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11月4日 嘔吐

 だめだ。この季節になると、どうも気分が落ち込んでいく。私は、コップいっぱいに入った水を飲み干した。喉に入って行く薬の感覚がなんとも言えない気持ち悪さだった。薬の量は、この1年間で大きく増えた。最初は、夜の1錠だったけど、気分の落ち込みとともに1錠では、効かなくなった。

 飲み干したコップを台所のシンクにコップを置いた。この光景ももう数えきれなくなってきた。毎回、この繰り返しに飽きているが、なかなかやめられない。むしろ、この薬がないと生きていけないすら思っていた。残りの薬の数を見ると、残り3錠かぁ。あと1日しかないじゃないか。心の不安が高まっていく。

 私は、暗闇の中、一つ一つ階段を上っていく。でも、なかなか体が思い通りに進まない。頭痛、倦怠感、吐き気とうつ病の基準項目にも該当している。このうつ病的な感じが始まったのは、高校2年の冬。あの頃は、普通に学校に行っていたけど、あの出来事から、この薬を飲み始めたのだ。

 今頃、みんなは学校に行ってるんだろうな。仲の良かった穂波は、元気にしているのだろうか?穂波は、同じ聖徳高校3年の女の子。高1と高2で同じクラスだったけど、お互いのことをずっと話していて、周りからも仲いいことを認められていた。しかも、穂波は、とても強いメンタルでいつも私を励ましてくれたりしていた。

 あれから、約1年。もう穂波の励ましだけでは立ち上がれなくなっていた。今も時々、連絡はくれているけど、スマホ自体触っていない。もう、触らなくなってから約3週間ぐらいだろうか?触らなくなった理由は、単純明快。SNSで人と比べたくなかったからだ。

 必死に階段を上り終えると、急に気持ち悪くなってきた。ダメだ、頭が痛い。だんだん意識も朦朧としてきた。部屋に入ろうとしたが、部屋ノブが上手く握れない。私は、足元から崩れてしまい、部屋の前で倒れこんでしまっていた。頭から"キーーーーーーーーーン"という音が鳴り止まない。頭を抱えこみながら、こうした状況になった自分に自問自答を繰り返す。

 だんまん、咽喉元の周りが気持ち悪くなってきていた。私は、あまりの気持ち悪さに口を抑えた。でも、なにか出てしまいそうになる。咽喉元を抑えながら、2階にあるトイレに向かった。扉が少し開いていたこともたり、私はすぐかけこむことができた。トイレに入るなりすぐ嘔吐が始まった。この嘔吐ともに私の何もかもなくなればいいのに、、、、、。

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