表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/75

11月20日 おばあちゃん家3

 おばあちゃん家に来てから、今日で3日目が経過しようとした。そろそろ、ここに居るのもよくない気がしていた。おばあちゃんもいつまでも、私がいると大変だろうと思う。それに、お母さんからの連絡が全くないのも不気味でしかない。近くにいた、おばあちゃんに私は話しかけた。


 私     「今日は、何するの?」

 おばあちゃん「今日はね、病院行くのよ」


 何か聞いてはいけないようなことを聞いてしまった気がしていた。でも聞かずにはいられない。


 私     「病院?」

 おばあちゃん「うん。病院で検査するのよ」

 私     「何の検査?」


 だんだん私の話すテンポが早くなってしまった。


 おばあちゃん「今はね、腎臓の検査なの」

 私     「腎臓?」


 腎臓かぁ。なんの病気なの?


 おばあちゃん「腎臓って意外に負担かかるのよ」

 私     「そうなんだ。全然知らないや」

 おばあちゃん「知らない方がいいわよ。毎日体調よく暮らしてよ」


 たしかに、知らない方がいいのかもしれない。でも、おばあちゃんの体調は気になる。


 私     「それは、そうだけど」

 おばあちゃん「じゃあ、私そろそろ支度するわ」


 おばあちゃんは、新聞をたたんで、部屋を出ようとしていた。


 私     「わかった」

 おばあちゃん「家でゆっくりしたらいいじゃない」


 ここは、私の家ではない。そんな簡単にのんびりできないな。


 私     「うーん。でも、そろそろ家帰ろうかなと思うの」


 おばあちゃんは、特に戸惑わなかったみたいだ。


 おばあちゃん「もうちょっと、ゆっくりしていいのに」

 私     「いつまででも、家に帰らないわけにも行かないし」


 そろそろ、お母さんも心配する頃だ。


 おばあちゃん「まぁね」

 私     「おばあちゃんと一緒に私も家を出るよ」

 おばあちゃん「そうかい、そうかい」


 メガネをかけて、食器を棚になおしていく。


 私     「うん」

 おばあちゃん「また、いつでも来ておくれ」

 私     「ありがとう」


 おばあちゃんの一言にはいつも助けられていた。お母さんとは、全くタイプの人だが、心を許せる優しい人だった。


 おばあちゃん「無理したらいかんよ」

 私     「うん。じゃあ、着替えてくるね」


 笑顔のまま、私の荷物が置いてある書斎に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ