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無能と追放された鑑定士、実は“価値を変える力”で街ごと最強になる 〜評価されないもの全部、俺が使いこなします〜  作者: 影山クロウ


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第17話 前提を壊す

「場所を変える」


 その一言で、リナとアルドが動いた。


 迷いはない。


 いい。


 考える前に動けるようになっている。


「どこへだ!」


 アルドが叫ぶ。


「奥だ」


 俺は通りのさらに先を指した。


 まだ、誰も触れていない場所。


 完全に“止まっている領域”。


 ルクスの視線が動く。


 追ってくる。


 当然だ。


「……逃げるのか」


 ルクスが言う。


「違うな」


 俺は答える。


「切り替える」


 それだけだ。


 リナが先に走る。


 アルドが続く。


 セレナは、ゆっくり歩いている。


 余裕だな。


 俺も歩く。


 急ぐ必要はない。


 ここからが本番だ。


 奥の通りは、さらに酷かった。


 人がいない。


 店も閉まっている。


 完全に“死んでいる”。


「……ここ、何もないです」


 リナが言う。


「そうだな」


 俺は頷く。


「だから使う」


「……は?」


 アルドが眉をひそめる。


 ルクスたちも追いつく。


 距離はあるが、見ている。


「ここで何ができる」


 ルクスが聞く。


 冷静だ。


 まだ余裕がある。


「全部だ」


 俺は答える。


 そして。


「集めろ」


「何を?」


「人だ」


 短く言う。


 リナが一瞬戸惑う。


 だが。


「……分かりました!」


 走り出す。


 さっきの通りへ戻る。


 声をかける。


「こっちです!」


 戸惑いながらも、何人かがついてくる。


 アルドが周囲を見る。


「で、集めてどうすんだ」


「見せる」


「何を」


「価値をだ」


 それだけだ。


 人が集まり始める。


 少ない。


 だが、十分だ。


「ここに何があると思う」


 俺は言う。


 誰も答えない。


 当然だ。


 何もないからな。


「何もない」


 俺は続ける。


「だから何でもできる」


 沈黙。


 ルクスがわずかに眉をひそめる。


 いい反応だ。


「リナ」


「はい!」


「さっき売れたやつ、持ってこい」


「はい!」


 リナが布を持ってくる。


「アルド」


「おう」


「ここ、壊せ」


 地面を指す。


「……またかよ」


 言いながらも、やる。


 “バキッ”


 地面の一部が崩れる。


 段差ができる。


「そこに置け」


 リナが布を置く。


 少し高くなる。


「……で?」


 アルドが聞く。


「見えるだろ」


 俺は言う。


 少し離れてみる。


 さっきより、明らかに目立つ。


「あ……」


 リナが声を漏らす。


「見やすい」


「そうだ」


 それだけだ。


 だが。


 それだけで価値は変わる。


 一人が近づく。


「……これ、さっきのやつか」


「はい!」


 リナが答える。


 自然と声が出る。


「いくらだ」


「銅貨三枚です!」


「上がってるな」


「はい」


 即答だった。


 迷いがない。


「……まあいい」


 銅貨が置かれる。


 布が売れる。


「……なんだそれは」


 ルクスが初めて明確に反応した。


 いい。


 そこだ。


「価値は位置で変わる」


 俺は言う。


「ここは、まだ評価されてない場所だ」


「……だから何だ」


「だから、変えられる」


 それだけだ。


 ルクスの表情が、わずかに変わる。


 理解した。


 完全ではないが。


「……管理外か」


 小さく呟く。


「そうだ」


 俺は答える。


「お前の手が届いてない場所だ」


 沈黙。


 そして。


 周囲の空気が変わる。


 さっきまで“止められていた”流れが、戻ってくる。


 いや、違う。


 新しく生まれている。


「……なるほどな」


 アルドが笑う。


「止められてる場所から、外れたわけか」


「そういうことだ」


 リナが嬉しそうに言う。


「じゃあ、ここを広げれば……!」


「止められない」


 俺は言った。


 それが答えだ。


 ルクスが一歩前に出る。


 今度は、少しだけ速い。


「……面白い」


 低い声。


 だが、感情が混じっている。


 初めてだ。


「だが」


 次の言葉。


「それも管理する」


 空気が変わる。


 今度は、明確な圧。


 さっきより重い。


「……来るぞ」


 アルドが言う。


 俺は小さく息を吐いた。


 いい。


 ここからだ。


「やってみろ」


 そう言ったとき。


 少しだけ、楽しくなっていた。

流れを止められるなら、別の場所で作ればいい。


シンプルですが、ここがこの作品の核です。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

もし面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。


次は、さらに強いぶつかりになります。

ぜひ楽しみにしていてください。

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