第七十八話 教習を受けた後の倉敷ダンジョン
今日も二話投稿します。よろしくお願いします。
感想にも書かれていましたが、第七十一話のサブタイトル忘れていました。気になる方は確認してください。何の捻りもないサブタイトルです。
今、倉敷ダンジョンの一階層に転移したところだ。セーフティーゾーンでパーティメンバーの美姫と話をする。
「この時間の一階層は初めてだけど、やっぱり人が多いな。最短距離で階段を目指して行こう」
「本当に多いわね。ウサギの肉も欲しいのに手に入れるのは大変そうだわ」
「七階層まではウサギのエリアだから進んでいけば何処かで倒すことは出来るよ。美姫の【遠見】と【鷹の目】の二つのスキルを使えば、僕達が戦うことが出来るウサギに効率よく会うことが出来るんじゃないかな?」
「リーダー、ナイスだわ。父親の厳命でいろいろな種類の魔物肉をゲットしないといけないのよ。配分は教習所で決めた通りでお願いね」
今日から僕は倉敷駅側の自動車教習所に通うことにしていた。美姫も一人で教習所に通うのが嫌なのか、飛び入りの当日受付で入所式に参加して一緒に通うことになった。
入所式の後、お試しとして技能教習と学科教習を一時間ずつ受けてきたのだが、技能教習は良いとして学科講習がよろしくない。椅子に座り続けるって結構大変なことが分かった一日だった。
休み時間に美姫と話をして、教習所が終わったら倉敷ダンジョンで一緒に攻略することになった。もともと僕は魔法と風魔法が付与された刀の練習するためにダンジョンには入る予定だったので、ダンジョンに一緒に入ってとお願いされた時に勿論承諾した。その時に配分の話をして、美姫はドロップした肉の三割を持ち帰り、残りは僕のものと決められた。魔石を貰うから肉は半分ずつで良いと言ったんだけどね。
何故美姫がそんなに大量の肉が欲しいのかといえば、僕のせいだということだ。昨日のお弁当が切っ掛けらしい。今まで現物支給として渡した魔物肉はサイコロステーキとして定食の副菜として使っていたらしいが、昨日のお弁当が美味しかったのか、メイン料理になるように研究をすることになったらしい。これって僕のせいではないよね。僕はお弁当を渡すのを断ったんだよ。真姫が無理を言ってきたのが悪いんだ。
【遠見】と【鷹の目】と【念話】のスキルは役に立った。探索者が近くにいない魔物を見つけては走らされたよ。走って魔物に近づいたときに、矢で止めを刺されたときには殺意を覚えたよ。振り返ったときに舌を出してくるんだよ。頭に来るよね。
ウルフエリアの八階層に来るまでにラビット系の肉も沢山入手できた。ここからはウルフを相手に本格的に練習をしていこう。
二人で攻略しているのにも意味がある。後衛の美姫だけでダンジョンを攻略するのは危ない。綾芽と来たときのように自由に動き回って討伐することは出来ないが、連携を深めることが出来る。美姫の念話による指示に任せて討伐を繰り返す。魔法中心に戦う階層と刀を使って戦う階層を作り進んで行った。美姫も弓矢で課題を設けて倒しているようだ。あっという間に十六階層の転移の柱まで到着し、美姫が登録をした後にダンジョンの外に転移した。
「リーダーの攻撃力の上昇は目覚ましいわね。魔法も凄いけど、その刀の攻撃も前とは比べものにならないわ。まだ全力ではないんでしょ」
「今日は全力は出してないけど、前回全力で刀に付与された風魔法を使ったらすぐに魔力枯渇になったんだ。燃費がとてつもなく悪いんだよね。それと攻撃力が上がったのはマジックアイテムのおかげだからね。僕の自力が上がった訳じゃあないから残念だよ」
「何を言っているのよ。マジックアイテムを入手したのもリーダーなのよ。他の人にそんなことは出来ないわ。攻撃力が上がったのはリーダーの力なのよ。間違えないでね」
約束通りの配分で買取りをしてもらったんだけど、美姫は三十キログラム以上の肉を持って帰ることになった。どれだけ料理の研究をするのだろうか?橘父さん、頑張ってください。
「明日のパーティでの攻略だけど、真姫と皐月も参加したいそうよ。大学って九月まで夏休みなんだって」
「それ本当?小学校から高校までは九月までには学校は始まっていたよね。大学は違うんだ、知らなかったよ」
「私も知らなかったわ。だから九月中は月火木金に参加させてと言われて来たんだけど良いのかな?」
「勿論歓迎だよ。これで九月中には岡山ダンジョンを完全攻略出来るかもしれないな」
嬉しい誤算といっていいのか、四人での攻略日数が増えたことで連携の確認にも時間を使って取り組むことが出来る。明日からの攻略の楽しみが増えたね。
自動車教習所の学科教習も眠くならずに受ける方法ってないのだろうか?これもマジックアイテムで解決出来れば良いんだけどね。