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猫と肩と雨

作者: スライム

人目を気にせずいちゃつくカップルを眺めるのは嫌いじゃない


なぜだろう俺は人の幸せをわざわざ望むタイプでもないはずなのに。考えてみれば嫌いな奴がリア充になってもたいして不快にはならないそいつが億万長者などになったら心は不快でいっぱいだが。


雨の日のカップルは距離が近い。そいつらを見ると脳の幸せを感知する部分がくすぐられる。


この猫がどうかしたかって?拾ったのだ。こいつはどうも気が利かないうえに無表情で可愛げのない俺のペットだ。こいつはなぜか散歩をねだる。変だよなワンとは泣かないはずなのに。それに加えて雨の日という気だるいときに限ってねだるから大変だ。猫と並列して歩く俺もいつしか雨の日はカップルを眺めるのが日課になってしまった。


ところで前にいるカップルはどうも俺の脳をくすぐるのが上手いらしい。相合傘をしているのだ。それもただの相合傘ではない。男の左肩が濡れているのだ。彼女を思い、気遣う、立派な男にしかできない。女がそれに気づいた時の表情はさぞ晴々しいだろうと想像して顔が歪む。

なんだが寂しくなるな。俺にも肩を濡らしてくれる人はいるのだろうか。そう思い自分の乾いた左肩を見る。そのつもりが肩は濡れていた。いつのまにか傘を猫に寄せていたようだ。俺にも肩を濡らす機会があるったんだな。そう思って猫を見る。すると猫がようやく気づいたかと言わんばかりに、ニヤリとこちらをみてにやけていた。なんだよ案外気がきくじゃないか。猫は可愛かった。

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