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66.土守の里4

読者の皆様。お久しぶりです。中々執筆に時間を割けない時が続きましたが更新です。

 夢を見ていた。ここ数か月、ずっと見続けてきた夢。

 たくさんの同胞が、自分のことを受け入れてくれる。みんなの中で笑う私が見える。屈託なく、明るい顔の彼女。絶対に手が届かない、理想の自分。


『手を伸ばせば、あなただって掴めるはずよ』


 夢の中の私が、私を見て手を差し伸べる。何もかも違う彼女。届くはずのない理想。生まれる前から道を違えた影。いつもなら、結局踏み出せず、目を覚ます夢。起きたら跡形もなく消えてしまうもの。


 ──だけど……。


 ふと、脳裏に一人の女の子の姿が浮かぶ。銀の髪の女の子。光の御子と共にこの里にやってきて、あっという間に豊穣の試練の資格を得た少女。生まれて二度目に目にする、本物の天賦の才能。凡才にさえ届かない私には眩しすぎる存在。


 きっと、何一つつまずくことなく、運命に愛されて生きてきたんだろう。御伽噺みたいな人生。誰からも愛されて、愛されただけ人を愛する、贅沢な当たり前の中で生きてきたんだろう。望めないことは解っている。けれど、もし。


 ──もし、私もああなれるなら。


『なれるとも。さぁ、ワタシの手を取りなさい。キミが欲する物はすべて、この手の中にある』


 欲した言葉が心に響く。目の前には、理想の自分。いつもよりも近い。手が届きそうな距離。私はそれに手をのばし──



『あぁ、ようやく。ようこそキーニ、大地の愛子。ワタシの掌へ』





 目が覚める。いつもと変わらない一日。しかし、何故か少しだけ体が軽いような気がする。だが、それだけだ。


「……所詮は夢よ、ばかばかしい」


 何故だかはっきりと思い出せる夢の一場面に、キーニはかすかに自己嫌悪。夢にまで見る、とはよく言ったものだ。確かにあの景色はキーニが夢にまで見た景色に違いないが、夢は夢なのだから。


 自分に言い聞かせ、キーニは髪を整えるために鏡台に向かう。木の櫛を手に取って、髪を梳こうと鏡を見て、鏡に映った自分に目を見開いた。


『確かに夢だけど、これは手の届く夢よ』


 自分でありながら、自分と違う風に動く鏡像に、キーニは思わず飛び退く。それでも鏡の中の自分は鏡台に座ったままで、不敵な笑みをうかべてキーニを見据える。


『私はあなたなのに、そんな風に飛び退かれたら悲しいわ』


「うそ。何これ」


 そんな言葉がこぼれる。理解できないというのが正直なところだったが、不思議と違和感はない。


『私はあなた。あなたが望んだあなた。私の手を取ったでしょう?わたしがあなたを、理想のわたし(あなた)に導いてあげる』


 信じられない言葉。けれど、不思議とその言葉が真実なのだという確信があった。


「……どうしたら、いいの……?」


 キーニは真剣な表情で、鏡の中の自分に問う。鏡の中のキーニは小さく笑って、小さく下を指差した。


『引き出しの中、あけてごらん』


 言われるがままに開けた引き出しの中には、見覚えがない、小さな黒いペンダント。当然、引き出しに仕舞った覚えもない。これは一体……。


『あら、覚えてないかしら?これはあなたのお母さまが遺してくれたペンダントよ。今、私はこの中にいる。これを身に付けて、しっかりと握りしめるの。そうすれば、私があなたを、理想のあなたにしてあげる』


 そういえば、そうだったっけ。たしか、そうだ。そうだった。


「本当に……?本当に変われるの……?」


 震えた声のキーニに、鏡像は大きく頷いた。


『ええ。ほら、身に付けて。心を空っぽにして、ほんの少し祈るだけよ』


 言われるままに、キーニはペンダントを付け、祈る。そして──


「あは。成功よ、キーニ。これであなたは、理想のあなた」


 既に鏡の中に「理想のキーニ」の姿はなく。そこには、「理想のキーニ」だけが立っていた。







 ミラと二人で一階に着くと、既にほかの皆が食卓に並んでいた。テーブルの上には、昨日のトカゲ肉の残りであろうハムっぽい肉が挟まれたサンドイッチが人数分並べられている。


「おはよう、ミカエラ、ミラ。昨日は眠れた?」


「おはようございます、ヴィスベルさん。そりゃあもうぐっすりです」


「ベッドからは落ちなかったか?寝相の悪いお前さんにゃあ、ちょっとばかし手狭なベッドだったろう」


 ヴィスベルの気持ちよい挨拶とは対照的なカウルの失礼な物言いに、俺はフッと小さく鼻で笑う。こうしてからかわれるのももう慣れた。


「私、馬車の荷台と違ってベッドの上ではおとなしいので。そりゃあもう何の乱れもなかったですよ」


「そうかい、そりゃあよかったな」


 負け惜しみっぽく苦笑いのカウル。完全勝利といっても差し支えあるまい。というか、馬車旅でうまく寝られなくて寝返りを打ちまくった結果寝台から落ちた時の話を引っ張りすぎなんだよこのおっさん。旅の初めの頃の話だから結構前だぞ、もう。


「ミラはどう?しっかり眠れた?」


「うん。ありがと、フレア。すっごくフカフカなベッドだったし、元気いっぱいだよ!」


 元気に笑うミラに、フレアもほっとした様子。昨日の晩、ミラの様子がちょっとおかしかったのはフレアも気付いていたのだろうか。お姉ちゃんレベルも順調に上がっているし、そうなのかもしれない。


「おはようございます、お二人とも。空いている席にどうぞ」


 朝の挨拶を交わしていると、台所の方からキーニがやってくる。手元には、何かの液体が注がれた木製のコップが人数分。促されるまま空いている席に座ると、キーニがそのコップを順に置いていく。コップの中身は、何やらさわやかな、リンゴみたいな匂いのするジュースだ。


「今朝絞ったばかりのアルプ・ジュースです。お口に合うと良いんですけど。

 父は仕事があると先に食事を終えて出ておりますので、皆様どうぞお召し上がりください」


「わぁい、いただきます!」


 パン、と手を合わせてミラ。俺たちは各々地元の食前のお祈りをする。今となっては慣れたものだけど、皆でそれぞれ違うお祈りをする、というのはなんだかちょっと面白い。


 サンドイッチを頬張ると、ふかふかのパンとしゃっきりした葉野菜、そして柔らかい肉が絶妙なハーモニーを奏でている。よく味わってみると、ほのかに甘いフルーツっぽい風味のドレッシングがすべてを調和させているのが分かる。パンは元の世界で散々食べたコンビニのパンなどに比べると少し硬い気もするが、これはこれでおいしい。


 小さな一口分をしっかりかみ砕いて飲み込んで、アルプ・ジュースを口に含む。こちらはリンゴジュースに似た味だったが、ほのかに柑橘類のような酸味もあって、ちょっと新しい味だ。こういう向こうと似ているようで違うものを口にすると、異世界なんだなあとしみじみ思う。


「あれ、キーニさんは食べないんですか?」


 俺が朝食をしっかり満喫していると、既に皿の中身を半分以上空にしているヴィスベルが言う。


 いや待って、その皿、俺の所の倍くらい入ってなかった?俺まだ四分の一くらいしか食べてないんだけど?

 いや、落ち着け俺。圧倒的な食べる速度の違いに慄いてしまったけれど、本題はそこじゃない。


 ヴィスベルに呼ばれたキーニの方を見ると、確かに、彼女の座る前には皿がない。


「ええ、私はもてなす側ですから、皆様が食べ終わった後に」


「えー?折角だから一緒に食べようよ!ミカヅキも、皆で食べたほうが美味しいって言ってたよ!」


 固辞しようとしたキーニに、ミラの追撃。ミラのキラキラした視線に晒されたキーニが困ったような笑みを浮かべる。しかしまぁ、皆で食べるご飯が美味しいのは事実だし、俺も異論はない。


「そうだな。それに、もてなすもてなされるってのも堅ッ苦しいし、俺としても気楽にしてくれる方が助かる」


 カウルの言葉に、フレアも続く。


「そうね。昨日も一緒に食卓を囲んだ仲なんだし、今更そんなに畏まることもないんじゃないかしら?」


 ね、ミカもそう思うでしょ?とフレア。俺は口の中身をしっかり飲み込みながら頷いた。


「ですねぇ。一緒に食べましょうよ」


 キーニは俺たちの言葉に一瞬目を瞬かせたかと思うと、小さく微笑んで「そう、ですね」とうなずいた。


「では、ご一緒させていただきます」




「そういえば、ミカエラ。と、ミラよ。お前ら今日はどうするんだ?」


「どう……というのは?」


 食事を終え、食後のアルプ・ジュースを楽しむ俺にカウルが聞く。何の話かイマイチピンとこない。


「いや、俺とヴィスベル、フレアは、今日は土守の民の狩りについて行くことになってるが、お前ら二人の予定は聞いてなかっただろ?」

「いや私その予定すら聞いてないんですけど」


 本当に寝耳に水なんだけど?


 俺は非難の念をこれでもかと詰め込んだ視線をカウルに送る。カウルは、はじめは何か不思議そうな顔をしていたが、やがて気まずそうに目を逸らした。


「あー、そういや、お前らが部屋に戻ってからだったな、この話してたの」

「ごめん、僕もすっかり忘れてた」

「ごめんねミカ、ミラ。あたしも言おうとは思ってたんだけど……。ほら、昨日部屋を見に行ったときには、ね?」


 ね、というのはどういう「ね」なんだろうか。いや、言わんとしていることはわかる。昨晩、ミラを連れて自室に戻った時、フレアがちょっと部屋を覗いたのは知っている。ミラがぐっすり寝ていたから、起こさないように「ごめん」のジェスチャーを出したのも俺なのだ。


「私は、今日は里の中を見て回りたいな」


 どうしたものか。そんな微かな沈黙を破ったのは、ミラの声だった。そちらに目をやれば、ミラは窓の外に目をやって、どこか遠い所を見ている様子。以前ここには来たこともあるそうだし、何か気になることもあるのかもしれない。


「なら、私もミラと一緒に里を回ってみます。たまにはのんびり過ごすのも悪くないですし」


 言うと、「そうか」とカウルが大きく頷いた。


「ま、里の人たちに迷惑だけはかけるなよ。……お前はちょっと目を離すと色々やらかすから不安は残るが」


「心配しなくても平気ですって。カウル『おじさん』はほんとに心配性ですねっていたたたたたた!ごめんなさいごめんなさい!不用意に歳を弄ってごめんなさい!」


 いつの間にか伸ばされたカウルの両拳がグリグリと俺のこめかみにのめり込む。俺が謝り倒すと気が済んだのか、たっぷり10秒ほどされた後解放される。

 久々のグリグリ攻撃は中々響く。俺は患部に癒しの光を当ててカウルを睨んだ。今はこの体格差が恨めしい。


「仲、よろしいんですね」


「今私いじめられてましたけど本当にそう見えました?」


 キッチンから戻って来るなり笑ったキーニに、俺は不服を申し立てる。


「ええ、とっても。親子というか……ううん、どちらかと言うと歳の離れた兄弟みたいで」


「こんな妹がいたら気苦労が絶えねぇな」

「こんな兄がいたら気苦労が絶えませんね」


 返事が被る。俺たちは互いの目を見合わせて、思わず笑ってしまった。何だかんだ、こんな距離感は嫌いではない。……たまにちょっと本気で手加減して欲しい時はあるけれど、そう言う時は本当に俺に非があるから何も言えない。


「そうだ、せっかくだし、キーニさんも一緒に見て回りません?用事があったらアレですけど」


「あら、いいんですか?それじゃあ、ご一緒させて貰おうかしら」


 小さく笑ってキーニ。


 俺たちは、各々身支度を整えるために一度部屋に戻った。






 狩りに向かう皆を見送って、俺たちはぶらりと土守の里を歩いて回る事にした。朝も早い時間だが、里の人々は所々で忙しなく動き回っているらしく、所々で話し声や作業の音が聞こえる。


「皆さん早起きなんですねぇ」


「この時期は、祭りの準備も一番忙しい時期ですからね。新たに加護を授かった土の守護者や豊穣の乙女を祝うカミツチの宴や、その前夜祭である祈願の宴で供する食事の下準備、舞台の設置、神像の制作と、短い期間でやる事が多いんです」


「しんぞう、って?」


 ミラが小さく首を傾げる。キーニはにこりと頷き、説明してくれる。


「我らが父母たる大神の似姿……ということになっています。岩砦の中に畑があったでしょう?あそこの土で粘土を作って、それをもとに作るんです。

 カミツチの宴の最後に、新しく加護を授かった人達の力を注いで、しばらく飾ったあと畑に埋めて、次の年の豊作を祈願するんですよ」


「せっかく作ったのに埋めるんですか?」


「ええ。先祖代々、ずっとやってきた事ですからね」


「でも、毎年畑に埋めてたら畑の下は像でいっぱいだね?」


「ふふ、そう思うでしょう?でも、それは大丈夫なのよ。何でか分からないけれど、畑に埋めた像は数日すると消えてなくなってしまうのよ」


「へぇ。何だか面白いっていうか、神秘的ですね」


「あ、キーニ!と、光の御子のお友達じゃない。おはよっ!」


 そんなことを話していると、横から元気のいい声が飛んできた。見ると、昨日舞台の設営に駆り出されていたキーニの友人の、確かマルベルと言ったか。彼女がニコニコ顔でこちらに手を振っている。その隣には、くすんだベージュ髪の少女、カノンが眠そうに目元を擦っていた。


「あれ、カノンちゃんが一緒だ」


「お、なんだ、カノンってばミカエラちゃんミラちゃんと知り合いになってたの?言ってよー!」


「……聞かれてないし、言う必要もない。おはよう、ミカエラ、ミラ。あと御息、女……?」


 カノンがじっとキーニの顔を見る。キーニはそれににこやかな微笑を返し、「おはよう、カノンちゃん」と気さくに挨拶。カノンはどこか怪訝そうに眉を寄せている。


「相変わらずキーニには他人行儀だねぇ、カノンは」


「マルベル、少しうるさい。集中させて」


「集中って何にさ……。てかうるさいってあんた……。いや、別にいつも通りだけどさー」


 ぷー、と唇を尖らせるマルベル。塩っぽい対応をされた割には怒るような感じではなく、反抗期の子を微笑ましく見守るお姉さんの風情がある。


「ていうか、マルベルさんとカノンちゃんも友達だったんだね。あ、もしかして姉妹かな?」


 ミラが言うと、マルベルとカノンは少し顔を見合わせる。マルベルがくすりと笑って、カノンも僅かに破顔する。


「……血縁関係はない。し、友人とも少し違う」


「なんていうか、家族?みたいな」


「え、余計に分からなくなったんですが」


「二人は、『大地の子』なのよ」


「大地の子?って何です?」


 俺が聞くと、マルベルがピッと指を立てて教えてくれた。


「この集落にふらっとやってきた、親も、それまでの記憶もない子供の事だよ。あんまり多くはないんだけど……二、三年に一人くらいはいるかな?」


 それは、捨て子というやつではなかろうか。え、待って、ここそんな頻度で子供が捨てられるような場所なの?疑問に思っていると、キーニが小さく笑って補足する。


「捨て子とかとは違って、本当にふらっと、突然現れるのよ。だから、私たちは大神からの授かり物として大地の子って呼んでるの。大切な里の一員よ」


「そうなんですね」


 よかった、無闇に捨てられる子供は居なかったようだ。

 しかしまぁ、突然現れる子供、というのも奇妙な話ではあるのだが……。あまり藪をつついて蛇が出てきても嫌だし、この辺にしておこう。俺は空気を読める大人なのだ。


 などと話をしているうちに、太母の御厨に到着する。まだ朝も早いというのに、ぞろぞろと人が集まってくる様は、夏休みのラジオ体操を彷彿とさせる。とはいえ、俺もミラもここでできることは昨日もやったので留まる理由もない。


「じゃあ、私たちはここで。ミカエラちゃんも資格を認められたみたいだし、里の人間としては負けてられないよねぇ」


 肩をぐるぐるとやる気のマルベル。心なしか背後に燃える炎のようなエフェクトが見える気がする。


「キーニはどうするの?せっかくここまで来たんだし、やっていきなよ」


「そうね。せっかくだし、やってみようかしら」


「まぁそうだよね、いつも言ってるし。聞いてみただけだからーーーって、え?」


 てっきり断られたとでも思い込んでいたらしいマルベルは、キーニの乗り気な返答に目を白黒させる。そのマルベルに、キーニがじとっとした目を向けた。


「何よ、いつも誘って来たのはマルベルでしょう?」


「いや、そうだけど……。まぁ、キーニが乗り気ならそれは別に」


「と、いう訳で、ごめんなさいね、ミカエラちゃん、ミラちゃん。私、ちょっと挑戦してきます。二人は、私のことを気にせず好きに里を見て回っていて」


 昨日の今日だとミカエラちゃんも大変そうだし、と付け加えたキーニさんの視線の先では、こちらをチラチラと気にしながら御厨に降りていく少女たち。あぁ、確かに、このまま行くと揉みくちゃにされてしまいそうな気がする。


「それでは、お言葉に甘えることにします。キーニさん、ご健闘を」


「ええ。我らが父、アニムス・アルスに誓って」


 俺とミラは、そう言ってマルベル達と御厨に降りていくキーニを見送った。


「それにしても、キーニさん昨日は御厨に入るのも嫌そうだったのに、今日は全然様子が違うね?」


 ミラが不思議そうに呟く。確かに、昨日のキーニは露骨に御厨に入るのを避けていたような印象だったけれど……。 


「まぁ、そういう日もありますよ。私も故郷の遊び場に何か入りにくいなぁって行かなかったことあるし」


 ミカエラの記憶がぼんやり浮かんでくる。あれは、同年代の子供たちが親の役目を継ぐとか別の役目になりたいとかが出始めた時期で少し状況は違うが……。何にせよ、その日の気分というのは結構大きな影響があるのだ。


「そんなものかなぁ?」


「それより、ミラは行きたい所とかないんです?ここ、前も来たことあるんだよね?」


「随分前っぽいけどねぇ。あ、そうだ、そういえば、ミカヅキたちが拠点にしてた遺跡が近くにあってね!おっきなゴーレムが立ってる遺跡なんだけど、まだ残ってるかなぁ?そうそう、あの時もちょうどお祭りが近い時期でねぇ——」


 楽しそうに話し始めるミラ。この流れは、おそらくミカヅキさん話が続く奴だ。ミラは本当にミカヅキさんが好きらしい。……どうにか、会わせてあげたいものである。


「ひとまず、その遺跡に向かってみましょうか」


「うん!」


 輝くようなミラの笑顔に俺も小さく微笑み返し、ミラの思い出話をBGMに、俺たちは里をゆったりと散歩した。


 ……どこか不穏な空気が漂い始めていたことに、まるで気付かずに。


マイリス、評価、コメント等々お待ちしておりますゆえ是非!

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