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11月7日 登校

 今日も、相変わらず天井と睨めっこをしていた。スマホの動画からBGMを流しながら、ベットに寝転がる。しかし、不安や迷いはなかなか消えない。いつまで、この状態が続くのか?毎日、長い長いトンネルの中を必死に歩くが、全然抜け出せない。歩いても歩いても、同じ景色の様に感じる。

 昨日もらった薬が少しずつ効き始めたようで、頭痛がおさまってきた。病院の先生には、焦らずゆっくり行くことを薦められた。しかし、もう11月。そろそろ卒業がやばい気がしていた。学校の先生からは、12月までに戻ってくることができたら、なんとかしてやると伝えられていた。

 今の精神状態は、4月からあまり変わらない。これから、すぐに変わるとは言い難い。仲のいい友だちもいない中で、学校に行って何があるというのだろうか?穂波も真名も受験で私どころではないと思うし、学校に行くとなってもモチベーションが続かないのは目に見えている。

 いっそのこと、退学してしまった方が早いんじゃないのか?私は、これからのことについて迷っていた。ただ、退学となると、お母さんやお父さんにきちんとした説明する気がする。もともと、学歴にこだわる親ではあったからこそ、私のことをきちんと理解してくれるのかは心配だった。

 勉強自体は、ついていけると思っていた。ほとんど家にいることが多いが、会いた時間にそれなりに勉強は続けていたからだ。勉強は好きじゃないけど、嫌いではない。ただ、近くに佐々木真名という学年一番の成績の友だちがいたから、自信をもつことはできなかった。

 真名は、毎日、勉強を4時間ほどしている。私との遊びも時間を切り上げて帰るほどだ。勉強に負けてしまう自分が嫌だったし、自分はその程度だなんて思いたくなかった。今日は、夕食前に数学をやるつもりだった。

 勉強については、ほぼ自学自習だ。ただ、担任の先生は、1週間に一回ほど、タブレットで勉強のデータを送ってくれていた。そのデータを見ながら、私は勉強を進めていた。そこのデータの中には、先生からのメッセージも見れた。先生は、私が学校に来れる様、毎日メッセージを書き込んでくれていたみたいだ。嬉しい様な悲しい様な。

 5月頃からは、学校に行っていないの私だけではないというメッセージもあった。私たちのクラスで、学校に行っていない人なんているんだと思った。ただ、後にその人物が下田那奈であることがわかった。

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