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42日目. 2冊目のプロローグ

早く投稿すると言ったのに半月も経ってます本当にごめんなさい!

 朝から電話が鳴った。それも日もまだ昇らぬ4時に。


 最初は間違い電話かとスルーしていたが、2、3回続いてかかってきてから僕は体をベッドからどうにか起こした。隣のベッドのメリーさんはそんな機械音など意に介さずスヤスヤ眠っている。


「なんなんだよ一体……」


 1階リビングへ降り固定電話の表示を見るが、そこに映る文字は「不通知」。それも何回もかけてくる悪質な不通知だ。


 睡眠という人間の三大欲求のうちの1つがもたらす欠伸をどうにか噛み殺し、さっきからなり続けている固定電話の受話器を取った。


「もしもし」


 少し不機嫌な声を出してしまったが今は朝4時だ、普通の人による普通の対応だろう。


「………………」


 あれ?


「もしもし?」


 少し声を強めて呼ぶが、


「………………」


 出ない。どこかで体験したことある気もしなくは無いが、気のせいだろう。


 30秒ほど待っていたが一向に話す気配がないので、受話器をおくと一言かける。


「もう切るぞ」

「……『丘野友禅』って知ってるか?」

「は?」


 声の主は分からないよう変声機を使っているかような機械音だった。抑揚もなく、男性とも女性とも取れる中性的な声質。本当に誰か分からないんだな、と思わず感心してしまう。


 それにしてもまた『丘野友禅』か。メリーさんの買った本の著者であったが、他の情報は全くない。ネットサーフィンをしても出てきた情報は1つもなかった。


 僕は包み隠すこともないので正直に答えた。


「……名前だけなら」

「なら忠告しておこう。『丘野友禅』には気をつけろ」

「気をつける? 一体何をだ」


 ブツっ。 ツーツーツー……。


 気をつけるも何も、何所のどいつか分からない奴をどう気をつけろと……。


 二度寝しようかと思ったが、最後の言葉が頭に残り続けて結局出社した8時まで寝ることはなかった。



 朝。いつもの重厚な扉を開けると、この時期ならではのイベントが行われていた。


「では、今期よりわが支店に配属されることになった新入社員を紹介する」


 店長はそう話を切り出すと、前に並んでいた新入社員らしきスーツを着た男性が一歩前に出た。


 背は少し高めで、しっかり襟元を正している。至って真面目な好青年といった見た目の男性だった。


「今期から奈良支店に配属されることになった『丘野友禅』です!」

「え!?」


 驚愕の声を上げた僕へ、社内の視線がいっぺんに集まる。「あ、何でもないです……」と両手を横に振って視線を外したが、僕の中では今だ混乱が渦を巻いている。


「新入社員で至らないこともあるかと思いますが、ご教授のほどよろしくお願いいたします!」


 なんで『丘野友禅』がわが社に所属しているんだ……?

丘野友禅くんはこの章のキーマンになるはずです。多分。

今後もゆっくりですが投稿していくのでよろしくお願いします。

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