表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/75

11月12日 カウンセリング3

 今日も女性は、いろいろいな質問をしてきた。できるだけ、答えようと思ったがなかなか答えにくい質問が多かったからだ。私は、女性を見つめた。


 女性「あれから、外出は、されてますか?」

 私 「そうですね」


 今日のカウンセリングルームは、この前の部屋と異なっていた。


 女性「外出したことによって起きたトラブルとかありましたか?」

 私 「トラブルですかぁ」

 女性「はい!」


 女性は、真っ直ぐな瞳で私の方を見てきた。トラブルと言えば、この前の聖徳高校の人に会ったことはそうなるのだろうか?


 私 「この前、外に散歩に出ていて」

 女性「はい!」


 今回も、メモをしながら、私の話を聞いていた女性カウンセラー。


 私 「散歩していたら、学校前まで来たんです。でも、学校行ってもしんどいんで帰ろうとおもいました」


 あの日のことを思い出すと、まだ、ビビってしまう自分がいた。


 私 「そしたら、同じ学校の生徒に出会ってしまって」

 女性「そうなんですね」


 女性は、全く驚いていない。頷きながら、私の方を見る。


 私 「会った後、声かけられて。慌ててしまって。逃げてしまったんですよ」


 あの時、心臓は、バクバクだった。


 女性「それは、そうですよね。久しぶりに会ったんですよね?」

 私 「はい」


 久しぶりに会ったのだろうけど、誰かはわからなかった。


 女性「私でも逃げますよ」

 私 「どうしたらよかったんですかね?」

 女性「逆にどうしたかったと思いますか?」


 どうしたらかぁ、、、、、。女性は、自分の意見を言わずに私に質問をしてきた。


 私 「ホントは話せたらよかったんですけど。とてもじゃないけど話せるような状況じゃなくて」

  

 あっ、、、。私って、話したかったのかな?女性の話を聞いて気づかされた。


 女性「簡単に話すことは難しいですよね。それよりも、話したいという気持ちがあるのはいいことですよね」


 話したいと思うことっていいことなのかな?ずっと部屋にいる私にとっては、話すことが新鮮なのかもしれない。


 私 「はい」

 女性「なんで話したいと思いましたか?」


 なんでだろう?私は、答えられずにいた。


 女性「少し答えるのが、難しかったでしょうか?」

 私 「はい」

 女性「では、質問を考えましょう」


 女性は、優しく私を見守ってくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ