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19.二人の歓迎者、その他の非歓迎者

「えっと……誰?」


やっぱり聞き覚えのない声。誰なの?


「俺はソレーユ。君が助けてくれたんだって?礼を言うよ。優しいんだね。」


あぁ!例のソレーユ君か!私が助けた張本人で、助けを求めたフォーリャの仲間。


「あなたがソレーユ君ね。知ってるだろうけど私はクレア・ジュア・ヘリオスよ。会えて嬉しいわ。まぁ、私には姿が見えないのだけれどね。」


小さく笑うと少し間を空けて声が返ってきた。


「ジュア・ヘリオス……ねぇ。俺のことはソレーユって呼んで。……それにしても俺達のこと見えてない?そういえば王族にしては魔力の量が少ないかも。」


ソレーユね、なんかこの王国の名前のソレール、と似ているわね。まあいいわ。


「今更だとは思うんだけれど、魔力って何かしら?しっかりと分かってないのよね。」

「はいはーい!あたしが教える!魔力はね、魔法を使うために必要な力のことだよ!料理を作る時に材料がいるみたいに魔法を使う時には魔力っていう材料が必要なの!」


へー!フォーリャの説明面白い!


「ねっ?そうでしょ?」

「まぁね、ほんとにざっくりと言えばそんなもん。……ところでさ、ずっと気になってたんだけど、それなんだ?」


フォーリャとソレーユが会話を進める中、私に質問が飛んできた。ここから今回の案件についてが始まった。


「それって……これの事よね?実はこの事についても聞きたくて。私にもよく分からないのよ。」


少し困った顔をしてみせるとフォーリャから興奮気味の声が聞こえてきた。


「あたしもずっと気になってた!魔力の気配がだいぶ強いね。中級の妖精はゆうに超えてるんじゃない?」

「あぁ、それに見た事のない形の魔力だ。それに妙な気配もする。」


元気なフォーリャに比べて、冷静に分析しながら少し警戒した声色と口調なソレーユ。私には、少し専門的で高度な内容だからよくわからない……。


「魔力の形?そんなものが分かるの?」

「あたしには分からないよ。でも、ソレーユはあたしよりも強い…つまり位が上だから普通はできないことも出来るの。」


へぇ〜!すごい。

フォーリャよりもソレーユの方が強いんだ。それに位も。てっきり同じくらいかと思ってた。二人とも親しそうに話しているんだもん。


「これは、何かしらの魔道具かな。俺でもこれは開けられそうにない。できるとしたら五大精霊の中の大地の精霊…様か、月の精霊様…だな。」

「どうしてなの?五大精霊様の他の精霊様には出来ないの?」

「二人の精霊様は魔道具関連や機械的な創造物について詳しいからね。だけど今は留守だし、しばらくは様子見にした方がいいよ。」


そうだね。でもフォーリャもソレーユもできないなんてびっくり。声だけだけど何となく強いイメージが湧くもの。


「わかったわ。二人ともありがとう。それじゃあまたね。」


用が済んだからシモツケ宮に帰ろうとして数歩、歩いたんだけど……体が動かなくなった。私だけピタッと時間が止まったみたいに。


「こら、いじわるしたらダメだろ?返してあげなよ。」


ソレーユの呆れた声が聞こえた。恐らくその相手は───


「む〜!だってやっと会えたのにもう行っちゃうんなんて寂しいもん。クレアちゃん、もうちょっとだけ一緒にいようよ〜!」


フォーリャの甘えたような声が聞こえた。うーん……できれば早く帰りたいんだけど……。約束もあるからね。破ってしまったら今度こそ何かあった時に何もできなくなる。でも、どうしても可愛らしいフォーリャの声に負けてしまう。


「まだ時間はあるし、大丈夫よ。お散歩でもする?」


フィーナとの約束の時間まであと半分はあるし……帰る時間を考えても問題なさそう。なら大丈夫よね。


「やったー!!じゃあお散歩しよ!!」

「……はぁ、フォーリャ。その前に一つやることがあるだろ。」


さっきのような呆れたソレーユの声が聞こえてくる。ソレーユはフォーリャのお父さんみたい。


「………あっ!そうだった!」


フォーリャはたっぷりと間を置いた後に、ハッとしながら声をあげた。


「なんの事?」


気になって尋ねてみると、すかさず返事が返ってきた。


「すぐにわかるよ。」


その声の後に───ひゅー、という甲高い音が聞こえた。そして少し間を置いたあと、


「フォーリャ〜、どうした?」

「あら、ソレーユも一緒だったのね。」

「その子だあれ?」


色んな声が聞こえてきた。

相変わらず誰もいないけど、一体誰よー!早く説明して!


「この子達はね、みーんなここに住む妖精だよ!」


この子達と言われても声しか聞こえないけど、気になっていたことは解決した。


「みんな〜!あたしたちのヒーロー、クレアちゃんだよ!」


えっ、ちょっ……。そんな紹介の仕方ってある?普通に恥ずかしいんだけど。


「この子があの?すっご〜い!」

「ごきげんよう、クレアちゃん。」

「よろしくな!」


歓迎に満ち溢れたたくさんの声が私を囲う。


「ええと、クレア・ジュア・ヘリオスよ。みんな、よろしくね。」

「ねぇ、ジュアにヘリオスって……。」

「やっぱ、そうだよね。よりによって……。」

「確かにオーラの色が似てると思ったんだよなぁ。」


なに?急にザワザワし始めた。まるで陰口を叩くようにコソコソと。


「……おい、お前ら。」

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