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第六十一話 ダンジョン旅行 一日目②

「鑑定してもらわないと効果は分からないからな。さあ、攻略を再開するぞ。今度はボス部屋の宝箱を貰いに行くぞ!」


 またやる気になり、ボス部屋目指してゴブリンを倒していく。危なげなくボス部屋の前に到着した。順番待ちのパーティが一組いる、その後に並んで待つ。


「女の子だけのパーティとは珍しいね。県外の方ですか?」


 前に並んでいる男女混合パーティの女の子が話しかけて来た。


「女の子だけではないですよ。黒いヘルメットを被っている人は男性です」

「は~~~っ、ハーレムパーティでしたか。世の中の男性から羨ましがられますね。しかも可愛い子ばっかりですね。どれだけ男前なんですか?」

「私の兄です。夏休みの間だけ指導してもらっているんですよ」


 やっぱりそう見えちゃうんだね。僕の作るパーティには絶対に男性のメンバーに入ってもらおうと思ったよ。


 やっと順番が来た。一応念のため僕が先頭でボス部屋に入った。全員が入ると扉が閉まり、戦闘の開始だ。


「ゴブリン七匹のパーティだ。遠距離攻撃をする奴もいない。僕は手を出さない、五人で倒してくれ」


 僕は後に下がって見守ることにした。


 真琴の一射で戦闘が始まった。桃と山吹の盾はワイルドボアやビッグボアにも通用する技術を身につけているんだ、こんなところでは崩れないだろう。遥と綾芽もしっかりと踏み込んでゴブリンを一撃で仕留める。混戦の中でも真琴の矢がゴブリンを襲う。出会った頃に比べると随分と成長しているようだ、すぐにゴブリンはいなくなった。 


 皆で魔石を拾っていると、今度も銅色の宝箱が現れた。


「二番目は私です。開けさせてもらいます」

「罠は無いからね、安心して開けていいよ」


 二番目は遥だ。噛み締めるようにゆっくりと宝箱を開けていく。宝箱の中からは女性用の靴が出てきた。やっぱり女性が開けると女性用の物が出てくるのだろうか?綾芽だけでなく遥でも同じような結果だから信憑性は高いよね。

 

 少し時間が早いが、ここで今日の探索は終わりにする。この後買取りもあるし、高松に戻ってホテルにチェックインもしなければならない。皆も納得して転移の柱からダンジョンの外に転移した。


 転移した後はまず武具店に行き、武具のチェックと矢の補給をする。ダンジョンカードで支払いを済ませてお待ちかねの鑑定をしてもらう為に買取りの受付に向かう。


 それほど待つこともなく買取りの窓口へ行き、カゴの中にドロップアイテムの魔石を入れて、最後にヘルメットと靴を入れた。


 鑑定があるので少し時間がかかったようだ。呼ばれて窓口に向かうと部屋へ案内される・・・香川県も同じだね。鳥取県のようなことは起こらないよね・・・不安になるよ。


 例のごとく、部屋の中には支部長が待ち構えていた。


「すみませんが少し聞きたいことがあります。よろしくお願いします」


 パーティリーダーは綾芽である。お任せしますリーダー。


「靴とヘルメットのマジックアイテムですが、何処で入手したのか教えていただけますか?」

「・・・・・・・・」

「綾芽、パーティリーダーはお前だぞ」


 はっとした後にこちらを見てくる。僕は頷き返した。


「ヘルメットは十三階層の隠し扉の中の銅色の宝箱の中に入っていました。靴はボス部屋の銅色の宝箱から出てきました」

 

 支部長は驚いて聞き返してきた。


「隠し扉があったんですか?もう一度お願いします。何階層にありましたか?」

「十三階層です」


 このダンジョンでは初めての隠し扉の発見だそうで興奮が隠し切れていないよ。まあ僕も七年以上ダンジョンに入っているけど、初めての経験だ。【全探知】スキル、凄すぎですね。


「二つとも銅色だったんですね。滅多に銅色の宝箱は出ないんですけど、凄いですね」


 最後は質問ではなく感想を聞いてドロップアイテムの内訳の話になった。ここはゴブリンの魔石しかドロップしないので残念な買取り金額だった。これで半分くらいしか魔石がドロップしないとなると宝箱から良いものが得られないと誰もこのダンジョンに来なくなるよね。


「最後にマジックアイテムの鑑定の結果ですが、靴は敏捷の効果が付与されています。買取り価格が200,000円です。そしてヘルメットの方ですが衝撃耐性と暗視の効果が付与されています。買取り価格が400,000円です」


 勿論マジックアイテムは持ち帰ることにして、買取り金額を七等分してカードに入金してもらった。一人分で五千円いかなかったよ。


 武器の封印をしてもらって、預けてある荷物を受け取り更衣室で着替える。皆が揃ってバスとフェリーを乗り継いで高松に戻ってきたのは五時頃だった。そのまま駅側のホテルに向かった。


 ホテルでチェックインの手続きをする。今回は一人部屋に僕が、二人部屋と三人部屋に別れて五人が泊まることになる。このホテルに二泊することにしている。取りあえず六時にロビーに集合ということで別れて部屋に入った。よくあるビジネスホテルで、ベッドで部屋のほとんどを占めている。軽くシャワーだけ浴びてベッドに寝転がっているといつのまにか眠っていたようだ。スマホの呼びだし音で起こされ、急いでロビーに降りて行った。


「ゴメン、ゴメン、いつのまにか眠ってしまってたよ。お詫びに晩御飯を奢るから、これから食べに行こうよ。焼肉の予定なんだけど皆それで良いかな?」


 皆が大喜びして焼肉屋で決定だ。調べていたお店に歩いて行き、腹一杯になるまで肉を食べたよ。五人娘の何処にお肉は入って行くのだろうか?結構な額の会計を済ませてから、少しコンビニで買い物をしてホテルに戻った。


 明日の朝の時間を確認してそれぞれの部屋に別れた。今日は早く寝ることにしよう。お風呂に入って早々に眠った。














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― 新着の感想 ―
[気になる点] >お詫びに晩御飯を奢るから、 こういうの多いですね……。 主人公だけが正座させられるヘタレ主人公異世界モノみたいな印象が……。
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