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第三十六話 正輝と倉敷ダンジョンでの買取り

 ダンジョンを出てまず武具店に向かった。それぞれの武器を見てもらう。


「二人とも凄い武器を持ってるな。なんでDランクダンジョンに来てるんだよ」

「お肉が欲しくて」


 武具店のおじさんが苦笑している。


「こっちの刀の方は自動修復が付与されているから修復が追いつかないほどの事が無い限り壊れる事はないな。勿論今回も問題ない。それからこちらの剣は不壊が付与されているからまず壊れる事は無いだろう。どちらも滅多に見ない逸品だよ」


 おじさんのお墨付きを貰い一安心、そのまま買取りに向かおう。入場受付に行き買取りをお願いすると、一之瀬さんが部屋に誘導してくれた。


「今日は大量のドロップアイテムがあると聞いていますが」


 朝の受付嬢に言った事だな。決して期待は裏切りませんよ。正輝と僕でカゴの中にドロップアイテムを入れていく。カゴを出してはすぐに一杯になるので用意してあるカゴがなくなってしまった。


「龍泉様、援軍を呼んでもよろしいでしょうか。この量は一人では捌き切れません」

「秘密を守れる方でお願いします」


 二人の助っ人を連れて一之瀬さんが戻ってきた。助っ人の二人で一杯になったカゴを運び出していく。新しく出されるカゴもすぐに一杯にしながら最後にレアモンスターの戦利品とマジックアイテムを出して終了だ。


「ちょっと時間が掛かりますが大丈夫ですか?」

「はい待ってます」

「では飲み物を用意しますので少しお待ちください。コーヒー、紅茶、オレンジジュースの中から選んで下さい」


 二人ともアイスコーヒーを頼んだ。すぐに届いたアイスコーヒーを飲みながら話していると、一之瀬さんが支部長の村上さんと共に戻って来た。まずは正輝を紹介して話を始める。


「龍泉様、お久しぶりです。今日は倉敷ダンジョンに来ていただいてありがとうございます」

「こちらこそ、いつもありがとうございます。優遇してもらってとても助かってます」

「あれだけのドロップアイテムを出されたら買取り受付が機能しなくなりますよ。いつも凄いですが、今日は何と言って良いのか桁違いです。朝に予告した以上ですね、参りました」

「今日はほとんど正輝のおかげですからね」

「いやいや、麟瞳がいないとこんな風にならないからな」


 空のアイスコーヒーのグラスが下げられ、冷たい麦茶が出された。


「では伺いたい事がありますので、よろしいでしょうか」

「はい勿論大丈夫です」

「レッドワイルドボアの牙と皮は何処で入手しましたか」

「あれは二十九階層で正輝が討伐しました。その時のドロップアイテムです。更に銀色の宝箱が現れてその中に指輪が入っていました」

「いや、あれは二人で討伐したんだからな。麟瞳は正確に伝えないと駄目だぞ」


 倉敷ダンジョン初めてのレアモンスターのようだ。普通のワイルドボアとどのように違ったのか詳しく聞かれた。


「ではもう一つのマジックアイテムはボス部屋の宝箱ですか」

「そうです。銅の宝箱でした」

「奈倉様は今日初めて倉敷ダンジョンに来られたんですよね。一日で一階層から最終階層まで完全攻略したんですよね」

「ええ、正輝のおかげです」


 正輝は何かを言いたそうだったが間違ったことは言ってない。


「こちらが今回のドロップアイテムの内訳になります。余りにも多過ぎて言葉にしてたら終わりそうもないので見て確認してください。分かりにくいところは聞いてくださいね」


 一之瀬さんから渡された内訳表を正輝と二人で確認する。魔石が合計940個で116,310円、特にレアモンスターの魔石は一個で2,000円だった。肉はいつも以上に多い。ラビットの合計が110キログラム、ウルフが248キログラム、ボアはそれぞれ値段が違うが合計で256キログラム、そしてオークのお肉が8キログラムあった。肉の合計買取り金額が768,400円だった。毛皮の買取りが合計で171,000円、角が合計で145,000円、ラッシュボアの牙が4本で40,000円だった。


「内訳は分かりました」

「ではレッドワイルドボアのドロップ品ですが、牙が三十万円で皮が五十万円になります」

「えらい高額になるんですね」

「レアモンスターのドロップアイテムは込められている魔力量が違いますからね。武具に加工すれば一級品の物が出来ます」

 

 レアモンスターのドロップアイテムが高額なのは聞いていたが予想以上だった。

 

「最後にマジックアイテムですが、調理道具は自動洗浄と自動修復の効果があります。買取り価格が三十万円です。そして指輪ですが、防御の結界を張ることが出来ます。買取り価格が二千万円です」


 正輝と相談して持ち帰る物を決める。肉は全部の種類の大きい固まりを4個ずつとオークの肉は2つとも、そしてマジックアイテムは当然持ち帰る。そのことを伝えて準備をしてもらった。


 一之瀬さんが手続きで部屋を出た後でマジックアイテムの分配で一悶着。


「正輝、どう考えてもお前に調理道具は要らないだろう。だから僕が調理道具で正輝が指輪だ」

「それだと分配金額おかしいだろ。昨日と一緒で俺が貰いすぎになるんだよ。昨日のものと一緒にして麟瞳がここの二つとも手にすると大分釣り合うだろう」

「昨日の探索は昨日で完結しているんだよ。引きずってどうするんだよ」


 二人で揉めたまま時間だけが過ぎていく。結論が出ないまま一之瀬さんが戻って来た。


「よろしいでしょうか。買取り金額が合計1,883,910円になりそこから税金分の15パーセントを引いて1,601,324円になります。こちらが買取りの内訳になります。よろしければサインをお願いします」

「二人のカードに二等分で入金をお願いします」


 村上さんからもとても感謝されてダンジョンを後にした。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 二人が親友してて嬉しい。 [一言] この手の物語は主人公と異性で行動することが多いので、同性友人で仲が良いのが純粋に嬉しい。 異性と違って発展性はないのかもしれないが、追放ものの異性相方…
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