三話 転生
亮也は再び意識が覚醒に向かうことに気付いた。そこで自分の身体に違和感を感じた。なんというか今までと感覚が違う。
(なんだか別の身体を動かしているみたいだ。)
そんなことを考えながら亮也は目を開けた。
目の前に知らない外国人がいた。
(……誰?)
初老に差し掛かったくらいの女性が俺の顔を覗き込んでいる。何を話しているのかは分からないが、心配そうな顔をしている。
(いったい何なんだ)
と思っていたところ、突然目の前の初老の女性が俺を抱き上げた。
そこで初めて自分の身体の変化に気付いた。
(…小さい! というかこの身体ってまるで赤ちゃんじゃないか)
驚きのあまり声をあげてしまったが、うまく声を出すことができずに、俺の口は
「あうあぁー」
と言葉にならない音を出すだけだった。
俺は正直パニック状態だったが、女性の女性は明らかに安堵したようだった。そして、俺の後ろにいる誰かに話しかけているようだった。そっちに振り向こうとしたがうまく身体が動かせない。
すると、突然後ろから優しく抱き上げられた。
俺を抱き上げた人は美しい銀色の髪を腰まで伸ばした綺麗な女の人だった。その横には赤みのある茶髪の爽やかそうなイメージを感じさせる男性が立っている。二人共、年齢は20代半ばといったところか。そしてその横に7、8歳くらいの先ほどの男性と同じ髪の色をした男の子が二人いて、俺を興味津々といった表情で見つめている。片方は赤茶色の髪を短く切っており、背が高い。わんぱくそうな感じだ。もう一方は、髪を少し長く伸ばしていて、華奢な体格だ。かなりのイケメンで、優しそうな雰囲気をしている。
俺はようやく状況がつかめはじめた。おそらく俺は前世の記憶を持ったまま生まれ変わったのだと。