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第五十二話 両親とのお出かけと《桜花の誓い》からのプレゼント

 誤字報告ありがとうございます。とても助かってます。

 今日もいつもの時間に投稿します。よろしくお願いします。

 昨日は帰ってきてからいろいろと綾芽に聞かれたが、思ったよりも優秀な弓術士がいて八月最後の火曜日にお試しでダンジョンを一緒に探索することを決めたことだけ伝えた。どんな人なのかをしつこく聞いてきたが、まだ正式にパーティを組むと決まった訳ではないのでプライバシーに関することは何も言えないと言って答えなかった。


 今日は朝から一人で鍛練を行った。綾芽は《桜花の誓い》の五人で吉備路ダンジョン群のFランクダンジョン三つを完全攻略しに行くと言って鼻息荒く出かけて行った。


 鍛練終了後にのんびりしていると珍しく父親から声がかかった。


「麟瞳、今日は予定はないのか?」

「別に何も決まってないよ。父さんは何かあるの?」

「母さんと一緒に津山にホルモンうどんを食べに行こうかと思ってね。暇なら麟瞳も一緒にどうだ?」


 中学生の時までは年に数度食べに行っていた岡山三大B級グルメの一つである津山ホルモンうどんである。久しぶりに食べてみたいと強く思った。


 十時出発で車で出かけるとのこと。期待に胸を膨らませて出かける準備をした。


 行きの運転は父親であるが、帰りは当然母親になるのは明らかである。絶対にホルモンうどんを食べながらビールを飲むよね。


 行きの車の中でもう直ぐに迫った皆生温泉旅行の日程を伝える。初日に温泉宿に着く前に境港で海鮮料理を食べて直売センターで買い物をする事を伝えると、母親が喜んでくれた。二日目は綾芽と僕は近くのダンジョンに行くことを伝え、両親は魚釣りをするか観光をしてほしいと言うと、宿でのんびりしておくと言ってきた。三日目は朝に大山の麓にあるビール工場で見学と試飲をして、その後米子で観光をして家に帰ってくると伝えると父親がとても喜んだ。両親共に楽しみだと言ってくれてプランを練った甲斐があったと思いホッとした。

 

 津山に行く途中の鳥料理の持ち帰り店で大量の串焼きと丸焼きを買い、更に北上し津山を目指す。昼前にはお店についたがさすが人気店、五組の順番待ちである。しばらく待って順番が来た。ホルモンうどんの大盛りやお好み焼きなど数点選んで注文をし、お持ち帰りでホルモンうどんを四人前頼んだ。勿論父親の生ビールも忘れずに。


 久しぶりに食べたホルモンうどんは美味かった。思わず追加で五人前頼んでしまった。お店の人もびっくりしていたが僕には収納があるので大丈夫なのである。食べたいときに食べられるって幸せだよね。


 近くのショッピングセンターで買い物をしてから母親の運転で家に帰った。


 家に着くとまだ綾芽は帰ってきていないようだ。今日の晩御飯は津山に行く途中で買った鳥料理かホルモンうどんである。野菜サラダを作り、ご飯を炊いて綾芽の帰りを待った。


 七時前に綾芽は帰って来たが、大層お疲れのようである。とりあえず晩御飯を食べながら話を聞こう。

 

「お兄ちゃん聞いてよ。今日は延べ六回もFランクダンジョンを攻略したんだよ」

「凄いじゃあないか。別れて探索をしたのか?」

「そうなの、桃と遥がスライムダンジョンで山吹と真琴が野菜と果物のダンジョン、そして私がコウモリのダンジョンを攻略したんだよ」

「スライムを大盾で攻略するとは斬新だな。あそこは酸攻撃もして来ないし体当たりも威力弱いだろ?」

「そこはどうでもいいんだよ。因みに私の薙刀を貸したからね。で、お弁当を食べる前にそれぞれの組で宝箱を開けて集合したんだよ。あの綺麗なお花の見えるスポットだよ」

「あそこは良いよな。心が和むよ」

「で、お弁当を食べながら宝箱の中身を見せ合ったんだよ」

「良いものでも出たのか?」

「私はミサンガで、桃と遥が手袋、山吹と真琴がアイマスクだったんだよ。鑑定してみないと良いものかどうかわからないでしょ」

「だな、あそこは身につけるものがよく出てくるよな」

「午後からは組み合わせを変えて山吹と遥でスライムダンジョン、桃と真琴で野菜と果物のダンジョン、私は変わらずコウモリのダンジョンを攻略して宝箱を開けてダンジョンセンターに戻ったんだよ」

「六つも持ち帰ったら買取り受付の人もびっくりしたんじゃあないか?」

「後半の宝箱はソックスとTシャツとヘアゴムだったんだよ。で、鑑定してもらったらそれぞれほんの少しずつ効果のあるマジックアイテムだったんだよ」

「その効果とは良いものだったのか?」

「運が良くなるミサンガ、握力が強くなる手袋、安眠できるアイマスク、足が速くなるソックス、身体が強くなるTシャツ、思考力が高くなるヘアゴムだったんだよ」

「大当りじゃあないか。アイマスクだけちょっと毛色が違うようだが他は良いんじゃあないか?」

「買取り価格がそれぞれ3,000円から5,000円だったよ。さっき言った効果の前にほんの少しという言葉をつければ分かると思うよ。これは皆からお兄ちゃんへのプレゼントだよ。大切に使ってね」


 僕に渡されたのはアイマスク、ほんの少し安眠できる効果のあるアイマスクを貰ったよ。ほんの少しってどれくらい効果があるんだろうね。綾芽の左足首にはミサンガがつけられていた。ほんの少し運が良くなるミサンガである。


 







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― 新着の感想 ―
[一言] 明らかに微妙な品を「いらないからあげる!」ってよりも、ひとり2・3千円出して普段着のシャツでもみんなで選んで買ってきた方がよさげかなぁ。「女子が選んでくれた」ってプライスレスなプレゼントにな…
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