データⅥ(ワードⅠ)
*クオリア*
簡単に言えば、感覚のことを言う。
人が転んで膝を擦りむいた時、痛いと感じればそれは立派なクオリアと言える。
ところで、人が痛いと感じるのは何故だろうか?
原因はケガをした部分から情報が送られて、脳の神経細胞がその信号を受け取るからだ。
しかし、脳の神経細胞が受け取るのは痛いという感覚そのものではない。
痛いという感覚の元となる信号だけである。
そして信号と痛みの感覚は全くの別物である。
この場合クオリアとは、痛みの感覚そのものを指して言うのだが、これを科学的に言語化して、或いは数値化して説明出来るだろうか?
痛みは、数値化出来ない。
痛みは、曖昧な言葉でしか説明出来ない。
何故なら、自分だけしか膝を擦りむいた時の痛みを知ることが出来ないから。
もう一つ例を出そう。
あなたはリンゴを見て、赤いと思い、そして感じた。
これもクオリアである。
では、このリンゴの赤さを目の見えない人にうまく説明出来るだろうか?
答えは、出来ない。
何故なら、赤いという色を、目の見えない人に対して正確に伝えることが出来ないからだ。
目の見えない人はあなたが説明した赤を、青や黄色としてイメージしているかもしれないのだから。
人の感覚という不思議な現象は、あまりにも主観でしか理解出来ないのだ。
だからクオリアは、現在もなお科学的に説明出来ない現象なのだと言われている。
*心身二元論*
哲学者として有名なデカルトが提唱した考察。
肉体や物質といった物理的な物とは別に、魂や意識、心などと呼ばれる非物質的な物が対になって存在するという考えのこと。
生物の肉体には魂が宿っていて、何かに感動したり思考したりするのは脳の働きからではなく、魂の働きからだと主張する。
つまり、肉体と魂の間で発生する相互作用については否定してはいないのである。
人体に精通する分野における専門家は、この考えを殆ど支持していない。
大半の学者達は、意識や心は肉体、或いは脳の働きによって発生するものだと考えているからだ。




