠密に準備してくれた張本人だ。違うな。
「なら、僕のきらいなあいつは...。」
いや、考えたくないし本気で会ってない。この家のことも知らないだろうし。
「うーん...。」
いや、これは後回しにしよ。返事してくださいとかないし。無視を続けたら諦めるだろ。
そう思っていた僕が馬鹿だったという話はまた今度。