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不思議アリスは人形使い  作者: ワンコ
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演目六十:赤いフードの男

こんにちわ!


今日から令和になりましたねぇ。なんか昨日から物凄い年明け感がある感じになっちゃってる( ˘ᾥ˘ )


令和関係ないけど、サイバーハンターおもしろいですねあれ!\\\\ꐕ ꐕ ꐕ////めっちゃバイク好きなんやけど…乗り回すの楽し!

ジョーズside



崩れた瓦礫を必死に掻き分け、一人でも多くの者を救うためギルド総出で人命救助にあたる。崩れた建物がぶつかり合って助かった者、親がいなくなったと泣く子供、愛する者が死んだと嘆く者…助けた方より助けられなかった方が多い。

くそっ!なんでこんなことに…。



「マスター!!こっちはもうダメだ…見つけた人達全員ともよ…」


「…悩む暇なんてないな…。わかった!お前達は残ってその人たちを引き上げ、手厚く介抱しろ!せめてもの手向けだ。後の者は私に続け!」


『おぉぉぉぉ!!!!』



まだ助けられる。まだ終わってはいない。



「…生存者発見!!でかい瓦礫の下敷きになってます!!どなたか手伝いを!!」



新人のギルド員である彼が生存者を発見したと声を上げる。体に傷をつけ、汗と土で汚れた彼は必死の形相で瓦礫をどかそうとしている。



「私が行こう!!」



その彼に走って近づき、一緒になって瓦礫を持ち上げる。グッと力を込め瓦礫を上に、パラパラと小石や土煙をまい、その下には仰向けに倒れている男性がいた。見たところ外傷はなさそうだが苦しそうに呻いている。



「おい!しっかりしろ!!助けに来たぞ!!」



ギルド員が必死に声をかけ、男はァァ…と小さく声をこぼすだけだった。男を救出するために人を呼び運んで貰う。

一人助けられた…次は!



「すまねぇ!こっちに骨折して動けない人がいる!誰か治癒を!!」


「こっちにもいるぞ!!」


「急げえ!」



矢継ぎ早に救助と治癒要請が飛び交う。そんな中、一人のギルド員が呆然と立ち止まり遠くを見つめている。私は早足にそいつに近付き怒鳴り声を上げる。



「貴様!何をボーっと突っ立っている!?急いで救援に………お、おい?」



近くで怒鳴ったのだが、一向に反応を示さないギルド員に不思議に思ったジョーズは彼の肩を触る。



グラッ…ぼとっ…。



彼の体は糸の切れた人形のように倒れ、首が外れコロコロと転がって行った。首を亡くした体からは赤い血飛沫が地面を真っ赤に染め上げた。



「!!??…総員戦闘態勢ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」



はち切れんばかりに声を上げる私に、ほかの面々は戸惑いながらも冒険者としての習性で剣や槍、ハンマーなどを構える。



「い、一体どうしたんでぇ!?マスター!」


「敵襲だ!!民間人を最優先保護対象!他は魔法を用いて索敵に当たれ!!」



指示を受けた冒険者達は皆口々に詠唱を唱える。



『地に聞く、我に害なす敵を見つけよ』



大地に橙色の波紋を立て、見えぬ敵を見つけるための魔法が発動された。

索敵魔法…さらにこの大人数でやる事で効果は倍増。決して逃げる事は不可能…だが…、どうやって私達が気づかずに彼を殺すことが出来たのだ!?



「!…マスター!発見しました!!」



結果報告はすぐに来た。まだ遠くには逃げてはおれんだろうからな。

しかし、索敵している者達はみな顔を顰めている。



「な、なんだこれは…!?」


「動きがとらえきれねぇ!?」


「有り得ないわ!?」



声を荒らげ、叫ぶ彼ら。一体何が見えて…?



「どうした!?」


「マスター!こりゃ、人間の出来る動きじゃねぇぞ!!」


「色んなところに出現してるの!!絶対に一足で行けないような場所に一瞬で現れたり…」



な、なんだそれは…。



「そんなものは人間では…」


「!?マスター!!マスターう」


『いやぁ…人間、極めればこんな動きだって出来るようになるさ』



突如、後ろから男の囁く声が聞こえた。それと同時にとんでもない殺気も襲ってくる。

私は無意識のうちに二本の大剣を抜く…。



ガキィイン!!



途中で、強い衝撃が指先から手首にまで伝わった。



『驚いた。この俺の技を見切るとは』



二本の大剣から伝わる、相手の剣の形状が見えてきた。長く鋭い、細い一振の剣。東方の地より伝わる確か…カタナと呼ばれるもの。

偶然、抜く動作によって首をはねられることを防いだ。冷や汗が止まらない…。

ばっ、と後ろを勢いよく振り返るがそこには人はもういない。



『遅いねえ…そんなんじゃ明日になっちゃうぜ?ま、あんたらはここで死ぬから明日はねぇんだがよ』



今度は前から声が聞こえる。恐る恐る振り向くと、今度はちゃんとそこにいた。赤いフードを被り片手で細長い剣…カタナをだらんと下げて持っている男がこちらを見ながら呟く。フードの影で顔は見えないが、チラリと見えた瞳からは轟々と燃え上がる炎の揺らめきが垣間見えた。

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