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不思議アリスは人形使い  作者: ワンコ
30/65

演目三十:修行②

ブクマありがとうございます!


ヒナミside



「行くわよメリーさん!『メリーさん!フォルムチェンジ!!』」



メリーさんは通常サイズのまま、赤い魔力を纏い赤い甲冑を装備する。手には身の丈以上のランスを握っている。



「まずは切り離すわよ!!『武装メリーさん!敵兵を引き裂きなさい!!』」



武装メリーさんは、少し前かがみになり、瞬間、物凄い速さ、目にも止まらぬスピードで掛けて行った。地面は割れ、通った後の地面は全て抉れている。



「ヘェ…中々のスピードじゃねェか。だが!」



アリスは人形を操る。手を繋いだ状態の弁天と月音がメリーさんの前に出る。



「ちっ!『武装メリーさん!そのまま押し切りなさい!!』」



無音のままぶつかり合う吸収の能力と、武装メリーさんのランス。

吸収の能力は、ランスの威力、速度、音まで吸収した。しかし、武装メリーさんの乱舞は休むことを知らない。どんなに吸収されようとも次には同じ威力、速度で放たれる。人ではない故に出来る技、無限乱舞。



「………」


「………へへ」



しかし、なんだろう。少し違和感があるな、あの吸収の能力。武装メリーさんのランスが当たる前、というより当たった後に発動しているような気がする。

……物は試しね。



「一か八か…!『武装メリーさん!サークルランサー!!』」



武装メリーさんは、打ち合っていたのを止め、ランスを手放す。ランスはメリーさん自身の周りに円を描くように回転する。



「……ほう」



アリスはニヤニヤとした笑みを浮かべる。

ふふ…食らうか分からないけど貴方がその顔をするのも今のうちよ!!



「終わりにしましょう!!『武装メリーさん!奥義!!』」



武装メリーさんは、サークルランサーを従えたまま、弁天と月音の前に躍り出る。キュィィィと、劈くような音が鳴り響く。



「『一角突き!!!』」



その言葉と同時に武装メリーさんの攻撃は終わっていた。

回っていたはずのランスは今はしっかりと、武装メリーさんの両手に収まっており、貫いた状態でいる。辺りに静寂が戻る。アリスは眼を全開に開き、驚きで声も出ないようだ。



ドサッ……。



近くで何かが落ちた音が聞こえた。アリスはゆっくりと音のした方へ顔を向ける。そこには、弁天と月音の手だったであろう部分が落ちていた。それは原型を止めておらず、ぐちゃぐちゃの塊と化していた。



「……やるねェ。人形を引き剥がすんじゃなくて、まさか能力が発動する前に潰すなんてョ。とんでもねェ速度だナ」



そう言って彼はくっくっと笑う。そして、笑うのを止めると、頷きながら次のことを口にする。



「第一段階はクリアだナ。次は…!」



片方ずつの手が壊れた弁天と月音。それらを自分の元へ引き戻し操っていた糸を切り離すと、アリスは両手で一回、柏手を打ち、地面に両手を着く。

ぽふんと可愛らしい音が聞こえてきたと思えば、そこには------。



「巫女狐の弁天と月音…獣化」



アリスの前で。四本足で立ち構える、二匹の狐がいた。

人の姿をしていた弁天は、すっかりと狐に成り代わり、月音は元が狐だが、二本足から四本足になった事で本来の姿に戻った形となっていた。



「第二段階、始めるゼ」



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