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あの日の音  作者: ぽん
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*2章*初めて

少女の名前は中田祐美。中一で帰宅部。放課後は火、木のレッスン以外、放課後は音楽室でピアノを弾いている。 本当は家に帰って弾きたいのだが、祐美の彼氏-星野康樹が一緒に帰りたいというので仕方なく学校で弾いている。




 祐美がピアノのを始めたのは5歳のとき。友達の美紗希と一緒に美紗希が通っているピアノ教室に行ったら先生 に、触ってみる?と言われて、美紗希が弾いていた曲をいきなり弾き始めた。そしたら先生は

 

「あなたはもの凄い才能を持っているわ!一度お母さんを連れきて。いい先生を紹介してあげる」


と言われたことがきっかけで今の先生に教わっている。

 祐美はそれからというもの、数々のコンクールで優勝している。小学生のとき、コンクールの審査員の先生に留学の誘いまで来たが、祐美はきっぱりと断った。私は日本がいいと。



 そして少年の名前はさっき出てきた星野康樹、通称康。2年の野球部期待の星。噂では3年の先輩よりも強いとか。

  




 二人が付き合い始めたのは 5月のこと。康からだった。康は廊下で祐美と初めてすれ違った時、他の女子には無い何かを感じた。それ以降康は祐美のことが気になり始めた。そして祐美がピアノの全国大会に出場するので、全校生徒の前でピアノを弾いたのを見てその気持ちは確かになった。そして発表が終ったあと康は祐美を呼び出して告白した。



「俺、中田さんの事が好きだ。付き合ってくれ」




 祐美はびっくりした。先輩に告白されるなんて思ってもいなかったからだ。祐美は驚きのあまりとっさに、



「こんな私でよかったら」



 といった。康はとても喜んでいた。実は祐美は康を見るのは3回目だった。一回目は廊下ですれ違った時。2回目美紗希が二年の先輩にかっいい人がいるといわれて2年の廊下に行ったとき、康とぶつかった。そのとき康はすごい勢いであやまって来た。ちょっとうれしかったなと思った程度だった。康のほうはすごい喜んでいたが・・・・・。

 3回目は告白されたとき。




「な~、日曜俺んちこない?親が祐美見たがってるんだ~」



「いいけど・・・・。てか親にいったの?康」



「言う前にばれた。何であんた最近帰りが遅いの?まさか彼女でもいるの?って」

   


「康はなんて返事したの?」



「うん。1年のすんごいピアノがうまくてかわいい子って。そしたら母親が康にはもったいないわ。かわいい子なんて。」



「もったいないってお前らの子供だろうが!!って言ってやったよ」



「康らしい答え方だね。康のそういうとこ好きだよ」

   


「いまさら好きっていわれてもな~」

   


「何それ!!!」

   


「はは、ジョーダンだよ、ジョーダン。まって、ちょっと目つぶって」

  


「うん?何?」

  


「いーからめーつぶって!」

   


祐美は目をつぶった。そしたら唇になにかが触れた。康の唇だった。

  


「康・・・。今何したの?」

 


「キスだよ。もしかしてファーストキスだった?」

   


「うん。ファーストキスが康でうれしい」

  


「じゃあっもう一回」

   


また祐美の唇と康の唇が重なった。さっきよりも長く。康はそのまま祐美を抱いた。優しく、丁寧に。そのとき祐美は泣い ていた。

   


「どうしたの?泣いて」

   


「嬉しくて嬉しくて、涙が止まらないの。康、愛してる」

   


「俺もだよ」








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