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第四十八話 夏休み中の《桜花の誓い》と倉敷ダンジョンの買取り

 武具店で皆の武器を見てもらい、矢の補充を行った。


「前も思ったが、矢の代金などはどこから出してるんだ。確か前回は適当に多めに渡したと思うんだが」

「収入が多い時に真琴に渡す感じ」

「ダメだよそれじゃあ。長くやって行くんなら消耗品に関してはパーティで負担しないと、いずれ不満が出て来るよ。今日からパーティ費として買取り金額の一部を分けて管理するようにした方が良い。そこから精算するように。当然領収書を貰うようにな」


 買取りの受付に行く途中に、どれぐらいパーティ費として分けるのかを話し合っていた。


「お兄ちゃん、悪いんだけど今日の買取りから一人の取り分を七等分にさせてもらえないかな」

「別に僕は取り分がなくても良いぞ。ほとんど何もしてないしな」

「そんなことないよ。すごく助かっているからね」

「じゃあ僕は七等分で問題ない。パーティ費を管理する人も決めるんだぞ」


 買取りは一之瀬さんが部屋で行ってくれた。


「パーティ用のカードを作りたいんですが、手続きをお願いします」

「龍泉様はやっとパーティに入られるんですか」

「いえいえ、僕のパーティじゃあないですよ。こちらの《桜花の誓い》のパーティカードを作って欲しいんですよ。高校卒業後はプロの探索者になりますからね」


 買取り金額は《桜花の誓い》の五人と僕とパーティのカードに七等分して入金された。因みに端数はパーティカードに入れた。


 前回は六等分して一人五万円だったが、今回は七等分しても五万円を少し超えていた。僕はほとんど何もしてないので、パーティの成長のおかげだろう。


 ダンジョンですべてを終えて、反省会を行うためにいつものファミレスへ移動する。ビッグボア戦で暗くなっていた雰囲気も、買取り金額の分配で持ち直した。今日の課題に対する結果と反省、そして明日への課題とパーティ費用の管理者を決めてお開きになった。


 倉敷在住の真琴とはファミレスで別れ、岡山行きの電車に乗る三人とは駅で別れた。綾芽と僕は倉敷駅側のショッピングモールで買い物をする。両親へのお酒のお土産とお小遣帳を買い、気になる店を見て回った。綾芽はこの前の収入があったので洋服を買い込んでいた。


 お小遣帳はパーティ費用を綾芽が管理することになったので買った。探索者の税金は買取りの時に引かれるので収入と支出が分かれば良い。まず何にどのくらいお金を使っているのかを把握できれば良いと思う。パーティ費からの今日の支出は矢の代金とファミレスの飲食代とお小遣帳代だ。

 

 家に帰りお土産のお酒を渡す。いつも通りのビールと缶チューハイだ。


「ありがとね。お父さんには箱で買ってきたこと黙っててな。調子に乗って飲みすぎても困るから」


 母親はよくわかっているようだ。父親のイメージはいつもビールを飲んでるもんな。体に気をつけてね。


 今日の晩御飯は予告通り三種の餃子、それに野菜炒めとタマゴスープがついて僕のご飯は大盛りだ。


 ウルフ肉は脂身が少なくあっさりとしている。オーク餃子はまずい訳がない。そして意外にもボアの餃子が一番気に入ってしまった。野趣に富んだ癖のある肉をキャベツとニラと調味料で上手くまとめている。何個でも食べられる。流石グランドシェフである。お腹いっぱい食べて、ごちそうさまでした。


 食後はいつも通りリビングへ移動し、家族で飲み物を飲みながらマッタリする。


「麟瞳、綾芽、お盆休みはどうなっているんだい」

「私は何もないよ。パーティメンバーが帰省するからお休みなんだ」

「僕も何もないよ。お盆で人が少ないならダンジョンに行こうかなと思ってたぐらいだよ」

「久しぶりに家族揃って旅行に行こうかと思ってね。旅行先は二人で決めてくれて良いよ。私とお父さんは宿でゆっくり出来れば文句ないよ。まあ今からでも予約できるところがあればだけどね」

「そうそう、ビールと美味しい食べ物があれば何も言うことない」


 相変わらず父親は平常通りだが、僕が七年間家に帰っていなかったので家族旅行に行けていない。親孝行は出来るときにしておかないとね。全力で良いところを探させていただきます。


 順番に風呂に入りそれぞれの部屋に入った後に、旅行の情報を探しながらいつの間にか眠っていた。

 


 






 


  

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