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第九話 岡山ダンジョン十一階層から十五階層

 今日も天気に恵まれた。昨日の失敗を考えて四時五十五分に起床した。いつも通り朝の鍛練から始める。綾芽は腰にウエストポーチを付けてしっかりとスタンバイしている。


「お兄ちゃん、おはよう。このマジックポーチ凄いね。部屋の中の物を一杯収納しちゃったよ」


 妹よ。肝心なときに収納できなくなるぞ。ちゃんと整理しろよ。


 昨日と同じメニューで鍛える。綾芽は少し慣れたのか余裕が出てきたようだ。しかし、鍛練後は余裕が無い。急いで用意して学校に。小さめのリュックにマジックポーチを入れて走って家を出て行った。学校関連の荷物は全部入っているんだろうな。


 僕はゆっくりとシャワーを浴びた後に朝飯を堪能する。父親は出勤済みだ。


「母さん、頼みがあるんだけど」

「何だか怖いけど、言ってみな」

「今日帰ってくるときに弁当箱を買ってくるから、晩御飯を作るときにおかずを多めに作って弁当にして欲しいんだ。今は日帰りできるけど、いずれは遠征もすると思うからストックを作っておきたい。腕輪があるしね」

「なんだいそんなことか。ついでだから良いよ。お昼の弁当も余分に作ろうか?」

「ありがとう、母さん。お昼も明日からお願いするよ」


 食事後、今日のお弁当を受け取って持ち物の確認をする。大丈夫だ。では、行ってきます。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ダンジョンに着くとまずは着替える。念のためリュックも背負っておく。そして受付へ行き武器の封印を解いてもらい、着替えの入ったバッグと武器ケースを預ける。昨日と同じ受付嬢なのでスムーズに終える。その後は武具店で刀をチェックしてもらう。問題なしということで一安心。さあ十一階層からチャレンジだ。


 無事に転移しリュックを腕輪に収納する。《百花繚乱》にいたときもリュック型のマジックバッグだったから久しぶりに背中が身軽な戦闘になる。思っていたよりも動きやすい。それだけで嬉しくなって来た。


 十一階層から十五階層もゴブリンが五、六匹の集団で出てくる。厄介なのは集団の中にアーチャーが入っていることだ。通路が狭い分アーチャーまで到達しにくい。弓を気にしながらの戦闘は思いの外精神的に疲れる。十階層までのようにサクサク攻略が進まない。どうにかこうにか苦心しながらもボス部屋の前まで到着した。因みにお弁当は十五階層に続く階段で美味しくいただきました。


 順番を待っているパーティは一組。一応空のリュックを背負ってから後に並んで待つ。


「ソロなんですか?」

 

 僕って話し掛けやすいのかな。昨日に続き前のパーティから声が掛かった。


「はい、ソロです」

「装備も凄いし、強いんですよね」

「いやー、ここに来るまで結構苦労しましたよ。アーチャーからの攻撃を躱すのが大変でした」

 

 折角なので、情報のすり合わせを行っておく。十五階層のボス部屋は八匹から十匹のゴブリン。ファイター、アーチャーに加えてソードマンも入ってくる。話し掛けてきたパーティは六人で、一人大盾持ちがいて四人が利き腕に短槍もう一方の腕にバックラーという小型の丸盾を持って攻撃をするらしい。そして荷物持ちが一人入っている。十階層から十五階層はこの戦い方で安定して稼げるそうだ。


 結構話をした後で漸く部屋の扉が開いた。頑張ってください。イメージトレーニングを行う。アーチャーを視線に入れながら、武器持ちゴブリンの腕と脚を削る。動きは止めないように焦らず少しずつ削る。隙が出来たらアーチャーの討伐を優先して行う。こんな感じで進めば一番良いが、何が起こるか分からない。臨機応変に対応できるように準備もしておこう。二十分程で扉が開いた。気を引き締めて行きましょう。


 いつも通りボス部屋に入り切ると扉が閉まる。リュックはすぐに収納する。ゴブリンは十匹。最悪なのはアーチャーが二匹いることだ。焦らず行こう。待っていてもしょうがない、こちらからアタック。


 アーチャーを視界に入れながら。剣を持ったゴブリンソードマンの腕を狙う。真正面から大胆に近づき切り込んで来るところを躱し同時に腕を狙う。うまく行った。武器を失ったゴブリンは取り合えず放置して落とした剣だけ遠くへ蹴飛ばしておく。


 矢が飛んで来る。危ない。二匹同時だと結構ギリギリだ。体勢が崩れたところに接近してきたゴブリンが棍棒を振り回して来る。とにかく動きを止めないようにと考えていたのが上手く行っていない。立て直そう。一度蹴飛ばした剣の方へ移動して距離を取る。駄目元で剣に触れて収納と思えば出来てしまった。ん、これはいいのか?今考えてもしょうがない。ラッキーと思っておこう。


 二匹のゴブリンが突っ込んで来る。とにかくアーチャーから視線を外さずに、動き回る事に集中しよう。フェイントを入れて右側のゴブリンを攻撃。脚にヒットし動きが止まる。そのままの勢いで右側から回り込みながら棍棒を持つゴブリンの腕を狙う。矢も飛んで来るが狙いは付けさせないように動く。ほとんどのゴブリンの武器を奪った。


 チャンスだ。近くのゴブリンを袈裟斬り、返す刀で隣のゴブリンを左側から斬る。やっと穴が空いた。アーチャーを目掛けて疾走する。狙いを付けられないようにジグザグに走りながら左のアーチャーへと迫る。接近すればこちらの勝ち。首を狙う。腕でカバーしてきたが構わず斬りつけ、最後は真向斬り。まず一匹。


 弓を躱してもう一匹のアーチャーを狙う。間にいるゴブリンを斬りながら近づく。接近してしまえば一安心無事に討伐出来た。残りを屠りボス戦をクリアした。大きく息を吐きドロップアイテムを集めている時に銅色の宝箱が現れた。


 お約束で背面から蓋を開けてご対面。定番のポーションが五本と弓と矢筒が入っていた。また鑑定待ちだな。やっぱり僕の運は天元突破しているように感じる。何かあるのだろうか。


 取りあえず部屋を出て階段を降りて転移の柱に登録をする。今日はここまでにしておく。ドロップアイテムをリュックに移し替えて、ダンジョンの外へ転移する。




 







 

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 妹も楽しいね。 天元突破…四字熟語。
[気になる点] >小さめのリュックにマジックポーチを入れて走って家を出て行った マジックポーチに学校道具全部入れて、その上でマジックポーチが目立たないように小さめのリュックに入れたって事かな?
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