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第百四話 えっ、まだ帰らないの?

 ダンジョンから徒歩で拠点の家に帰ってきたが、帰ってきて大事なことに気がついた。人数に対して風呂が小さすぎるのだ。探索者センターでシャワーを浴びて帰ってくれば良かったと後から思ったが、今日はあきらめて女の子達から順番に風呂に入ってもらった。晩御飯はストックしてあるお弁当を出して食べた。この調子だとストックが尽きるのもすぐかもしれない。後で気づいたが、車を出してスーパー銭湯に繰り出せば良かったと思ったよ。僕が購入した車は七人乗りのSUV車だから二回に分けて送らないとダメだったけどね。まあ依頼も達成できたし、明日には真姫達は岡山に帰っていくだろう。賑やかなのも今日で終わりだな。ダンジョン帰りに車でスーパー銭湯という考えは我ながら良い案だと思う。三人には意見を聞いて見よう。大きいお風呂に入ると気持ちいいし、疲れも取れる気がするよ。何だか一日いろいろあって疲れたよ。安眠4点セットを装着して早々に寝ることにした。お休みなさい。


 次の日の朝も鍛練を行うが、綾芽も一緒にするために早起きをしてきている。綾芽も僕が実家に帰ってきた日から出来るだけ朝の鍛練は続けているようだ。ストレッチをしてから、姫路城までのランニングに出かけた。


「綾芽、《桜花の誓い》の調子はどうなんだ。昨日の探索もキラーアントやマザーアントはきつそうな気がするけど大丈夫だったのか?」

「マザーアントとは一度戦ったけど私一人で倒すことが出来たよ。迫力は凄かったけど、槍の性能が良いから一突きして氷魔法で終わったよ。キラーアントは桃と山吹でブロックして遥と真姫姉で倒すことが出来るから大丈夫。私達も強くなっているんだよ。十階層のボス部屋にはまだ早いって真姫姉が言うから途中で引き返して六階層から転移して帰ってきたんだけど、十階層のボス部屋は大変だった?」

「マザーアントが二匹にキラーアントが十匹以上いてなかなか迫力があった。全部合わせると五十匹ぐらいだな。キラーアントに戸惑うようだと難しいかも知れないな」

「確かに、真姫姉が言うことが正しかったのかな?キラーアントが十匹は、まだ私達には荷が重いかもしれないな」

「まあー、岡山ダンジョンで力をつけることだね。まだ高校を卒業したばかりなんだ、焦ることはないと思うよ。相性の問題もあるだろうし、ゴブリン相手なら結構やれそうなパーティ構成だと思うよ」


 真っ白のお城に向かって走りながら、久しぶりにダンジョンの話を綾芽としたように思う。《桜花の誓い》も尾道ダンジョンを完全攻略して力をつけてきているようだ。これからはクランマスターとして、もっと気にしていかないといけないね。


 鍛練を終えて綾芽から先にシャワーを浴びてもらった。もうほとんどのクランメンバーが起きて来ている。起きていないのは皐月だけだった。真姫にクラン設立の時に作ったカードを渡して、パンを買ってきてもらうことにした。昨日パンが美味しかったからね。ちょっと遠いということで車を出して美姫の運転で買い出しに向かってもらった。大量に買って美姫のマジックポーチに収納しておくように頼んで送り出したよ。美味しいものはいつでも食べられるようにしておくことも大切だよね。


 シャワーを浴びてリビングに戻ると、ちょうど橘姉妹が戻って来ていたが、大量購入はあきらめて帰ってきたそうだ。明日大量のパンを購入できるように交渉して来たらしい。お店のパンがなくなると常連客に悪いもんね。明日は水曜日だからパーティとしてはお休みだ。美姫に頑張ってもらおう。詩音に皐月を叩き起こしにいってもらった。毎日起こすのが大変らしい。全員が揃い朝御飯のパンと飲み物を食べながら話しかけた。


「なあ、今日のダンジョン帰りにスーパー銭湯に行かないか?開放感のある場所で疲れをとろう。ちょっと早めにダンジョンを出て、昨日聞いた美味しい飯屋でご飯を食べてからお風呂に入ると最高な気がするよ。明日は休みだし良いと思わないか?」


 《千紫万紅》の三人に話しかけたのに、《桜花の誓い》も全員喜んでいる。なんでだ?


「《桜花の誓い》は今日で岡山に帰るんじゃあないのか?」

「もう少しこちらにお世話になるわ。まだ依頼が出ていたから、今日も宝石の依頼を受けているのよ。Cランクダンジョンで受けられる依頼なんてほとんどないから助かるわ。麟瞳さん率いるクラン《花鳥風月》の実績を上げるには絶好の依頼だわ」


 えっ、まだ帰らないの?でも、クランの実績か?クランマスターになったからには、自分のことだけでなくパーティのことは勿論だけど、クランのことももっと真剣に考えないといけないよね。


「クランの皆にもマジックアイテムの貸し出しをしても良いのか?」

「リーダーが必要だと思うなら誰も反対しないわよ」


 全員で話し合って一応のルールを決めて貸し出すことにした。《桜花の誓い》の買取り金額の二割をクランに入れるというのが一番大きなルールだ。二割も負担して生活は大丈夫なのだろうか?無理はしなくていいと思うんだけど、それぐらいは必要だと皆が言うのでそのルールで始めてみよう。


 まずは収納のリュックを渡すことにした。今は僕が所有者登録をしているが、綾芽と真姫以外の誰かに所有者を移そうと思う。とにかく収納道具は普段の生活にもとても役立つからね。他には遥の槍として自動修復と風魔法の付与された物を渡した。遥は泣いて喜んでいたよ。魔法の付与された武器はとても貴重だが、うちのクランのアタッカーはこれで全員が持つことになる。これも【豪運】スキルのおかげだね。他にもマジックアイテムはあるが明日の休みの日に必要な物を考えようということで、とりあえずダンジョンに向かうことにした。


 スーパー銭湯には全員が行く気満々だ。初めて車でダンジョンに向かった。七人乗りなので、全員が真剣にジャンケンしていたよ。僕は運転手だから気楽だった。でも、スーパー銭湯までは二回送らないといけないのか・・・そのときの運転は美姫に任せようかな?怒られそうだな。





 





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