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24.オムライス作りなんてちょちょいのちょいよ!

「本当になさるのですか?」

「えぇ。私にだってオムライスぐらいつくれるわ。」


心配しながら、その辺をうろうろしては、こちらに声をかけるフィーナをよそ目に、フライパンの前に立っていた。


フィーナは私の朝食をつくることができない。そうなると私がつくるしかないってこと。これだけのために外で護衛をしてくれているステルク騎士団を呼んで、つくってもらうわけにもいかないし、実はやってみたかったのもある。


だってさ!小さい頃はまだしも、六歳になった今でも王女だからっていう理由で、フライパンさえ握らせて貰えなかった。

でも、フィーナがやっているところを見ていたし、今から教えてもらいながらだし、なにかあったらフォーリャも助けてくれるらしいから安心してできる。


と、思っていたが、そう上手くはいかなかった。


「もう!なんで崩れるのよ!」


さっきから何回目だろう。三回はつくり直した。なぜか卵がぐしゃぐしゃになるの。訳が分からないわ。


「料理というものは、見た目ほど簡単ではないのですよ。

何回も経験を重ねていけば、そのうち上手くつくれますから安心してください。」


そっと背中を押すフィーナの言葉に、元気が出てきた。

……おほん。いけないいけない。さっきは少し取り乱したわ。


「そうだよ!あたしも苦労したもん。ずーっと植物の精霊様であるラント様の食事をつくっていたから、上手くなれたけど飽きちゃった。」


フォーリャがフォローしてくれているかは置いといて、もう一度挑戦しようと思う。


「ありがとう。もう一度頑張るわ。」


──────十分後


「うん……まぁ、良くはなったんじゃないかしら?」


気合いだけで完璧にはならなかったけど、少しは見た目がマシになった気がする。肝心なのは味だから。そう、味……。


いつもの食卓にて準備を終えると、早速口へできたての特製オムライスを運ぶ。


「まぁ、悪くはないわね。」


見た目に反して案外、美味しかった。勿論フィーナには劣るけどね。


「……。」


さっきから視線が痛い。フォーリャがずっと見つめてくるんだもん。これは欲しいってことなのかな。妖精も、人間の食事を食べることができるって聞いたことがあるけど……。


「……フィーナ、ずっと室内だと気分がよくないでしょ?

気分転換してきていいわよ。」


嘘は言ってないからね。一応本音だよ。フォーリャと話すタイミングをつくる為でもあるけど。


「お気遣ありがとうございます。ですが、大丈夫でございます。」

「そう言わないで。私は平気よ。」


私は最後の一口をスプーンにのせながら軽く笑った。


「……ではお言葉に甘えさせていただきますね。失礼いたします。」


フィーナが後ろに下がると早速、本題に入る。


「はいフォーリャ。口開けて。」

「……へ?」


あれ?違った?食べたいんじゃなかったの?


「オムライス食べないの?ほら、あーん。」


もう強行突破する他ない!だってさ、もし間違ってたら恥ずかしすぎて、もうひけないよ!


なんとか堪えて顔に出さないようにしながら、じっと見つめた。やっぱ、違った?ひけないとは言ったものの、迷惑になるのは……違うよね。


オムライスがのったスプーンをひこうとした瞬間、小さい口がめいっぱい開いた。顔には笑みがうかべられており、あっていたみたいで、よかった。


すかさず私が口へ運ぶと、すぐに閉じられ、私が立つのと同時にほっぺがはじけんばかりにもぐもぐし始めた。


「ふふ、どう?おいしい?」


食器をかたすために食卓と繋がっている厨房に入る。そしてフォーリャに背を向けながら尋ねてみる。

他の人の評価も気になるからね。他の人……うん、妖精の意見も大事だよ……ね?多分、ないよりはね。


「……。」


返答なし。もしかして声に出せないくらい不味かった?

すぐにでもフォーリャの反応を目で見たい。けど……手が離せない!


私、最近気づいたんだけど、意外とキレイ好きみたい!

使った食器はすぐに洗わないと気がすまないわ!なんとか片し方も覚えたし、手が止まらないのよ!


ささっと皿洗いを済ませて、タオルで軽く手を拭くと、急いで、でもお姫様らしさは忘れずに、音を立てないで食堂へ向かう。すると、驚くことにまだもぐもぐしていた。


……あっ!そうだ。フォーリャは妖精。さっき違和感があったけど、なんで分からなかったんだろう。人間の私と手のひらサイズのフォーリャの一口が一緒なわけないじゃん!


「フォーリャ!大丈夫!?べーしていいよ。」


吐き出すのを促そうとしたけど、一向にその気配はない。

そして数分が経つといきなりゴックンと全て入っていった。

ふぇ!?ちょっとずつ飲み込むならまだしも、一気に飲み込んで大丈夫なの?


「はー!口がちぎれるかと思った!」

「ごめんね、うっかりしていたわ。お水飲む?」

「大丈夫だよ。お水も今はいいや。」


あとから聞いた話によると、妖精が使える能力みたいなもので、オムライスの一部分を瞬間移動的みたいに体内に送ったんだって。全部送る手もあったみたいだけど、オムライスを味わえなくなるから頑張って食べていたんだってさ。


そこまでしてくれるのは嬉しいけど、無理はしないでねって伝えておいた。


「ねぇ、明日も一緒に花畑に行きたいな。

妖精はテレパシーが使えるんだけどね、ステラ……えっと、星の妖精から、月の精霊様が明日来るって連絡が来たの。だから明日なら、あのよく分からない物の事も聞けるかも。」

「あら、そうなの!?じゃ、明日行きましょう。伝えといてくれるかしら?」

「うん!」


いきなり五大精霊様の一人にお目通りにかかれるなんて、願ってもないけど、心の準備がね。急展開過ぎて追いつかないわ。それは明日。 想像だにしない形で叶うことになる。

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