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―プロローグ―
―プロローグ―
幼いころの私は、普通の女の子だったと思う。
幼いながらに、可愛いものが好きな女の子。
特に、アイドルが好きだった。
子供心ながらに無邪気に、そして、純粋に。
キラキラとした服で、キラキラとしたステージに立って、キラキラとした笑顔で、キラキラと踊る。
テレビ越しに見たその姿は、私の夢を決めてしまうのに、難しくはなかった。
幼いころの夢は、誰だってそうであったはず。
私自身もそうだ。
「アイドルになりたい!」という夢は、結局、夢に過ぎず、世の中を知っていくと同時に、成長するたび、鏡を見るたびに……。
いつからか、夢は夢のままで、思い出の宝箱にしまって、閉じて、クローゼットの隅に仕舞っていた。