演目五十四:合体
ブクマありがとうございます!!
なかなか進まない_(:3 」∠)_
キャミーside
荒れ狂う爆風に身を竦め、何とか飛ばないよう耐える。風に目を奪われる中うっすらと見えた、私の目の前で仁王立ち立ち、暴風をものともしないヒナミ。ヒナミが前にいてくれるお陰でだいぶ風圧は抑えられてるけど…。
「ケホッ…流石ヒナミね、やったの?」
アレだけの威力だ。あの巨体人形もさすがに木っ端微塵とは行かなくても崩壊ぐらいはいってるんじゃないかしら?
「いや、まだよ」
ヒナミは巨大人形から顔を逸らさずに、真っ直ぐと睨みつけたまま愚痴を零す。
「くそっ!今ので倒れてくれたら楽だったのに!!」
着弾し爆発した巨大人形は何事もなかったようにその場に留まっている。今の攻撃のお陰で光線を放つ事を停止しているみたいだ。胴体に付いている複数の目玉が攻撃の出処を探しており、ヒナミのメリーさんを見つけた瞬間、巨体人形は経路を変えて一直線にメリーさん目掛けゆっくりと進み出した。
「これは…街の被害が少なくなるから喜ぶべきだろうけど……今はそんな気出せる訳ないわよね!!しゃれこうべ!!!」
ズドォォォォォォォォォォォォォン!!!
紫煙を撒き散らして現れた巨大なしゃれこうべ。窪んだ眼の中に紅い光が怪しく灯る。
「さぁ、しゃれこうべ。メリーさんに協力してアイツをぶっ飛ばしましょう!!」
ヒナミside
「紫煙?…んキャミーのしゃれこうべね!」
まだ敵の距離とだいぶ空いてるから時間はあるけど無限って訳じゃない…。
………!やった事ないけど、アリスならこういう時は"アレ"やってたわよね。
私をメリーさんを見つめ一つ頷く。
「キャミー!!しゃれこうべをメリーさんに合わせて!」
アリスが必殺として使う合体技…!あの人形達の動きは違えど行ける!
「おーけー!お姉さん張り切っちゃうわよ!」
「よっし、いくわよ!!『メリーさん!フォルムチェンジ!!武装モード!!!』」
まずはメリーさんを巨大化のまま武装モードにチェンジ。赤いゴシック甲冑を見に纏い、右手にランスを握る。
「しゃれこうべ、メリーさんに纏いなさい!『憑依無双』」
続けてキャミーのしゃれこうべ。しゃれこうべは身体を透過させ武装メリーさんに背中から抱きつく。その体は徐々に武装メリーさんに浸食していき、武装メリーさんの新たなるモードか現れた。
「初めてにしちゃ、なかなかいい造形が出来たわね!」
「ヒナミの言う造形美やアートは私にはイマイチわかんないけど、とりあえず凄そうなのが出来たわ」
赤い魔力は消え、今度は紫色の魔力を体から放出させながらゴシック甲冑は所々で破れ、壊れている。メリーさんの顔が左半分は剥き出しの髑髏になっており、骨となっていない右半分の右目からはどす黒い血が零れ落ちている。そして、ランスを握る右手は指先から肩にかけるまで骨となっている。
「んー、名前は『朽ち果てのメリーさん』にしよう!」
武装モードからチェンジ、朽ち果てのメリーさんと成ったメリーさんは嬉しそうにランスを右手でブンブンと振り回す。
「さぁ、お披露目と行きましょう!『朽ち果てのメリーさん!死々奮迅!!』」
朽ち果てのメリーさんが巨大人形に向かって歩く。歩くたびに紫色の魔力が髑髏模様の蝶となり飛んでいく。そしてついに…。
巨大人形と朽ち果てのメリーさんが衝突。巨体な人形バトルが始まる。




