12月22日 退学
お母さん「荷物まとめられた?」
私 「まだ、全然」
洗濯物を畳みながら、私の話に耳を傾けていた。
お母さん「誰か挨拶行くの?」
私 「うん。先生と小川と塩見のところだけは」
全員の名前を言ってしまった。素直に言いすぎたか?
お母さん「塩見さんって、昔仲良くしてた人?」
食いついてきたのは、塩見の名前だった。お母さんは、塩見のこと覚えていたんだ。意外だ。
私 「そうだよ」
お母さん「あの子、今何してるの?」
何してるって言われてもな。家にいるんじゃないかな。
私 「なんか、学校行ってないんだって」
お母さん「えっ、そうなの?」
私 「うん」
驚いていた。もしかしたら、私と似た境遇の人なんていないと思っているのだろうか?
お母さん「連絡とったりしてないの?」
私 「私が学校行かなくなってからはしてないかな」
正直、聖徳高校の生徒とは連絡したくなかった。
お母さん「そう。ちゃんと話せたらいいのにね」
私 「そうだね」
とりあえず、話を合わせとくことにした。
お母さん「先生は、いつ会うの?」
私 「一応26日に行こうと思っている」
26日に挨拶して、27日に引っ越しとなれば理想だった。
お母さん「じゃあ、その日までに準備するわ」
私 「何を?」
なんだよ、準備って。どうせ辞める学校なんだから。
お母さん「お菓子とか」
私 「いらないでしょ、そんなの」
一刀両断した。絶対いらない、それは。強く訴えかけた。
お母さん「なんでよ。ここまで、よくしてもらったんだから感謝しないと」
私 「うーん」
よくしてもらったという自負は全くなかった。
お母さん「他の先生だったら、そんなことしてくれないよ?普通は」
あれは、普通じゃないのか?自分自身を疑いそうになる。どう見ても普通だと思う。あの程度もできないなら、教師はやめるべきだ。
私 「まぁ、そうかもしれないけど」
お母さん「大事にしないと」
これ以上はなしていたら、何か言われるんじゃないかと思い、従うことかした。
私 「わかったよ」
お母さん「お母さんからも、近々電話は入れとくわ」
私 「はーい」
たしかに、こういうことはきっちりしていた。




