11月14日 突然
あの日以来の散歩だけど、大丈夫かな?この前は、10時頃に家を出たから、今日は、11時にすることにした。私は、スマホをズボンに入れて、玄関の扉を開けた。すると、スマホのバイブ音が聞こえた。私は、持っていた扉をそのまま閉めた。
私 「もしもし?」
スマホの声は、女性だった。"私だよ、私"。声だけを聞いても誰だかわからなかった。名前を聞くと、私は、驚いた。電話の相手は、小川波だった。
小川「今、何してるの?」
私 「‥‥‥」
私は、上手く話せない。
小川「大丈夫?」
私 「えっ、、、、」
何も言えない。
小川「5分くらいでいいよ」
私 「うん」
小川の声はとても高かった。
小川「5分だけよ」
私 「今?」
だんだん、頭が痛くなってきた。私は、靴を脱いで、玄関に座った。
小川「うん」
小川は、どこにいるんだろう。
私 「少しだけよ」
私は、髪の毛を触りながら、スマホをスピーカー機能に変えた。今は、誰も家にいない。お母さんとお父さんは、仕事に行っていた。
私 「今は、家にいるよ」
小川「そうなんだ。今日、会おうよ」
小川の急な発言に驚いて、私は、涙が滴り落ちた。
私 「えっ、、、」
鼻水をかみながら、涙をふいた。
小川「どうした?」
私 「いや、なんでもないよ」
小川は、私のほんの違和感に気づいた。
小川「だって、暇でしょ?」
私 「暇というか。いける体力なんてないよ」
だんだん頭がいたくなってくる。
小川「そっかぁ」
私 「ごめんね」
頭が痛すぎて、頭をうつ伏せた。
小川「えぇ、じゃあ、会いにいこっかなぁ?」
私 「そんなこと言われても困るよ」
もう、私は、地べたに寝転がった。
小川「お願いだって」
私 「だめだよ、学校も行けてないし」
小川は、全く引き下がろうとしない。
小川「いいじゃん、ちょっとぐらいなら」
私 「無理だよ。すぐ、頭も痛くなるし」
小川は、なぜ、こんなに私に、構うのだろうか?
小川「えー、寂しいなー」
私 「そんなこと言われても」
小川「えー、楽しくしようよ」
これ以上、小川と話しても何も変わらない気がしていた。私は、無言で、スマホを切った。はぁ、これ以上、動く気も話す気もない。




