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す き ま

作者: MIKOPON☆

読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m

ガチの初心者の為、読み難い部分もあるかと思いますが、ヨロシクお願いしますm(_ _)m

良くないモノは、あなたの隙間に忍び込む。

心の隙間 時間の隙間 日々の隙間……人生の隙間…



純子はとても疲れていた。

勤務する会社が繁忙期のど真ん中で、毎日残業が続き、その夜も駅に着いた時には22時をとうにまわっていて、終電までには電車があと数本を残すのみであった。


ホームには、終点T駅まで行く特急が停まっており、電車の中は数分後の出発を待つ客でざわついていた。

純子の乗る電車は、一本後の急行の為、白線のすぐ外側で待ちながら、「あぁ…今日も疲れたなぁ。」心の中で呟き、コキコキと首を回した時だった。


「ねえねえ、お姉ちゃん。」


とてもとても小さい音だったが、自分を呼ぶ子供の声がした。

「えっ?こんな時間に子供?」びっくりしてキョロキョロと周囲を見回すが、もちろん子供なんていない。

…というか、ホームには自分以外、誰も居なかった。


「あれ?こんなに閑散としていたっけ?」その異様な雰囲気に不安を覚えると、


「お姉ちゃん、こっちだよ。こっち。」


今度は、はっきりと聞こえてきた。

声に導かれ目をやると、停まった電車とホームの隙間、その暗がりに5〜6歳くらいだろうか…男の子が居た。


「ちょ、ちょっと、何?大丈夫?」バクバクと速くなる心臓を感じつつ尋ねると

「あのね、落っこちちゃったの。引っ張ってくれる?」「助けてよ。」と両手を差し出してくる。

いつもなら、「何かおかしい。」と思うところなのだが、何故かその時は「早く助けなきゃ。」と使命感みたいな気持ちもあり、急いでかがみ、右手を伸ばしたその瞬間…


ガッ!おもいっきり右腕を掴まれた。

「痛いっ。」驚いて右側を見上げると、黒い服を着た若い男が自分の腕を掴んで立っていた。

純子が男の顔を見ると、男はじっとこちらを見据えたまま、ゆっくりと首を横に振った。


「や、あの、でも…あの子。」と電車の下を見ると、さっきの男の子が大凡子供らしくない鬼の様な顔で、「チッッ!」と大きく舌打ちをした。


もう、怖いやら、びっくりするやら…で思わず2〜3歩後退ると、純子の目の前をゴーッと特急電車が走り抜けて行った。


「うひゃあ。」

純子が変な叫び声を上げ、我に返ると、もう男の子も男も消え去り、電車を待つ沢山の人達が怪訝な表情でこちらを見ていた。


もう、このまま電車で帰る気にもならず、バッグを抱えると走って改札を抜けタクシーに乗り込んだ。

自宅に着いて、ようやく正気に戻ると、そのまま布団を被って震えていたが、いつの間にか眠ったらしい。気がついた時には朝であった。


長い夢を見ていたのか…とも思ったが、自分を助けてくれた男の手の感触がしっかり残っていた。


この出来事は純子の人生において、強烈な体験だった為、何度も思い出したり夢に見たりしたが…何故かあんなに近くに居たはずなのに、子供の顔も男の顔も、全く思い出すことができなかった。


ただ…ちょっとだけトラウマになったらしく、電車を待つ人の列の一番前。その場所には、並ぶことができなくなってしまった。


読んでいただき、ありがとうございました。

まあ、実際はジャイアンみたいな感じでした。ダミ声…とかじゃなく、イメージが。

上から目線な物言いでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 至近距離を通り抜けていく特急電車を想像すると、私もヒヤッとしました。 黒服の青年がいなかったら、危ない所でしたね。 男の子共々、気付いたら消失していたという事は、黒服の青年も生身の人間では…
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