演目四十二:出会いは突然に③
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ヒナミside
全身真っ黒コーデの男は飄々とした態度で歩く。男は私の目の前まで来ると、私を見下ろし…身長デカっ!私の身長より頭三個分くらいデカいわね…。
男が口を開く。
「問う。貴様が店主か?」
えぇぇぇぇ!?なんか私に話しかけて来たんですけど!?私お客様なんだけどぉぉぉ!!
「そうです」
面白くなりそうだから乗ってみたわ。
「えっ!?ちょ、店長はボクなんだけど!?」
後ろで黒アリスが慌ててるのを聞くだけで私は満足だ。遊びはこれくらいにして…っと。
「ふふ。ごめんなさい、実は」
「貴様が店主か!そうかそうか…では店主よ。この俺の嫁になれ!!」
「ふぁっ!?」
よ、嫁!?バッカじゃないのこいつ!!
「貴様の作るその魔服とやらはどれも一流。世の上級冒険者達が喉から手が出るほど欲しいという魔服。製法は誰も知らず、神秘に満ち溢れている。それに、かの竜種最強の一角…ファフニールのブレスをも防いだと言われている」
……ファフニールのブレスを防いだですって!?めちゃめちゃ凄いじゃないの!!
「ふぁふにーる?」
「主よ…ファフニールとは、この世界で頂点の一つとされている竜種の一体でその中でも群を抜いて強いと言われてる竜にございます。数々の伝説を地方に残しているそうです」
「ヘェ…面白そうじゃねェか」
後ろでファフニールの説明を受けていたアリスが、聞き終えたと同時に獰猛な笑みを浮かべる。
「ですが、そのファフニール…。散々暴れまくった後は、どこかの山の奥深くで眠りについたそうです」
「なにぃ!?」
なにぃ!?じゃないわよ!ファフニールが眠ってなかったら行くつもりだったの!?
「………て…だな」
私は行かないわよ!そんな無茶は流石に。
「………お…か!」
流石のあんたでも…ってさっきからうるさいわね!!
「聞いているのか嫁よ!!」
全身真っ黒コーデの男がまだ私に話しかけていたみたいだったてか嫁確定されてるぅぅぅぅ!!!
「やはり式は、我が屋敷にて行うべきだろうな!そうだろう!」
ひぃぃぃぃぃ!!しかも式まで進んでるぅぅぅぅ!!
「なんだ?聞いてなかったのか?ならば、我が屋敷でこの話をもう一度聞かせてやろう!こい!!」
「いたっ…ちょっと!」
男が私の腕を乱暴に掴み、扉の方へと引っ張る。私は離そう相手の手を掴むが離れない。
このっ!力強いっての!!
「ん?なんだ、俺の手を握りたいのか?はっはっは!愛いヤツめ!だがそれはちとまて」
違う!!そうじゃない!!離せぇぇ!!
私はこうなったら、と思いアリスの方へと振り向く…………が。
鼻血を吹き出し倒れているナーシャとカルラ、局部を抑え青ざめた表情で倒れ伏す店員A、驚いた表情でアリスと黒アリスが口付け…キスをしていた。
ど う し て そ う な っ た 。
それを見た私の体は力が抜け、そのまま真っ黒男に連れていかれた。




