表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/150

第八十九話 明日に向けて

今日もこのお話だけの投稿になります。よろしくお願いしますと

 水曜日は教習所で路上教習を受けてから、倉敷ダンジョンで魔法の練習をした。倉敷ダンジョンでは美姫は弓を使わなくなった。いつでもマジックポーチから弓を取り出すことは出来るが、ウインドカッターを繰り返し使い魔物を倒していく。


 僕がファイヤーボールしか打てないのと同じで、美姫も攻撃魔法はウインドカッターしか打てない。風魔法で移動の補助は出来るようだけどね。


 最初は威力が弱いんだ。僕も正輝と比べて落ち込んでいたことを思い出す。


「美姫、魔法は使っていくと威力が上がるし、技も増える。僕も最初は威力がなかった。使っていくしかないよ。いつか矢に風魔法を纏わせることが出来るようになるよ」


 美姫は魔力ポーションを三本飲んだようだ。頑張れ!


 木曜日は美姫と詩音と僕の三人でパーティを組み岡山ダンジョンに挑む。十月になり大学生の真姫と皐月が月曜日と金曜日の週二日の活動になったからだ。


「何階層を攻略するか決めようか?」

「私は三十階層以降なら何処でも良いわよ」

「私も何処でも良いっす。リーダーが決めてくれれば良いっす」

「じゃあ午前中は三十六階層から四十階層を攻略して、午後から四十一階層から四十五階層を攻略しようか」

「リーダーは強気っすね。望むところっす」

「強気というよりも、明日のボス部屋の攻略を考えてかな?情報通りなら、ボス部屋には三体のオーガだ。今までのゴブリンを相手にするのとは違い過ぎるだろう。体も大きく威圧感がハンパない。見た目だけでなく攻撃力も防御力も高い。三体の内、一体は美姫の爆裂の矢で相手をしてもらおうと考えている。美姫のガード役は詩音だ。そして一体は僕が相手をする。最後の一体を皐月と真姫の二人に任せることになるが、僕達三人がオーガを倒した後にすぐにフォロー出来るようにする必要があると思う。今日はホブゴブリンを相手に連続して高火力の攻撃を与える練習をしよう。美姫は爆裂の矢は明日に取っておいてね」


 三十六階層から探索を始めた。いつも通りゴブリンパーティにエンカウントすると、まずは後衛のゴブリンヒーラー、ゴブリンメイジ、ゴブリンアーチャーを矢と魔法で倒すのは変わらない。後衛ゴブリンを倒した後が今日の本番だ。剛腕の腕輪の効果もあり、強引に刀を振り風の刃を飛ばす。風魔法の靴の効果で高速移動をしながらホブゴブリンの首を狙い刀を一閃する。


 美姫はヘッドショットというよりもホブゴブリンの目を狙い矢を射る。更に連射する練習を続けておこなっているようだ。風魔法を使い狙いやすい位置を素早く確保するように移動している。


 詩音は、僕がボス部屋で美姫のガード役をしてほしいと言ったせいか、中盾で武器持ちのホブゴブリンの攻撃をいなす練習を多くしているようだ。確かにオーガの攻撃をまともに受け止めては吹っ飛ばされる未来しか見えない。体勢を崩したホブゴブリンに火魔法を剣に纏わせて斬っていく。火力も魔法剣のおかげで大分上がってきたようだ。


 三人パーティでも危なげなく四十一階層のセーフティーゾーンにたどり着いた。


「リーダーはオーガとは戦ったことがあるの?」

「パーティの一員としてなら戦ったことはあるけど、その時はほとんど道案内と荷物持ちが僕の役目だったから、オーガの攻撃を受けないようにすることだけ考えていたよ。当時のパーティメンバーの戦いはしっかり見ていたから、どれくらい強いかは分かっているつもりだよ。美姫の爆裂の矢は必ず通用する。自信を持っていつも通り矢を射れば良いと思うよ」

「私はどうっすか?」

「オーガの攻撃を受け流そうと練習しているのは正解だと思うよ。更に言えばオーガの攻撃は回避して腕や脚にダメージを与えていければ良いと思う。美姫をしっかりと守って欲しいけど、美姫の移動速度も速くなっているからね。そこは念話で会話をしながら対応出来れば良いんじゃないかな」


 弁当を食べ、水分補給をした後に攻略を再開した。美姫と詩音の二人は度々魔力ポーションを飲んで攻撃を続ける。僕は指輪のおかげか練習の積み重ねの結果なのか分からないが、全力で刀と靴の魔法効果を使ったり、ファイヤーボールを使いすぎたりしない限り魔力枯渇になることはなくなってきた。でも今日は二本の中級魔力ポーションを使ったけどね。それだけ沢山のゴブリン達を倒したということだ。


 四十五階層のボス部屋もクリアした。三人だと数が多い相手は大変だった。疲れきってハイタッチをおこなったが明日への手応えも感じている。ドロップアイテムと宝箱の中身を回収して四十六階層の転移の柱からダンジョンの外に転移した。


「いやー、オークションの結果が凄いことになりましたね。カードへの入金でよろしいですか?」


 いつものように部屋で買取り手続きをしてもらった後に中里さんが聞いてきた。


「カードの入金額がおかしくなってきますが、よろしくお願いします。どうしてこんなに高値がついたんですかね?」

「オークションですから、それだけ欲しい方がいらっしゃったというしかないです。最終的にお二方の一騎打ちになり、値段がどんどん上がっていきましたからね」


 どんな人が落札したんだろうね。気になるが勿論教えてはもらえない。


 美姫がパーティ内でどのように配分するのかを伝え、僕と美姫のカードには大金が入金された。明日の真姫と皐月は気絶してしまうかもしれない。特に真姫が危ない気がする。


 今日の宝箱の中身の鑑定結果で、魔力回復の指輪があったのが嬉しい。美姫が装備することになった。


 明日の完全攻略を約束して、ダンジョンを後にした。

 

 

 







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ