1月2日 弓道部
私は、眠たい目をこすりながらゆっくり歩いていた。早く朝ごはんを食べないと。もう、13時を過ぎようとしていた。お母さんは既に家を出ている様だった。私も早く、残りの単位を取らないと。朝ご飯を食べて、勉強しないと。
ー12月31日ー
夏目の家は、本当に近かった。夏目の言う通り、5分で着いた。
夏目「どう、私の家?」
私 「凄いよ、とっても」
女の子の部屋っていう感じだった。
夏目「そう?よかった。じゃあ、改めて2人を紹介するね」
私 「はい」
山中と帆足は、何度も足を運んできているのか、とても慣れた様子でくつろいでいた。
夏目「さっきも言ったけど、山中と帆足ね」
私 「はい」
山中は、ショートカットで目がパッチリしている。一方、帆足は、ポニーテールでメガネをかけていた。
夏目「山中は、この近くにある中和高校ってところに通ってるの。大学の試験はこれからだ。それで、帆足は、三王高校ってところに通ってる。家はここから少し離れてるの」
中和高校に三王高校かぁ。どちらも知らないけど、どちら楽しそうだった。それなりに毎日を満喫しているんだろうと想像した。
私 「そうなんだ」
夏目「うん。なんか聞いてみたいことある?」
聞いてみたいこと?そんな初めて会った人ばかりにあるわけがない。必死に頭を考えぬいた。
私 「みんなはどこで出会ったの?」
夏目「私たちは、外部の弓道チームで出会ったの」
私 「弓道?」
弓道は、あくまでもアニメの中でしか見たことがなかった。
夏目「うん。弓道知ってる?」
私 「知ってる。的を射抜くやつでしょ?」
夏目「そうだよ」
弓道なんてものとは、私の人生と全く縁のない生活だった。
私 「いつ知り合ったの?」
夏目「約4年前くらいかな」
4年前かぁ。
私 「じゃあ、みんなもう長いんだね」
夏目「そうね。いいことばかりじゃないけどね」
いいことばかりじゃない。それがどういうことを意味するのか分からなかった。
私 「いいね」
すると、横から山中が声を発した。
山中「凪ちゃんは、仲良い友だちいないの?」
私 「‥‥‥‥」
言葉に詰まってしまった。
山中「どうしたの?」
私 「いや、なんでもないよ」
私が話そうとした瞬間、夏目が話し出していた。




