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11月18日 登校

 やっと朝を迎えた。眠い、それが最初の感想だ。結局、昨日は、ほとんど寝れなかった。夜の10時半頃には、ベットに入ったが、そこからなかなか寝付けない。途中からは、眠くなるように睡眠剤まで使用した。しかし、1時、2時となって睡魔はこない。結局、今の時間帯まで来てしまったのだった。

 母が作った料理も食べる時間帯が違うだけで、こんなに喉に通らないものだと気づかされた。朝、口にしたものは、パン一口とミックスジュース一杯のみだった。それだけでも、お腹はいっぱいで膨れていた。私は、食べた後の皿を片付けて、二階へと上がる。

 今日の朝は、いつもの朝とは違って、学校の準備がある。そう思うだけで、どこか胸が苦しくなる気がしていた。それでも、ほとんど身体症状はなく、大きな問題はなかった。昨日、先生から送られたタブレットのデータを見ながら、今日の授業の予定を確認した。

 数学、英語、現代文と5教科中心の授業だった。授業の進捗状況は、知っていたが全教科受けられる自信がなくなってしまった。私は、久しぶりの制服に袖を通して、階段から降りた。リビングにいた母は、私のお弁当と水筒を机の上に置いた。昨日より、母の表情は、曇っていた。

  

 母 「弁当持った?」

 私 「持ったよ」


 私は、縦に頷いた。


 母 「しんどくない?」

 私 「うん。大丈夫だと思うよ」


 母の心配を払拭するように話した。


 母 「そう、じゃあ、頑張りなさいよ」

 私 「うん」


 私は、水筒をスクールカバンに入れた。


 私 「じゃあ、行ってくる」

 

 母は、頷き、私を玄関まで見送った。


 私 「じゃあ、いってくる」


 大きく扉を開けると、最近見たことがない景色が私の前に広がっていた。眩い光が私の目に入ってくる。一歩一歩、足を進めると、前に同じ聖徳高校の生徒がいた。前の生徒と距離を詰め過ぎないように歩く。すると、今度は後ろから何人かの生徒が来ているのに気がついた。だんだん、頭が痛くなってくる。なんだろう?この感じ。まだ、学校に着いていないのに。歩き出して、3分ほど経った頃、私は、引き戻るか、このまま学校に行くか迷った。考えながら歩いていると、目の前に学校が見えてきた。学校が近くになればなるほど、私の心拍数が上がっていく。明らかに、いつもの私と違うことがわかった。カバンを前にして胸に手を当てた。ダメだ、苦しい。私は、これ以上、前に進むことができなかった。

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