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第五十話 一週間

 《桜花の誓い》がワイルドボアを初討伐した次の日の朝、綾芽と二人で鍛練を終わらせた後の朝御飯の時に綾芽が僕に聞いてきた。


「お兄ちゃん、家族旅行は決まったけど、私達のダンジョン旅行はどこに行くの?」

「ああ、一応候補地は二つに絞ったんだけど、どちらが良いか迷っているんだ。どちらも一長一短があってね、最後は《桜花の誓い》で話し合って決めて欲しい。来週の木曜日までに決めてくれれば良いからな」


 綾芽に二つの候補地について、予定している宿やダンジョンを含めて良い点と悪い点を伝えた。


「今日は皆でダンジョンショップを見に行くから、そこで話してみるよ」

「急がなくて良いからな、良く考えて決めるようにな」

「うん、分かったよ。お兄ちゃんは今日は何をするの?」

「今日は岡山ダンジョンに行くよ。魔力ポーションを補充しておきたいしな」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 金曜日は予定通り岡山ダンジョンで魔力ポーションの補充に成功した。おまけで宝箱から良いマジックアイテムが出てきたが今は使わずに収納しておくことにする。


 土日は朝の鍛練はおこなったが、その後は母親の買い物に付き合ったり、家で家族と話をしたりとゆっくりと過ごした。


 月曜日は《桜花の誓い》と倉敷ダンジョンの探索である。十七階層まで攻略は進み、ワイルドボアは安定して倒せるようになって来た。後はビッグボアを討伐出来れば完全攻略にぐっと近づくが焦りは禁物だ。 


 火曜日は岡山ダンジョンで魔力ポーションの補充をする。このダンジョンもソロで二十階層まで来ることが出来た。自分の成長が感じられて嬉しくなる。先週の金曜日と同じくマジックアイテムを入手したが武器ケースに封印処理をして収納しておく。


 そして次の水曜日も岡山ダンジョンに向かった。


龍泉たつみ様、今日で求人票は取下げました。最終的に申込み者が五人です。ご希望通り一人ずつ面談をしていただくように、一時間ずつ時間をずらして申込者に時間を伝えております。それと練習場も使えるように予約を入れています。こちらが金曜日のスケジュールになります」


 そうなんです。八月の第一金曜日は求人票で募集した遠距離攻撃者の面談日である。五人も希望者がいてくれて感謝である。当面のボッチ探索も終了になるかも知れない。常盤さんと当日の流れについて打ち合わせをしてからそのまま家に帰った。


 木曜日は《桜花の誓い》と倉敷ダンジョンへ、ワイルドボアはもう大丈夫そうだ。探索後にいつも通りファミレスに行った。


「ワイルドボアの討伐もしっかりと出来るようになったし、来週からはビッグボアに挑戦しよう」

「あの遠めに見てもでっかいやつだよね。迫力がハンパないよね」

「ビッグボアを討伐しないと倉敷ダンジョンは完全攻略出来ない。最初は僕も一緒に戦うからね。いずれは五人で倒せるようになっていかないとね」


 それぞれ覚悟を決めたようで、お互いに話しながら気持ちを引き締めているようだ。


「お兄ちゃんダンジョン旅行の行き先決めたよ」

 

 話題が変わりダンジョン旅行の話になった。僕が提示した二つの案は、広島県の尾道市のDランクダンジョンを四日かけて行けるところまで攻略する案と、香川県の二つのEランクダンジョンを二日ずつかけて二カ所完全攻略する案である。


「香川県でお願いできるかな。尾道市のダンジョンは倉敷ダンジョンを完全攻略してから行ってみたいし、皆は宝箱久しく見てないからね。Eランクダンジョンを完全攻略してお宝を拝みたいよ。お兄ちゃんがいれば中身にも期待できるしね」

「宝箱からたいしたものがでなくても僕のせいにするなよ。あと、ホテルの移動などで時間を取られるのも大丈夫なんだな」

「うん、よく話し合って決めたから大丈夫だよ。ホテルの予約とか任せても良いのかな?」

「あのスケジュール通りの日程で良いんだろ。部屋は二人部屋と三人部屋に別れるけど良いよな」

「日によってメンバー変えるから大丈夫だよ」


 これで夏休みの大きなイベントもすべて決まりホッと一息つける。綾芽達は今後の予定について話しているが、僕は明日の面談が気になって上の空だった。いい人が来てくれると良いな。





 

 

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