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「パパちゃん」
「ん?」
「私ね、決めたからね。産む事に決めたから。よろしくね!!」
パパは急な言葉に一瞬ビックリしたみたいだけど、やっぱりなと頷いた。
最終的にママがおろす選択を出来ない事が、分かっていたみたいだ。
「…おう。分かった」
「頑張ってよね。お金だってかかるし、大変になるんだから…ねっ」
パパも、ママも笑った。
言葉にした途端、ママの迷いは完全に消えた。
嬉しい。嬉しいよ、ママ。会える…会えるんだね。ママにパパにお兄ちゃんに。
本当は少し諦めていた。
私に気づいた時のママの反応が、否定ばかりだったから。
でも…でもね。少しだけ期待もしてたんだ。
おろすって沢山の感情の中、その真ん中にはいつも殺したくないって気持ちが常にあったから。
読んで頂いて感謝!感想聞かせて貰えると嬉しみですっ
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