11月20日 おばあちゃん家3
おばあちゃん家に来てから、今日で3日目が経過しようとした。そろそろ、ここに居るのもよくない気がしていた。おばあちゃんもいつまでも、私がいると大変だろうと思う。それに、お母さんからの連絡が全くないのも不気味でしかない。近くにいた、おばあちゃんに私は話しかけた。
私 「今日は、何するの?」
おばあちゃん「今日はね、病院行くのよ」
何か聞いてはいけないようなことを聞いてしまった気がしていた。でも聞かずにはいられない。
私 「病院?」
おばあちゃん「うん。病院で検査するのよ」
私 「何の検査?」
だんだん私の話すテンポが早くなってしまった。
おばあちゃん「今はね、腎臓の検査なの」
私 「腎臓?」
腎臓かぁ。なんの病気なの?
おばあちゃん「腎臓って意外に負担かかるのよ」
私 「そうなんだ。全然知らないや」
おばあちゃん「知らない方がいいわよ。毎日体調よく暮らしてよ」
たしかに、知らない方がいいのかもしれない。でも、おばあちゃんの体調は気になる。
私 「それは、そうだけど」
おばあちゃん「じゃあ、私そろそろ支度するわ」
おばあちゃんは、新聞をたたんで、部屋を出ようとしていた。
私 「わかった」
おばあちゃん「家でゆっくりしたらいいじゃない」
ここは、私の家ではない。そんな簡単にのんびりできないな。
私 「うーん。でも、そろそろ家帰ろうかなと思うの」
おばあちゃんは、特に戸惑わなかったみたいだ。
おばあちゃん「もうちょっと、ゆっくりしていいのに」
私 「いつまででも、家に帰らないわけにも行かないし」
そろそろ、お母さんも心配する頃だ。
おばあちゃん「まぁね」
私 「おばあちゃんと一緒に私も家を出るよ」
おばあちゃん「そうかい、そうかい」
メガネをかけて、食器を棚になおしていく。
私 「うん」
おばあちゃん「また、いつでも来ておくれ」
私 「ありがとう」
おばあちゃんの一言にはいつも助けられていた。お母さんとは、全くタイプの人だが、心を許せる優しい人だった。
おばあちゃん「無理したらいかんよ」
私 「うん。じゃあ、着替えてくるね」
笑顔のまま、私の荷物が置いてある書斎に向かった。




