演目六十三:きょーふ
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アリスside
ジョーズ達冒険者を苦しめ、ナーシャが倒した男。着ている服を剥ぎ、首を失った男の遺体を調べる。
「あ、アリス?君は何をしているんだ?」
ジョーズが何故そんな事を?という顔を浮かべながらオレに尋ねる。
そんなモン、決まってんだロ。
「コイツから情報を聞くんだョ」
それを言うと、ジョーズは口を開けポカーンとした表情をした。そして、二、三回瞬きを繰り返しそんな馬鹿なと笑いながらに言う。
「物言わねェ骸でもそっから取れる情報もあんだろ…例えば…この刺青とかナ」
そう言ってオレは、男の肩に彫られた刺青を周りに見せる。林檎を咥え翼を生やした蛇の刺青。
「これを調べりゃ、敵がどんな奴か分かるだろーョ」
「す、凄いな。よくそこまで…」
ほうけた状態で呟くジョーズ。
どんな敵かわからねェんだから死体でも何でも調べるだロ…と思いながらそれに鼻でフン、と答えると遠くの方でバタバタと走る音が聞こえた。
「なんだァ?新手の敵か?」
「…総員、戦闘態勢!」
オレの呟きに反応し、すぐさまジョーズが周りの冒険者達に戦闘態勢に入らせる。ガチャガチャと音を鳴らし、辺りに緊張が走った。
「……どこからだ」
「アッチだゼ……ってこりゃぁ…」
「…ん?」
重なるように壊れた家と家の間から、土埃を上げながらこちらに向かってくる二つの人影が見えた。
「………スーー!!」
大声を発しながら何かを叫ぶ女だ。
「…リースー!!!」
だんだんと近づいてきて、ようやく人影の正体が見えてきた。
「アーリースーー!!!!!」
人影の一つは服は土埃で汚れ、髪はボサボサの状態のヒナミ。もう一つは……ってあれ?消えた…。
「ぁぁぁぁありいぃいぃすちゃぁぁぁあぁぁぁぁ!!!」
横から唐突に体を浮遊感が襲う。ボロボロの骨の鎧を纏い、甲高い声で呪詛を吐くような声音でアリスを持ち上げ狂ったような笑いをあげる。
「くひひひひぃぃぃ!あぁぁぁりいぃぃすぅぅちゃぁぁぁあ!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?!?」
「化け物だぁぁぁぁぁ!!??」
「おかあさぁぁぁぁん!?」
阿鼻叫喚。真っ先に悲鳴を上げたのはジョーズである。そこから広がり、一つの戦闘が終わったその場に再び恐怖が戻ってきた。別の意味で…。




