Sランククランを追放された僕は時間停止に覚醒して最強!もう元のクランには戻りません……とか言っているが、俺らは今の方が自由で住みやすいからな?
火曜日なったので載せますね
終末罪禍へようこそ。
ここは自由だ
俺ら末端の者たちは君たちを歓迎しよう
我らが団長や幹部たちは歓迎してないがな
終末罪禍とは、そんなフレーズで罪禍たちの下位メンバーが宣伝している変なクランだ。
クランリーダー、罪禍でいうと通称 団長 と幹部は全てSSSランク冒険者と言われているが、それは定かではない。
他にも、
曰く、幹部たちは竜王を一撃で倒した。
曰く、団長は一歩も動かず国を滅ぼせる。
曰く、彼らを敵に回せばすぐに抹殺される。
曰く、彼らの力は神々すらかなわない。
曰く、終末罪禍とは彼らそのものを表している
など、様々な噂がたてられてはいるが、実際は誰もその力を目にしたことはないので眉唾だと思われている。
そんな終末罪禍にて
ひとつの騒動が起ころうとしていた
Seed__ソル
「ソル、お前、もう出てけ」
「え……」
いつも滅多に対峙しない団長に執務室に呼ばれ、
唐突に言われた団長のその言葉に、僕の頭は真っ白になった。
「いま……なんて?」
「聞こえなかったのか?追放だ。追放」
「そんな」
確かに僕は弱いし、戦闘なんて大の苦手だった。
でも僕は僕なりにクランに貢献しようと頑張ってきた。
会計や帳簿をつけたり、ポーションや武器の仕入れをしたり、依頼を優先的に回してくれるように掛け合ったり、クランのメンバーのメンタルケアもしたり、依頼の報告書を書いたりもした。
「僕だって働いて…」
「ん?あぁ……あの誰でもできる雑用のことか?あれくらい誰でもできるだろう。ソル、お前はウチにいても居なくても変わらないんだよ」
「なっ!」
団長は面倒くさそうに吐き捨てた
あんまりの言い草に呆然とするが、団長のヴェールは待ってはくれないようだ。
「いいからさっさと出ていけ」
ここでは団長の命令は絶対。
誰も逆らうことが出来ない。
こうして、僕はSランククラン『終末罪禍』を追放されたのだ。
……今思えば、僕は全くお金を持っていない。
今持っているのは、去り際に渡された、ほんの少しだけの退職金だけ
はぁ……これからどうすれば
僕が途方に暮れていると、背後から気配がした。
あれ?誰かこっちに走ってきているような……
振り返ると、見知った顔がいた
「先輩!クランを抜けるってマジすか!?」
「そうだけどジル……どうしてここに?」
「先輩が抜けるなら私も抜けるっす!」
この子はジル。
このクランの中でもトップ10に入る実力者だ。でも何故かトップクラスに弱い僕を慕ってくれているけど
にしても…抜けるって!?
あのSランクを!?
「どうして?」
「先輩がいないクランに意味なんてないっす。それに、先輩の働きを馬鹿にするクランは落ちぶれるって相場が決まっているっす」
「そ、そうなんだ」
「それに、他のメンバーも続々と抜けるって言ってたっすよ」
えぇ!?ど、どうして……
衝撃的な発言やみんなの行動に目眩がする。
「みんな先輩に世話になって恩義を感じてたっす。先輩のいないクランにはなんの意味もないって言ってみんな出ていったっす。
だったら、今度はこんなクランじゃなくて先輩が中心となって動く最強のクランを目指そうっす!」
「最強の……クラン……」
かっこいい響きだ。
そうか……僕にまだ男としての気持ちがあったのか
……特にやりたいこともなくなったし、1度全力で目指して見るのもいいかな。
とその時
『条件を満たしました。スキル【時短】がユニークスキル【時間操作】へと覚醒しました』
な、なにこれ……?
スキルの覚醒なんて聞いたことがない
時間操作?なんだか凄そうだ。
試しに使ってみようと思い、何となく念じてみると……
「あれっ?何も変わらない。特に変わった感じはしないし、力が抜けるような感覚もない?」
あれ、おかしいな
発動はしているはずだけど
使い方が間違っているのかな?
って、あれ?
音が…、聞こえない
「誰も動いていない……僕しか動いていない?」
解除も自由自在。
どうやらこの時が止まった世界では誰も起こったことを認識できないらしい。
これは…、とんでもないスキルを手に入れたぞ
これなら最強も夢ではない。
このことをジルに話すと
「凄いっす!!もうその力さえあれば敵なしじゃないっすか!!」
と言ってよろこんでくれた。
「ジル、僕は決めたよ。僕達で最強のクランを作ろう!」
「ハイっす!」
僕たちが新時代の__新しい星を作るんだ!
________
Seed__ヴェール
いつものように大量の書類を一斉に片付ける
ん、執務室に誰か入ってきたな
この感じは……
はぁ、
「よぉヴェール。ソルを追放して良かったのか?随分と駒が減ると思うが」
特徴的な深紅の赤髪。引き締まった上半身に軽く羽織を纏っただけのラフと言うには軽すぎる格好でその男はやってきた。
「ルージュか。気にしなくてもいいだろう。そもそも、こんなクランなど飾りだ。メンバーなんざもとより必要ない」
「それもそうだな。なんせ、面倒くせぇクソギルドの上層部と国から無理矢理作らされたもんだからなぁ。外部がどうなろうと俺らの知ったことじゃねぇな。つうか、俺しか居ねぇんだからその気色悪い喋り方するんじゃねえよ」
……一理ある。もともとクランメンバーの前で取り繕うための話し方だしな
それもそうだ
「あぁ〜面倒くさかった。何で俺がこんな喋り方しないといけないんだよ。たく、ルージュてめぇ覚えていろよ。というかギルドがクソなのはもとからだろうが。自由をこよなく愛する俺らを縛り付けやがって。1度滅ぼしてやろうか」
そう、ギルドはまじでクソだ。
賄賂、横領、暴力、差別等など、権力によって好き勝手に行っている。
そして何よりも、自分がSランクを従えていると調子に乗っていやがる
無論まともなやつはいるが圧倒的少数だ。
そんな少数派の意見など、大多数のクズどもによってかき消されちまう。
まぁ、だからこそ俺らがこうして睨みを聞かせているわけだが。
それももう面倒になってきた。だからこそ、ソルを追放した訳だが。
「ん、今。時止まってるな」
「あぁ、確かに。そういえばソルは【時短】のスキルを持っていたな」
「あぁなるほど。【時間操作】にでも至ったとかか?それなら納得だな」
「まぁ、俺らからすればそう大したスキルじゃないがな、大抵の奴は完封できるだろ」
時間停止対策もしていないようなやつは特に
と思ったらルージュが大笑いし始めた
こいつの笑いのツボは毎回よく分からん。
「ハハハハ!おいおい!素の実力で圧勝してんのにスキルの質でも完勝されるとか!ハハハハ!!惨めなやつだなぁ!!アッハハハ!!!あいつが勝つとか無理だろ!そもそも俺らに勝てるやつなんて居ねぇよ」
「そう言ってやるなよ。世間一般から見ればソルのスキルは便利で強いからな」
……公表されているスキルの中ではな
「で、あいつは書類仕事とかやってたが、その穴埋めはどうするんだ?」
「どうせ、このクランから抜け出すやつが続出するだろうし、段々と減っていくだろ。それにあいつがやっていたのは所詮1割にもみたない。今更消えても本当に問題なんて起きようがないんだよ」
そう、これはあいつの物語ではない。
これは、真の『終末罪禍』のメンバーの物語だ
続きを書くかどうかは評価次第です。
それと、宜しければ現在書き進めている「享楽主義の天邪鬼はセカイを謳歌する」も読んでみてください。
まぁ、VRMMOですけど。




