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11月13日 ノート

 昨日は、カウンセリングが思いの外よかった。話をしていくうちに、自分の頭の中が整理されていく感覚だ。これまでは、話したくないことを話しているという方に近かったが、昨日は違った。カウンセラーの女性と話しているうちに、自分も素直な気持ちを表出していた。

 11月10日に出会った聖徳高校の生徒。あの生徒と話していたら、もしかしたら、何か変わったのかな?女性は、自分がどうしたいかということを尊重してくれた。自分でも、今の生活をどう思っているのかわけがわからない。カウンセリングの最後に、自分の思いや考えを書くように伝えられた。

 私は、帰ってすぐ、自分の気持ちを素直に書き出した。私が書き出したのは、毎日頭の中で反すうしたことだ。苦しいことや悲しいことをとりあえずそのまま書き写すことにした。書いているうちに、なんとなくモヤモヤしている気持ちが晴れてきたように感じた。

 今まで4回のカウンセリングを受けたが、こんなにもよかったのは初めてだった。みんなと同じように学校に行って生活するというのは難しいかもしれないけど、少しだけ希望の光が見えたような気がしたのだった。帰り際、また、次回のカウンセリングを予約した。

 今日は、いつもと同じように、ベットの天井を見つめる生活だった。スマホからは、いつものようにシンガーソングライターのmaiの曲が鳴り響いていた。maiの曲は、元気がもらえる曲が多い。昨日の今日ということもあり、少し気分も上がっていた。

 それでも、すぐに今の状況が変わるわけではない。少しでもネガティブな出来事が起こると、この前みたいにいろいろなことを考えてしまう。今も、できるだけネガティブなことを考えないようにとスマホからの情報を遮断していた。

 私の目の前にあるこの天井も、見つめすぎてどこに傷があるかもすぐ見つけることができるようになった。カーテンの横には、昔、お父さんが作ってくれた時計が飾られてあった。お父さんは、もの静かではあったが、もの作りをしている時は、とても嬉しそうな表情を見せていた。私は、仰向けからうつ伏せへと寝方を変えた。

 うつ伏せになると、昔から使っていた枕がある。枕は、ずっと変わらないままだ。寝れなくて枕を何度も変えようとしたが、枕を変える勇気がなかった。枕だけじゃないけど、何かを変えてしまうと自分の中にある何かが崩れてしまうんじゃないかと思ったからだった。

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