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第九十一話 ボス部屋の向こう側を発見

 今日からまた二話投稿に戻します。時間は前と同じで12時と19時です。楽しんで頂けると幸いです。今後もよろしくお願いします。

「嬉しいんだけど、なんか呆気ない終わりだったわね。もっとオーガって苦戦すると思っていたわ」

「真姫は余裕があったんだな。オレはオーガの攻撃を防ぐことで精一杯だったぞ。このパーティに入れて本当に良かったと思うぜ」

「余裕は全然なかったわよ。ただ夢中に槍を振っていただけ。一瞬で終わってしまって、まだ実感できてないのかな?」


 ボス部屋で三体のオーガの討伐に成功し、いつものハイタッチでお互いの健闘を讃えあった後に、新人Bランカーの二人はそれぞれの感想を言い合っている。


 いつもより大きな魔石を回収すると、銀色の宝箱が出てきた。今回は真姫が宝箱を開ける順番だ。


「折角最終階層のボス部屋を攻略したのに銀色の宝箱か?景気良く金色が出てくれば良いのにね」

「真姫は罰当たりっすよ。Cランクダンジョンで銀色の宝箱が出るなんて凄い幸運な事っすよ。リーダーのおかげでいつもの宝箱が凄すぎるだけっす」


 詩音が真姫を窘めている。このパーティの宝箱の出方は確かにおかしいよね。低階層でも普通に銀色の宝箱が出てきたり、金色の宝箱までも今までに出てきた事がある。その宝箱から出てきたマジックアイテムの装備品で武装しているからこそ、ボス部屋を無傷で攻略できた。【豪運】スキルさまさまだよ。


 宝箱の中には最近良く出てくるようになった高級ポーションのセットと指輪が入っていた。魔法関連の指輪がまだパーティメンバーに行き渡っていないので期待してしまう。


 すべてを収納してボス部屋の奥の転移の柱に向かい移動する。その時、僕の【全探知】スキルに反応があった。


「皆、ちょっと待ってくれ!ここの壁におかしな反応があるんだ」


 前に一度ダンジョンの隠し部屋を見つけたことがあるが、あの時と似たような反応があった。


「鬼ヶ島ダンジョンで一度隠し部屋を見つけたことがあるんだが、その時と同じようにこの壁は扉になっていて向こうに抜けることが出来るようなんだ。ただ、壁の向こうがどうなっているのかは全く分からないんだ。どうする?皆の意見が聞きたい」

「鬼ヶ島ダンジョンに隠し部屋があったのか?オレは何回も攻略したけど見つけたことがないぞ」

「隠し部屋に魔物はいたの?危険じゃなかったの?」

「その時は壁を開けると部屋の中に宝箱だけが置いてあったんだ。罠も無かったし、宝箱の中の物を回収してすぐに部屋を出ることができたよ。今回がそうとは限らないけどね」

「未知の冒険か?ドキドキするわね。でも、危険があるかも知れないってことよね。多数決で決めましょうか?」

「私もそれが良いと思うっす。隠し部屋なんて見たことがないっす。ドキドキするっす」


 多数決を取ったが、皆が壁の向こう側に行くことに賛成した。帰還石を持っていることも影響している。いざという時にはダンジョンの外にパーティごと転移することが出来る。今度は絶対に忘れない、皆を危険な目に遭わせることがないようにしよう。


 朝からの攻略だったので、もういい時間になっている。ボス部屋の外で待っているパーティもいないだろう。ボス部屋の奥の転移の柱の側でお弁当を食べてから壁を開けることにした。


「隠し部屋のお宝はいいものだったの?」


 弁当を食べながら真姫が質問して来る。


「いや、普通の銅色の宝箱だったかな?赤いヘルメットが入っていたと思うんだけど・・・ちょっと記憶が曖昧だよ」

「綾芽達と一緒だったよな。もう懐かしく感じるぜ」

「あの時の皐月は生意気だったよな。僕は良く覚えているよ。まだ一月半しか経ってないだろ。流石に懐かしいは言い過ぎだよ」

「皐月が生意気っすか?今も言葉遣いは酷いっすけど、そんな感じはしないっすね」

「言葉も態度も最悪だったわよ。そのせいでいまだに仮パーティメンバーなんだからね、皐月は。問題を起こさないように注意しておくのよ」


 美姫は相変わらずお母さんをしているよ。


 弁当も食べ終わった。気負っている様子も感じられない。少し身体を動かして反応がある壁の前に全員集合する。


「もしかしたら、すぐに戦闘になるかも知れない。油断せず、準備はしておくように。いざという時には帰還石を使うから、危ないと思ったら念話で伝えてくれ。すぐに使うから、遠慮はしないように。よし、開けるぞ!」


 前回の隠し部屋はスイッチを押すだけだったが、今回は壁に施された少し複雑な仕掛けを僕の【全解除】スキルで解除した。さあ、壁の向こうはどうなっているのかな。







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