表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/75

11月14日 突然

 あの日以来の散歩だけど、大丈夫かな?この前は、10時頃に家を出たから、今日は、11時にすることにした。私は、スマホをズボンに入れて、玄関の扉を開けた。すると、スマホのバイブ音が聞こえた。私は、持っていた扉をそのまま閉めた。


 私 「もしもし?」

 

 スマホの声は、女性だった。"私だよ、私"。声だけを聞いても誰だかわからなかった。名前を聞くと、私は、驚いた。電話の相手は、小川波だった。


 小川「今、何してるの?」

 私 「‥‥‥」

 

 私は、上手く話せない。


 小川「大丈夫?」

 私 「えっ、、、、」


 何も言えない。


 小川「5分くらいでいいよ」

 私 「うん」


 小川の声はとても高かった。


 小川「5分だけよ」

 私 「今?」


 だんだん、頭が痛くなってきた。私は、靴を脱いで、玄関に座った。


 小川「うん」


 小川は、どこにいるんだろう。


 私 「少しだけよ」

  

 私は、髪の毛を触りながら、スマホをスピーカー機能に変えた。今は、誰も家にいない。お母さんとお父さんは、仕事に行っていた。


 私 「今は、家にいるよ」

 小川「そうなんだ。今日、会おうよ」


 小川の急な発言に驚いて、私は、涙が滴り落ちた。


 私 「えっ、、、」


 鼻水をかみながら、涙をふいた。


 小川「どうした?」

 私 「いや、なんでもないよ」


 小川は、私のほんの違和感に気づいた。


 小川「だって、暇でしょ?」

 私 「暇というか。いける体力なんてないよ」

  

 だんだん頭がいたくなってくる。


 小川「そっかぁ」

 私 「ごめんね」


 頭が痛すぎて、頭をうつ伏せた。


 小川「えぇ、じゃあ、会いにいこっかなぁ?」  

 私 「そんなこと言われても困るよ」


 もう、私は、地べたに寝転がった。


 小川「お願いだって」

 私 「だめだよ、学校も行けてないし」


 小川は、全く引き下がろうとしない。


 小川「いいじゃん、ちょっとぐらいなら」

 私 「無理だよ。すぐ、頭も痛くなるし」


 小川は、なぜ、こんなに私に、構うのだろうか?


 小川「えー、寂しいなー」

 私 「そんなこと言われても」

 小川「えー、楽しくしようよ」

   

 これ以上、小川と話しても何も変わらない気がしていた。私は、無言で、スマホを切った。はぁ、これ以上、動く気も話す気もない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ