第九十九話 皆のスキル
遅れてすみません。
クランハウスは古い一棟アパートを買取り、リノベーションをして使用することにした。条件に合う物件がたまたま僕の家の近所にあったので、即決してすぐに工事をしてもらうことになった。工期は三ヶ月だということで、それまでの間《千紫万紅》は姫路ダンジョンを攻略することにした。詩音と皐月は橘家を離れ、代わりに桃と山吹が橘家に居候することになった。岡山ダンジョンを攻略しながら、夜はお店でアルバイトをする。真姫がしっかりとお世話をすることだろう。
姫路ダンジョンを攻略するために、まずダンジョン側にある一戸建ての賃貸物件を三ヶ月の契約で借りた。生活に必要なものは収納の中に入っているからすぐに入居することは出来たが、一つだけ大事なことを忘れていた。真姫が抜けた《千紫万紅》には料理が出来る人材は一人もいなかった。賃貸物件のキッチンはカップラーメンを作るためにお湯を沸かすことだけに使われることになった。母親が作ってくれたお弁当はかなりの数があるがほとんどのお弁当はこの遠征でなくなってしまうだろう。早く美味しいお店を探さなくてはならないな。
リビングにパーティメンバーが集まり、明日からの攻略について話し合う。
「パーティとして初めての遠征だ。予定の三ヶ月で完全攻略するぞ。まずは皆のスキルの確認だ。僕からチェックしてもらおうか」
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ランク:A
名 前:龍泉 麟瞳
スキル:点滴穿石 剣鬼 豪運 全探知 全解除
火魔法 雷魔法 投擲
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「リーダーが雷魔法を使ったところを見たことないんだけど」
「《千紫万紅》では使ってないけど、一人のときに練習しているからね。姫路ダンジョンでは使っていくよ」
ゴブリンキングを倒したときの虹色の宝箱からは【雷魔法】のスキルオーブと不壊と雷魔法が付与された刀が出てきた。この二つは僕が使うべきだと皆が言ったので使用させてもらった。そしてあの時、【剣刀術】スキルが【剣鬼】スキルへと進化していた。またスキルの進化に助けてもらった。更に、美姫が復帰してからは特級ポーションを得るために岡山ダンジョンをパーティで攻略する間はほとんど魔法は使わなかった。美姫が魔法の弓矢を装備するようになったこともあるし、僕自身がマジックアイテムに頼ることなく戦闘を出来るようにする練習のためだ。その代わりソロで探索するときには魔法を使いまくった。使わないと威力は上がらないし、技も増えないからね。火魔法はファイヤーボール以外にファイヤーアローが使えるようになった。雷魔法はサンダーボールしかまだ使えないが、雷を纏って高速で移動できるようになったことが嬉しい。風魔法の靴と併用している。そしてやっと【投擲】スキルを手に入れることが出来たことが地味に嬉しい。
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ランク:B
名 前:橘 美姫
スキル:以心伝心 弓術 的中 連射 遠見
鷹の目 風魔法
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美姫はスキルは風魔法のスキルオーブを使ってからの変化はないが、装備品が大きく変わった。バトルスーツとヘルメットを僕と同じものを購入し着用するようになった。可愛い色のバトルスーツやヘルメットもあるのに、わざわざ僕と同じ黒を選んで装備している。《千紫万紅》は真っ黒装備が二人になった。そして宝箱から出てきた魔法弓を装備するようになり攻撃力が上がった。
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ランク:B
名 前:神楽 皐月
スキル:堅牢堅固 盾術 ガード 受け流し
シールドバッシュ 土魔法 カウンター
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皐月には【カウンター】のスキルオーブを使ってもらった。更に安定感が増して頼れるタンクに成長している。
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ランク:B
名 前:原田 詩音
スキル:変幻自在 アイテムボックス ヒール
剣術 盾術 槍術 投擲 忍び足
罠解除 火魔法
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詩音は火魔法のスキルオーブを使ってもらった。僕と被っているが、詩音は装備品も火魔法の付与された片手剣の他に炎魔法の付与された槍と火魔法や炎魔法で統一して腕を磨いている。
そして僕以外の三人も魔力回復の指輪と魔力消費軽減の指輪を装備し、そしてパーティメンバー全員が黒いジャケットを着て探索する。因みに、真姫も当然黒いジャケットを装備して岡山ダンジョンを攻略している。