青く燃える惑星
えーっと、最終話です。
目が覚めると、いつもの日常。顔を洗い、朝食をとり、歯を磨いて、着替える。テレビをつけると色気のないお天気アナが「日中は曇りですが夜から明日の朝にかけて全国的に雨が降るでしょう。お出掛けの方は傘を忘れずに」と言っている。傘はコンビニでパクられたのを最後に今は持っていない。というか、今日は外に出る必要がない。予定がないからだ。彼との約束のときまで、あと2日ある。ゆっくり考えられるわけではないが、考えられない時間がないわけではない。
なにかが迫ってくる音が聞こえた。足音ではないけど、サァーっと。遠くから何かが。怖くて逃げたくなる。知らないものに追われるのは怖いことだ。とうとう、その何かに足を掴まれて俺は地面に叩きつけられる。その何かの正体なんて知りたくなかった。自分はここで死ぬんだ。そうだ。もう終わりだ。そう自分の生命の終わりが来たと思った瞬間、引き戻される。吸い込まれる。
雨が降っていた。居眠りしていたようだ。雨は地面を叩きつけるように降っていた。夜から降り始めると言っていたのに嘘つきめ。そういえば今日は母の誕生日だった。携帯電話の時刻を見ると23時46分。明日になる前に祝えそうだ。急いで電話をかける。
母は相変わらず元気そうだった。直接会うことは出来なかったが声を聞けたから良かった。今日は1日グダグダしていたなぁとそんなことを考えていると部屋の時計の針は12の数字を指していた。
目が覚めると、いつもの日常。昨日と同じアクションを起こす、快晴の朝。昨日、お天気アナは夜から朝にかけて雨が降るって言っていたのにとっくに止んでいたようじゃないか。嘘つきめ。
今日はバイトがある。もうすぐ家を出なければ遅刻してしまう。急いで支度をして、ドアを開ける。
「行ってきます。」
誰もいない俺の巣に少しの別れを告げる。
バイト先の人間はクソみたいなやつらしかいない。唯一の救いは2個上の女の先輩だ。黒髪ボブでおっぱいがデカい。とにかく俺の大好物だ。少しSっ気があるところがまた良き。しかし、今日のシフトには先輩は入ってないようだ。早速帰りたくなる。が、何日もバイトに出ていなかった。流石に今日はサボれない。ここは家から徒歩10分程度の場所にあるコンビニだ。国道に繋がる一般道沿いに作られていて駐車場も広い。人がいないという時間はほぼなくて昼時などは休む時間なんて1秒たりともない。クソな奴らとなんとか忙しい昼時を乗り越えた。シフトは午後8時までだったから夜中までバイトの奴らより早く退勤した。
家のドアを開けると、いつもの俺の巣。相変わらず殺風景な部屋だ。風呂に入って晩飯も喰わずに布団に入る。とうとう明日か。
目が覚めると、いつもの日常?いつも通りのアクションを起こすけど、昼間の流星を見たのは生まれて初めてだ。テレビをつけると予定通り色気のないお天気アナが参上。「本日は全国的に流星が降り注ぐでしょう。頭上に注意してお過ごしください。」
思わず「ハァ!?」と声を上げてしまう。窓を開けると青く燃えるように空から何かが降っているじゃないか。しかもたくさん。もうなにがなんだか分からない。
急いで最寄り駅に向かう。彼が来ているかもしれない。駅に向かう途中で一般市民を見かけたがこの現象を目の当たりにして平然としている。なんでみんな驚いていないんだ!何が起こっているんだ。すべての答えはアイツが知っているはずだ。全力で走る。
駅にたどり着く。息切れした顔を上げると、彼がいた。
「やぁ!3日経った。」
相変わらず陽気なやつだ。
「なんだ…これは。」
ニヤニヤしながら彼が答える。
「見ての通りさ。もうここは君の知っている惑星じゃないよ。」
「何を言ってやがる。」
「この3日で君の意思を見させてもらった。君には新しい環境が必要だ。」
これが、、、そうなのか。
「じゃあ、ここは…お前が前に住んでいた惑星…?なのか。」
「そうさ。もう飛んでる。」
「ま、まじか。ハハッ。」
思わず笑ってしまう。大笑いだ。こんなに笑ったのは久しぶりだ。
彼が手を広げる。そして大きな声で
「ようこそ!もう一つの青い惑星!ここが君の新しい巣だ!」
「青く燃える惑星の君が。」でした。またどこかでお会いできる日が来るように精進して参ります。では。
情。




