小さな図書館
「王都っていうのはやっぱり大きいものなのか………」
行き交う人々の間から見える店や家を目に映しながら、僕は呟く。
人の量も学校があるところに比べたらはるかに大きい。
「それにしても、二人でこうして歩くのは久しぶりですね。」
ルーベルナさんが、上機嫌そうに僕の横を歩いている。
「最近はみんなと修行してばかりでしたからね。
上手くできてるかはわかりませんけど………」
「十分上手くできていると思いますよ。
荒っぽいセルジュくんもしっかり上達してきていますし。」
「あれに関してはモイトン先生のおかげです。
あの人がセルジュとの接し方を教えてくれたから。本当にモイトン先生の存在はありがたいですよ。」
パトリスさんとモイトン先生の二人が裏方の仕事や僕がカバーしきれない範囲を手伝ってくれているため、すごく助かっている。
「3日しかありませんから有意義に時間を使わないといけないですね。」
「とりあえず、魔法書が売っているところを探したいんですけど………」
ということで聞き込みをすると、何やら魔法図書館というものがあるらしい。
フェッソシス国立学校に隣接されているとのことで、一石二鳥だ。
いざレッツゴー!
……………な、なんじゃこりゃぁァァァ!
建物きれい!魔法書少なッ!というか図書館ちっさ!
さっすがにうっそやろこれ。
図書館とはどんなものなのかをルーベルナさんから聞いていたため、あまりの小ささに僕は困惑していた。
「どうやら戦争によって大部分の書物が消失してしまったらしいですね。」
開いた口が塞がらない僕の横で、すでに理由を近くの人に尋ねたルーベルナさんが言う。
まぁ、せっかく来たんだから見れるだけ見ようということで僕たちは図書館が閉まるギリギリまで魔法書を漁り、教えてもらった近場の宿に向かって歩いていた。
「この時代の魔法は威力が低いものが多いみたいですね。」
「おそらく、威力が低いというよりは広範囲に渡る魔法の方が多いと言った感じですね。」
“戦争のための魔法“と言わんばかりに、書かれていたものたちは戦うためのものばかりだった。
その中でも特に範囲攻撃が可能なものが多かったのは戦争になった時に広範囲の敵を一気に倒せるからみたいだ。
結局、リュシアさんの言っていたことはいつまで経っても正しいのだと、心の中で思い返す。
争いが終われば、人々は魔法をどう使うのか。
魔法は不要となるのか。
それとも誰かのために使われるのか。
そんな疑問が、頭をよぎる。
この後訪れるであろう戦争。
そのために、僕はやらなければならない。
息を吐いて、空を見上げる。
空に輝く幾つもの星とある人の顔を重ねつつ、僕は一歩を踏み出すのだった。
こんばんは。羽鳥雪です。
前回の話を2話に分けようか1話にするか悩み、結局1話にまとめたので今回はめっちゃ短くてすみません。
いつも通りこの後の時間にも投稿しますので是非是非そちらもご覧ください!




