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外に出ると館内の涼しさとは一変して光のまぶしさと気温による暑さで顔をしかめる
「暑いですね」
「うん、ちゃんと日焼け止め塗ってる?」
彼女の白い肌を見て心配になっていると
「塗ってますよ、私焼けやすいので」
「安心したよ、でも念のため」
「帽子ですか」
一応買っておいた帽子を手渡した
「いつ買ったんですか」
「さっきの店でね」
「これもらってもいいんですか?」
「もちろん」
帽子をかぶってこちらに向かって
「いいプレゼントですね、ありがとうございます」
自分に向けられる彼女の笑顔がまぶしい
この顔の熱さは気温によるものだけではないのだろう
そんな顔を見られたくなくて背けたまま歩き出す
彼女の手をとって
「ほら行くよ」
「うん」
少し驚いた声を上げてついてきている
笑っているのか、それとも同じように顔が熱くなっているのか
俺にはそれを確認することができない
「どこから行く」
「やっぱりペンギンですよ」
今度はこちらが手を引っ張られていく
「ほら早く早く」