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青く燃える惑星の君が  作者: 千反田 情
1/5

そういえば今日から

時はブランドニュー。少年時代の記憶にはくだらないことしかない僕だけれどひたつだけ興味深い思ひ出があった。その思ひ出を探る旅に出かけることした。

あなたの記憶:2000年5月17日


「bi-----barurun…」

イカれた機械音と共に誰かの音声が聞こえてくる。

「Hello.こっちでの日常にも慣れてきたよ。ちなみに今日の夕飯もカレーだった。飽きた。でも昨日のカレーとは別に今日のカレーはなんだか美味しかったなぁ、不思議だなぁ。魔法でもかかっているのだろうか。ここは不思議なことがたくさんある。なんとも、楽しいところだ。じゃあ、またいつの日か。」



外に出ると雨は止んでいた。起床時は土砂降りだった雨はどこかへ行ってしまったようだ。そういえば今日は母の誕生日だったなあ。後で実家に電話しよう。とにかく早く向かわねば。こんな僕に急な用事ができたのはつい5分前のことだ。いや、本当は何日も前から存在した用事だったのかもしれない。電話の内容を思い出す。


知らない番号から電話がかかってきたのはつい10分前ってところか。

「もしもし?今日は何の日か覚えてるかい?嘘は良くないよ!早く来てよ。暇すぎて死にそう。わは。」

僕はその時素っ頓狂な顔をしていただろう。名前も名乗らずに、しかも敬語も使わない。日本語も少しおかしい。1人で会話してるみたいだ。とりあえず尋ねてみる。

「えっーと、あのぅ、どちら様でしょうか?」

すると。

「ははっ!やっぱ面白いね!君!この星のギャグかい??」

コイツは一体誰なんだ!もうその考えしかなかった。

「ですから、どちら様でしょうか!!!用件もないのに辞めてください!」

大声を出すとさすがに相手も電話を切られてはマズイと悟ったのか説明をしてきた。

「あー、はいはい。分かったよ。いやー、でも本当にビックリだ。君、忘れたのかい?今日の約束。」

約束…だと?

「え…?何のですか」

今日は母の誕生日だけれどこの声は母ではない。

「約束さ!今日は駅前の喫茶店に11時集合。君が俺を誘ったんだろう?現在の時刻は11時半!さすがに俺も痺れを切らして電話をしたってわけさ!ほれ!早く支度して来いよ。そうじゃなきゃ帰っちゃうぞ〜」

これは…新手の詐欺か…?僕はこんなことを、こんな約束をした覚えが無い。でもこの声…どこかで聞いたことのあるような。今日は暇だし正体を確かめるために行ってみるか!変なやつだったらすぐに帰宅してやろう。そう決めて言葉を返す。

「わかりました。すぐに用意して行きます。こちらから誘ったのに申し訳ありません。」

「いいよいいよ。とりあえず待ってるからさ。」

相手はそう言い残し電話を切った。

支度を済ませ家を出る。


そして現在に至る。ボロアパートのドアを閉めて階段を降りる。外には虹が出ていた。少し良い気分になった。駅前の喫茶店は歩いて15分くらいだ。最寄り駅でいつもバイトに行く時に使っている。今日はバイトのシフトも入ってない。

街を歩いているとパトカーがサイレンを鳴らし走っていた。なにか事件でもあったのか。まぁ僕には無縁の事件だろう。

喫茶店に着く。緊張。店内に入る。太った男が右奥の席に1人。カウンター席にお爺さんとお婆さんが仲良く腰掛けている。他には…

「やぁ!」

急に後ろから声をかけられる。男だ。身長は2m近い。いや、それ以上か。大きな目に高い鼻。口は少し尖っている。髪は金髪でワックスで整えられている。ハーフか?外国人っぽいが電話でも聞いたとおり日本語は達者だ。

「あなたは…」

「遅いよ。まったく俺を待たせるなんて。ねぇ。俺が住んでいた星は爆発しちゃったみたいでさ。この青い星…水の惑星?に引っ越してきたんだ。」

だ、誰。ってか何をほざきやがる。ダメだ。まったく記憶にない。帰る。

「あっー、ええと人違いじゃないでしょうか。あっ、急用を思い出した!帰らなきゃー。アハハ。」

すると男は急に真顔になり

「嘘は良くないよ。」

なんだ、急に雰囲気が変わった。そして

「なんだよ。まぁ座って座って。ゆっくりコーヒーでも飲みながら話をしようよ!」

また陽気に戻る。

話の展開は早く、もうこの男が何を喋っているのか分からなかった。

この男を見ていると小学生の頃のことを思い出す。ただ純粋無垢な頃の僕…。でも嫌な思い出が一つあった。。。



ガキの頃、同じクラスの髙橋と取っ組み合いになり腕を骨折させたことがある。あの時、母は僕を叱り、そして骨折させた髙橋の家へと謝りに行ったとか、、、

でも、あれは仕方がなかったのかなと考えてしまう。

アイツのことはいつも見ていた。いつも鈴木ってやつをいじめていた。鈴木はいつも顔面や腹を殴られていた。でも鈴木はまったく抵抗しなかった。髙橋の思うがままにボコボコにされていた。なぜだろう。なぜ殴られても抵抗しないのだろうと、そいつらを見るとそんなことを疑問に思っていた。


そしてある日…

「おい!」

髙橋が後ろから声をかけてくる。辺りは夕闇に飲み込まれそうだった。

「なんだい」

ずっと後を着けられていたことには気付いていた。適当に返事をする。

「おまえよぉ、いつも俺が鈴木と遊んでるの見てるよなぁ。でも何にも言わねぇ。なにか言いたいことあるんだろう?」

思ったことを言う。

「あぁ。バカが伝染る、と思いながら拝見させてもらってるよ。」

「あぁ?んっだと??」

「だーかーらー。バカが伝染るって言ってんだろ。」

さぁ、糸がブチ切れる。

「おまえ。喧嘩売ってんだろ。もちろん、売られた喧嘩は買ってやるよ!!」

髙橋が殴りかかってくる。そして拳が僕の顔面に見事的中。激痛が走る。続いて2発目。

「…っ」

と、ここで髙橋が立ち止まる。

「なっ…誰だお前!!」

髙橋が叫ぶ。僕の前にバトルドレスのようなスーツを着た人間が突如、現れたのだ。しかし、僕の記憶の中ではこの人間は人間には見えなかった。なんだか、フワフワしていたような、そんな記憶がある。重そうな装備をしているのに行動がスムーズで、動きは人間のような動きをせず、どこか動物的なそんな印象を受けたのである。

「誰なんだ?お前は一体…」

その時の自分も、その状況を把握出来ずにいて恐怖心さえ抱いていた。

どうも。千反田情です。この作品は不定期に更新していく予定です。

またどこかのタイミングでお会い出来るよう…精進して参ります。では

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