表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

青春 第2話~出逢いと別れ~

作者: のぞのん

ある日の仕事の帰りにユミは健吾達に会った、ユミは無視して通りすぎようとしたが呼び止められた。そして「お前みたいなやつが一生懸命仕事したくらいで世間は認めてくれないんだよ、お前は窪田とかいうやつが好きみたいだけどあったちからしたらいい迷惑なんだよ、そんなこともわからねぇのかよ」と言われた。ユキはびっくりした、まさか健吾達に自分の気持ちが知られてるとは思ってなかったし、なによりも迷惑と言われたことがショックだった。その日からユキは健吾の言葉がひっかかり仕事中もうわのそらになることが多かった。そしてユキは迷惑だと思いこのまちを出ていくことにした、町をでるという日、家を出ようとするとそこには窪田さんがいた、ユキは見ないように心の中で『もう窪田さんのことは忘れるんだ』と繰り返して、小走りに走った。すると窪田さんに腕をつかまれた、「…なん、ですか?」窪田さんは怒った顔をしていた、そして何で誰にもいわずに出ていくんだよ、と怒られた。窪田さんにはすべてお見通しだったのだ。ユキが数日前から仕事も手につかなかったこと、心境の変化があったことを。ユキは泣きながら自分がいたら迷惑だと思ったことなどを話した。すると窪田さんはそんなことはないと言った。それが僕がここに来ている証拠だと。ユキは泣いた、嬉しさも悲しさもまざった涙。止まらなかった、そんなユキを窪田さんは何もいわずに抱き締めてくれた。その様子を見てる人たちがいた、それは健吾達だった。

次の日、健吾達はこのまちを出ていった。それはたんにいずらかったというだけでなく、健吾達も新しい一歩を踏み出したかったからなのだ。ユキがその事にきずいたのは数日たってからだった、健吾達のアパートの前を通るといつもついているはずの電気がついていなかった、不思議に思い玄関の前までいってみてもだれもいなかった、外においてあった物干し竿や洗濯かごもなくなっていた。ユキは悲しくなった、ため息をついた。そして次の日、健吾達を探しにいった。ユキには思い当たるところがあった、それは健吾達とはじめて島をこえて出掛けた新潟の津南という田舎町である。ユキは津南に向かった、東京からは半日以上かかり津南についた頃にはもう日が沈みかかっていた。情報が回るのがはやい田舎町だ、人伝に聞いてすぐに見つかった、ユキが聞いたところにいくと、そこには八百屋の二階に部屋を借りて働いてる健吾達の姿があった。ユキは声をかけるのをやめた。3人もやり直そうとしてる、ここで自分が声をかけて3人の気持ちが崩れたらいけない、と思った。そしてユキはそのまま東京へと引き返していった。

東京へ帰ると思わぬサプライズが待っていた、それは窪田さんからのプロポーズだった、ユキと窪田さんはあれから付き合っていたのだ。とても嬉しいプロポーズだったがする返事をすることはできず待ってもらった。してやユキは一度、故郷にいこうと思い生まれ育った空気を吸うために故郷へと向かった。そして自分が大好きだったフェリーの船着き場にいった。そこはユキが小さい頃、いつも島からでる自分を描いているところだった。ユキは実家に帰ろうと思ったが足を止めた、それはたんに勇気

がなかったのだ、母親がどんな生活をしているのか、もしかしたら自分の兄弟に当たる存在ができているかもしれない、そんなことが怖かった。そしてユキは次の日、東京に帰った。もう二度と足を踏み入れないであろう故郷に別れを告げて。ともにユキは窪田さんからの結婚を受け入れることを決めた。

東京に戻ったユキは、早速窪田さんに結婚の約束をした。窪田さんは早く決めようとしなくても僕は待ってるといってくれたけどユキの心の中では区切りがついていた。そして結婚式当日、ユキの親戚、友達は一人も来なかった。というより呼んでいなかった。でも、ユキにとってはとても忘れられない結婚式となった、それは結婚式という名のスタート地点。東京という地で生きていく覚悟だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ