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第十話 買取りと求人票

 今日の最後のお話です。

 明日も投稿する予定です。よろしくお願いします。

 無事にダンジョンから出て来られた。もう一度武具店で刀をチェックしてもらうために移動する。昨日はダンジョンを出るのが遅かったため後回しにしたがこれがいつもの行動だ。武具店でのチェックは大丈夫だった。その後受付へと移動だ。常盤さんはいるでしょうか。


 整理券を取って順番待ち。平日で探索者も少ないし、時間も早いためだろう程なく呼ばれた。


 今日も担当は常盤さんだった。ちょっと嬉しい。大きめのカゴにドロップアイテムを入れていく。最後に弓と矢筒を入れた時に、目をつむりため息を吐いてきた。変顔がないんかい!


「今日も鑑定が要りますので時間がかかると思います。お待ちになりますか」

「はい待ちます」

「では失礼します」


 寂しい。とても寂しい。なんて大人な対応なんだ。きっと双子の姉だな。


 馬鹿なことばかり考えていたわけではない。プチ反省会を行う。この低階層で既に行き詰まりそうだ。打開策を見付けなくては先には進めない。手っ取り早いのは自分で遠距離攻撃を身につける事。今更弓を練習しても上手くはなれないだろう。投擲の練習でもしてみようかな。腕輪との相性が良さそうに思う。最終的には新しい仲間を見つけて行くしかないがこればかりは時間がかかりそうだ。


「受付番号十二番の方、一番窓口までお越しください」


 買取りの査定も終わったようだ。昨日よりも時間が短い。


「今日も別室でお願いします。中里がいますので」


 中里さんとは昨日のおじさんのことだ。部屋へと案内されて入室する。


「わざわざすみません。どうぞお座り下さい」


 案内されるまま、おじさんの向かいのソファーに腰掛ける。


「早速で申し訳ありませんが、今日もよい品がドロップしたようですね。弓と矢筒は何処で手に入れたかお聞きしてもよろしいでしょうか」

「十五階層のボス部屋です。銅の宝箱が出ました。中にその弓と矢筒とポーションが五本入っていました」

「銅の宝箱ですか。昨日もそうでしたが、もっと上の宝箱に入っていてもおかしくない物だと思います。では常盤君、内訳をお伝えして」


 ほうほう、なかなかの逸品の様だ期待が持てる。


「では魔石からいきます。ゴブリンが72個、ゴブリンファイターが35個、ゴブリンアーチャーが26個そしてゴブリンソードマンが1個ありました」

「龍泉様、昨日はマジックアイテムにびっくりしてお聞きするのを忘れてましたが、何匹位のゴブリンを討伐されているんですか」

「何匹って魔石の数通りですよ。今日は全部で何個ありましたか」

「ええっと、魔石は全部で134個です」

「じゃあ134匹倒してますね」


 おじさんはよくわからないことを聞いて来る。数えればすぐに分かりますよね。


「全部の魔物が魔石をドロップするんですか」

「はい、普通そうじゃあないんですか?」

「いや聞いたことありませんね」


 おやー。おかしな事になって来たぞ。《百花繚乱》でも魔石は確定ドロップしていたけどなー。


「魔石は確定ドロップ品じゃあないんですか」

「違います。こんなに一日で百以上も持って来られる方は珍しいんです。倒した魔物の半分、よくて六割位だと思いますよ」

「そうなんですか。今まで一人の時もパーティを組んだ時も、魔石は必ずドロップしましたけどね。おかしいですね」

「確かにおかしいですね。龍泉様はかなり運がいいんでしょうね。魔石もそうですが、他のドロップ品も桁違いです」


 取りあえず運が良いに越したことはないのであまり気にしないようにしよう。


「では先ほどの続きにいきます。ゴブリンの魔石が一個100円で72個あるので7,200円、ファイターが一個150円で35個で5,250円、アーチャーとソードマンは同じ値段で一個200円で27個で5,400円になります。合計で17,850円です」


 魔石の数は昨日よりも減ったが金額はそう変わらない。上位種が多くなっているからだな。


「続いて棍棒が一本100円で26本あるので2,600円。弓が一張7,000円で四張あるので28,000円そして剣が二本ありましたが、使い込まれている剣が一本5,000円で、綺麗な方が一本20,000円になります。これらの武具には特殊効果はありません」


 武具も結構ドロップしている。使い込まれている剣というのは戦闘中に収納したものなんだよな。後で確認すると消えずに残っていたんだ。この情報は伝えていた方が良いよね。


「ええっと、その使い込まれた剣なんですが、戦闘中に腕輪に収納したものなんです。今までマジックバッグに収納したことはないんですが、収納したものは消えずに残るんですかね」

「いや、初めて聞きましたね。後で本部に確認します」


 まあ普通収納しようと思わないよね。隙を作るだけだしね。


「続けさせていただきます。低級ポーションが一本2,000円で12本ありましたので24,000円。中級ポーションが一本7,000円で5本ありますので35,000円になります」


 ポーションも結構ドロップしているな。これも運が人より良いからだろうな。


「最後にマジックアイテムの鑑定結果ですが、弓には命中率アップの効果が付いています。こちらが買取り価格五十万円になります。矢筒は無限に矢がコピーされて出てきます。こちらの買取り価格が一千万円になります。以上です」


 悩むなー。売れば今の金欠状態とはオサラバできるが、自分では弓を使わないので不要である。今後のパーティを組んだ時に必要になるかもしれないからなー。

 

「マジックアイテム以外を買取りでお願いします」


 結局残しておく事にした。収納には余裕があるし、良いマジックアイテムはできるだけ残しておこう。一旦常盤さんが退出して行った。


「龍泉様はパーティを組まないんですか」

「いや組みたいとは思うんですよ。四日前までは京都でパーティを組んでいましたから。ボッチが好きなわけではないですからね。おいおい、いい人がいればですね」

「協会ではメンバーの仲介もしていますから、良ければ利用してみて下さい」

「それは短期でも良いんですか。お試しみたいな感じで」

「まあ、相性もありますから。まずは一回が基本です。そこからは当事者の話し合いですね。期間を決めてパーティを組む事もありますし、ずっと組んでいる方もいます。当然一回限りの事もよくありますよ」

「良いことを聞いたなー。今日はちょっと危ない場面もあったんです。それで悩んでいたんで、遠距離攻撃ができる方が欲しいなと思っていました。あと遠距離攻撃出来る人が自衛を出来なければ盾職の人もですね。登録とかするんですか?」

「そうですね。受付とホームページに求人票を張り出して、応募者がいれば面接してもらう事になります。一回の募集費用が二万円で張り出し期間が一ヶ月です。決まったときの仲介料等はありません」

「取りあえず遠距離攻撃出来る人の募集をお願いします」

「分かりました。では、求人票に書く内容を決めていきますね」


 おじさんが連絡を取って担当の人がやって来た。先ほどの内容を伝えてお願いする。求人の担当の人と入れ代わるように常盤さんが戻って来た。


「合計132,450円の買取り金額から税金分の15パーセントを引いて112,583円になります。こちらが買取りの内訳になります。よろしければサインをお願いします。現金でお持ちしましょうか。それともカードに入金しますか」

「今日もカードに入金してください。あとさっきの求人のお金もそこから引いて下さい」


 今日も十分な収入を得た。着替えまですべてを終えたのが三時頃。ゆっくり買い物をして帰ろう。










 


 

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