表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議アリスは人形使い  作者: ワンコ
8/65

演目八:ドッキリ

アリスside




おはようございます。アリスです。現在は早朝、今隣のベッドで寝ているヒナミ・メリーさんを起こしたいと思います。

すやすやと眠る彼女を無理に起こすのは心苦しいですが、この定番のアリス特性目覚まし爆弾で起こそうと思います。


アリスは懐からうさ耳が生えた球体を取り出す。顔には伍と書かれている。それを取り出したアリスは満足そうに頷き、ナーシャへと顔を向ける


ナーシャさん、意気込みを一つお願いします。



「頬を殴った方がよろしいかと!!」



アホでしたねありがとうございました。

てかナーシャ、てめぇっ…!オレが小声で話してる意味ねェじゃねぇか!



「はっ!?申し訳ありません!!」


「だから声がデケェんだョ!!!」



あ……。


オレは起こしてしまったか!?と思い、恐る恐るヒナミの方に向くと…。



「んん〜……すぅ…」



寝てたわ。危ねぇ危ねぇ…。

さて、ナーシャ、手筈通りに頼むゼ。



(御意)



ナーシャは、素早く行動に移る。

まず懐から取り出した、小さい小箱をベッドの足側に起き、軽く触れるともくもくと濃ゆい霧が出てくる。

部屋一面を霧で覆った後は、オレサマ特性のアリス目覚まし爆弾を枕元に置き、タイマーをセットする。爆発するのは5秒後。


オレとナーシャは素早くその場から飛び上がり、天井にぶら下がる。


アリス目覚まし爆弾の顔の数字が肆へと変わる。










どぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉん!!!!




部屋に鳴り響く爆発音。騒ぎ出す住民達。半壊した一室。黒焦げアフロ姿へと変貌したヒナミ。




「ケホッ……」


「おはようございますアリスです」


「ナーシャです」



どっきり大成功とプラカードを掲げるアリスと腕を組み、決めポーズをとってるナーシャ。



「……おいナーシャ。大変だゼ、こりゃ」


「……えぇ我が主。ヒナミであればここで必ずツッコミを入れる筈なのですが…」



ヒナミはそれを聞くと、アリス達に顔を向け、微笑む。



「なんか悟ったみたいな顔してんゾ…?」


「情報処理が追いついていないのです。もうおなかいっぱいなのです」


「あ、これはアカン」


「さて、2人とも…」


「いけません!我が主よ、にげ」



ナーシャはいち早く危機をかんじ、アリスに逃げるように言おうとするが------



「すまねェナーシャ…捕まっちゃったっ」



語尾に星がつきそうな喋り方をするアリスは、既に悟りを開いたヒナミにより捕縛されていた。



「可愛い…はっ!?いつの間に!?」


「黙りなさい」


「アッハイ」


「説法の時間です」



半壊した宿屋の一室で、2つの悲鳴が上がった。




ヒナミside






酒場『マリーネ』






あれから宿屋のおじさんが泣きながら追い出し、行き場をなくしたヒナミ一行。

自然と行き着く場所は、忌まわしき思い出のある酒場マリーネ。

雰囲気、料理、お酒、店員、どれも最高なのだが、そこにくる客は下品な奴らばかりだ。




「いい!?もうあんな起こし方しないこと!!」


「わぁーったよ。次は違う起こし方してやるゼ」


「するな!!」



まだ懲りないのかコイツは!?

思考顔になったアリスに呆れるヒナミ。



「聞こえてるかしら…起こしてくれるのは有難いけど、もうちょっと起こし方ってもんをね」


「次はナーシャ、お前の撫切で起こしてみるか!」


「殺す気か!?」



撫切…ダンと戦闘した時に使われた撫でるだけ相手を切る。自身を刀として使う技。人じゃ出来ない芸当ね…。


ま、それはそうとして…。



「そろそろ『冒険者ギルド』へ向かうとしようかしらね!」


「ぼーけんしゃぎるど?」


「えぇ。私が今所属している所にね!」



ふふふ、と私は内心で笑う。今朝の仕返しも込めて、私の凄さをどーん!とアピールしてやるわ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ