演目二十五:串刺し
ブクマありがとうございますシュバツ =͟͟͞͞ ( ˙꒳˙)
ヒナミside
棺を抱き、黒布を全身に纏った人形…眠り姫ヴラドの棺。この人形の周りには不気味な風が吹いていおり、黒布を悠々となびかせている。
「先手は貰うゼ!ハッ!!」
アリスは、親指と小指を曲げると。黒布はブラドへと疾走。右腕を勢いよくあげ、振り下ろす。その動きに合わせ、黒布は棺を持ち上げ、ブラドに向かい振り下ろす。
ブラドはそれを両腕でガードするも、抑えきれず潰される。
「ぐぷっ…っ!」
「ヒナミ!メリーさんに指示して、追い討ちかけナ!」
潰されたブラドを好機とみて、アリスが私に指示を飛ばし、黒布を元の位置に戻した。
「了解!!『メリーさん!縮小!!勾魂砲!!!』」
縮小の指示を受けたメリーさんは、山ほどあった身体を小さく縮め、元のサイズへと戻る。そして、ブラドに向け握りこぶしを作る。
「うちかたよーい!」
メリーさんは私の声に合わせ、両手に碧い魔力を纏わせる。
アリスはその様子を興味深そうに見ている。
「………てぇっ!!!」
纏わせた魔力を発射。飛んだ魔力は軌跡を残して潰れ伏したブラドに直撃。
ドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!
大爆発。炎は碧く、真上と伸びていく。
「フハハハハハ!!!見なさい!!これがメリーさんの砲撃の威力よ!!!」
高笑いする私に、おー、と目をキラキラさせ手を叩いているアリス。それを見て、更に機嫌を良くする私であった。
カラッ…。
「………むっ」
「存外…しぶといねぇ」
「少しばかり…本気でやるとしましょう…」
何かに感づいたアリス、ナーシャ、カルラ。未だに立ち上っている碧い炎を睨んでいる。
「…どうしたの?」
「ヒナミぃ…まだ生きてるっぽい」
「はっ!?…嘘でしょ…?メリーさんの勾魂砲を食らったのよ…?それで生きてられるわけなんて…!」
アレを食らって生きてられるなんて…っ!
「しかもなんかアレだな、第二形態とか言うやつかナ?さっきまでと雰囲気が違いすぎるゼ」
「第二形態!?」
「みたいだナ…うん。ナーシャ、カルラ!ヒナミに付いとけ!!こっからオレサマの開演の時間ダ…」
「「御意!」」
アリスの顔付きが変わる。今までで見た事のないような顔だ。
こんな顔も出来るんだ…っ!?
「ワガハイ、ワガハイ…フメツ…サイキョウ!!」
炎を消し飛ばし、中から全身を紫色に染めたブラドが現れた。
ブラドは二、三度辺りを見渡してから、アリスを見付けると、宣告をする。
「ワガハイニ、キズヲ、イレタモノ。イカシテ、カエサズ、殺す」
片言喋りから流暢に喋ったブラドは、その場から消える。
カァンッ!!!!
何かがぶつかり合う音が聞こえた。咄嗟にアリスの方を見ると、黒布が棺を使い盾にし、ブラドが腕を振り抜いた姿があった。
「アリっ!!」
「ここでは我が主の邪魔になる。この場から離れるぞ」
「でもっ!」
「いいから行くぜ!」
文句を言う前に、私は遠くへと運ばれた。
そこは、何にもない崖の上。見渡しがよく、アリスとブラドの戦闘が良く見えた。
「ここならば、問題ない。ヒナミ、しかと見ておけ」
ナーシャはそう言うと後で手を組み、じっと戦闘を見つめ、カルラはどかっと地べたに座り込み、観戦している。
この人達は…もぅ。
アリスside
身体全身を激しく動かし、全指を稼働させ、ブラドの攻撃を防ぐ。隙を見て攻撃を繰り出すも、速さでは向こうの方が一歩リードしてるみたいだ。
「チッ…メンドクセェ…」
「それはこちらのセリフでもある」
「んだおめェ…ちゃんと喋れるんじゃねェか…」
紫色に染まった腕で組み、見下した顔で喋るブラド。
「まぁいいや…。ヒナミ達は…あっこか」
「仲間の心配か?安心しろ、すぐに貴様の後を追わせてやる」
「へへっ。そいつは…どうか、ナっ!!!」
オレはヴラドの仕込みを一つ解放する。
「音の魂…震えて潰れナ」
ヒナミside
棺を抱き、黒布を全身に纏った人形…眠り姫ヴラドの棺。この人形の周りには不気味な風が吹いていおり、黒布を悠々となびかせている。
「先手は貰うゼ!ハッ!!」
アリスは、親指と小指を曲げると。黒布はブラドへと疾走。右腕を勢いよくあげ、振り下ろす。その動きに合わせ、黒布は棺を持ち上げ、ブラドに向かい振り下ろす。
ブラドはそれを両腕でガードするも、抑えきれず潰される。
「ぐぷっ…っ!」
「ヒナミ!メリーさんに指示して、追い討ちかけナ!」
潰されたブラドを好機とみて、アリスが私に指示を飛ばし、黒布を元の位置に戻した。
「了解!!『メリーさん!縮小!!勾魂砲!!!』」
縮小の指示を受けたメリーさんは、山ほどあった身体を小さく縮め、元のサイズへと戻る。そして、ブラドに向け握りこぶしを作る。
「うちかたよーい!」
メリーさんは私の声に合わせ、両手に碧い魔力を纏わせる。
アリスはその様子を興味深そうに見ている。
「………てぇっ!!!」
纏わせた魔力を発射。飛んだ魔力は軌跡を残して潰れ伏したブラドに直撃。
ドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!
大爆発。炎は碧く、真上と伸びていく。
「フハハハハハ!!!見なさい!!これがメリーさんの砲撃の威力よ!!!」
高笑いする私に、おー、と目をキラキラさせ手を叩いているアリス。それを見て、更に機嫌を良くする私であった。
カラッ…。
「………むっ」
「存外…しぶといねぇ」
「少しばかり…本気でやるとしましょう…」
何かに感づいたアリス、ナーシャ、カルラ。未だに立ち上っている碧い炎を睨んでいる。
「…どうしたの?」
「ヒナミぃ…まだ生きてるっぽい」
「はっ!?…嘘でしょ…?メリーさんの勾魂砲を食らったのよ…?それで生きてられるわけなんて…!」
アレを食らって生きてられるなんて…っ!
「しかもなんかアレだな、第二形態とか言うやつかナ?さっきまでと雰囲気が違いすぎるゼ」
「第二形態!?」
「みたいだナ…うん。ナーシャ、カルラ!ヒナミに付いとけ!!こっからオレサマの開演の時間ダ…」
「「御意!」」
アリスの顔付きが変わる。今までで見た事のないような顔だ。
こんな顔も出来るんだ…っ!?
「ワガハイ、ワガハイ…フメツ…サイキョウ!!」
炎を消し飛ばし、中から全身を紫色に染めたブラドが現れた。
ブラドは二、三度辺りを見渡してから、アリスを見付けると、宣告をする。
「ワガハイニ、キズヲ、イレタモノ。イカシテ、カエサズ、殺す」
片言喋りから流暢に喋ったブラドは、その場から消える。
カァンッ!!!!
何かがぶつかり合う音が聞こえた。咄嗟にアリスの方を見ると、黒布が棺を使い盾にし、ブラドが腕を振り抜いた姿があった。
「アリっ!!」
「ここでは我が主の邪魔になる。この場から離れるぞ」
「でもっ!」
「いいから行くぜ!」
文句を言う前に、私は遠くへと運ばれた。
そこは、何にもない崖の上。見渡しがよく、アリスとブラドの戦闘が良く見えた。
「ここならば、問題ない。ヒナミ、しかと見ておけ」
ナーシャはそう言うと後で手を組み、じっと戦闘を見つめ、カルラはどかっと地べたに座り込み、観戦している。
この人達は…もぅ。
アリスside
身体全身を激しく動かし、全指を稼働させ、ブラドの攻撃を防ぐ。隙を見て攻撃を繰り出すも、速さでは向こうの方が一歩リードしてるみたいだ。
「チッ…メンドクセェ…」
「それはこちらのセリフでもある」
「んだおめェ…喋れるんじゃねェか…」
紫色に染まった腕で組み、見下した顔で喋るブラド。
「まぁいいや…。ヒナミ達は…あっこか」
「仲間の心配か?安心しろ、すぐに貴様の後を追わせてやる」
「へへっ。そいつは…どうかナ?眠り姫ヴラドの棺…仕込み解放!」
オレは仕込み解放のため、人差し指と薬指の第一関節を曲げる。
黒布はそれに合わせ、身体を震わす。黒布から黒い霧を噴出。キラキラと暗闇を輝く中、赤い光がポツポツと現れる。
赤い光はやがて、ブラドの周りを覆うと、暗闇が消える。そして現れたのは------。
「むぅ!?これは…!」
剣、槍、斧、弓、棍、など色々な武器を構えた髑髏の群れだった。赤い光は、その髑髏の眼球に灯った光であった。
「この眠り姫ヴラドの棺には、仕込みが二つしかない」
オレは左手を後に、右手を前に構える。
「だが。それ故に強力。この髑髏の群れは皆一つ一つ、ヴラドと同様の力を持っている…。この黒布が放つ黒い霧がある限り、髑髏の軍勢は止まらないゼ!!」
言葉と同時に両手をクロスさせ、U字をかくように広げる。
それに合わせ、動き出す髑髏の軍勢。
「ぬぅぅ!!やりおるわ小娘ぇぇぇぇ!!!」
ブラドは全身に力を込め、髑髏の軍勢に立ち向かう。
全力の攻撃を繰り出し、髑髏の軍勢を潰していく。
「ぬははははははは!!!我輩を止めるものなぁぁぁぁぁぁぁぁあしぃ!!!」
「ハーハッハッハ!!やるじゃあねェか!!!あと小娘じゃねぇ!!」
軍勢を操るアリス、体一つで対抗するブラド。
どちらも引かぬ戦いである。
「チッ…これじゃ、キリがねェぜ…。最大仕込み、行くか」
「何を考えているかは知らぬが、それもまた我輩を殺すことは無理であぁぁぁぁるぅぅ!!!」
アリスの独り言を聞き取ったブラドは、声高らかに叫ぶ。
声のうるささに、顔をしかめ、アリスはヴラドの解放を行うことにした。
「そーかぃ…なら、後悔すんなョ!!こいつは、オレサマの意思じゃ止まらねェかナ!!」
そう言い、アリスは中指と小指の第一関節を曲げ、その次に第二関節を曲げる。
すると、黒い霧はだんだんと赤く変わる。赤く、紅く、朱く、緋く------。
「眠り姫ヴラドの棺…最大仕込み解放!」
声と同時に、棺が勢いよく開く。
バァンッ!!
開かれた棺の中は暗く外からでは見えない。そして、中から白く細長い手が出てくる。手は棺の端を掴むと、ググッと力を込め出す。ゆっくり、ゆっくりと棺の中にいた者の姿が全貌する。
キラキラと輝く絹のような長い銀髪、目には包帯を巻かれており、肌は白く、しなやかななくびれをもっている。手足はすらっとしており、爪は鋭利な程に尖っていた。衣類は胸元と局部だけしか隠されてなかった。
アリスはヴラドに糸を伸ばすと、カタカタと操り人形特有の音が聞こえてくる。
「『串刺し姫ヴラド』…処刑を開始する」
オレは左手を前に突き出す。
「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
ヴラドは笑いながら空を回転しながらブラドへと突撃する。
「ぬぅぅ…!ぐはっ!?」
ブラドは防ごうとするが、それをも超える力で防御を貫いていくヴラド。
「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!あなた…弱いわね」
「!?」
ダメージを受けながら、動揺するブラド。それもそうだ、いきなり人形が喋ったのだから。
「きっ、貴様!?それは本当に人形か!?」
荒い息を吐きながら、ブラドは叫ぶ。
「人形だョ?」
「ありえるか!!操り人形が喋るなど!!ましてや人形が我輩の防御を貫くなどありえないのだよ!!!!」
「それはお前の防御が弱かっただけなんじゃねェの?それに、こいつはちと、特別でナ…オレでも手を焼くんだゼ?」
「あら?それはひどいじゃない…」
「!?」
アリスとブラドの会話に、ヴラドが割り込む。それに驚いたブラドは、開いていた距離を更に離す。
「あらあら、嫌われたものね」
「お前の美しさ、芸術性を理解できない馬鹿には分からねぇョ」
「ふふふ」
「…さて、そろそろ仕上げに入ろうかナ…」
「えぇ、そうね」
アリスは右手を頭上へ、手のひらを上に見せるように開く。
すると、ヴラドの身体が分離していく。一人、二人と、増えていき、最大で五体にまで増えた。
五体のヴラドはそのまま、ブラドの方まで飛んで行くと、ブラドの周りを旋回する。それに警戒をするブラドだが…。
「どんな戦闘も策も…このヴラドの前に意味は無い。どれも皆、最後は呆気ない終わりダ…」
旋回してたヴラドは、急速に加速し、ブラドに突き刺さる様に突貫した。
「っ!…ごふ」
一つ、二つ、三つ、四つ、五つ。様々な形状をした槍を突き刺したヴラド。その槍には文字が掘られており、不思議な魔力を放っていた。
「なっ、なんなのだ!こぉっ、これはぁぁぁ!!??」
「様々な効果を施した槍だゼ?特別にくれてやル」
五本の槍が突き刺さったブラド身体は、だんだんと朽ちていく。
手から、顔から、至る所から肉が落ちていく。
「おおぉぉぉのれぇぇぇぇぁぁぁぁ!!!」
「きゃァァァァァァァァァァ!?」
最後の抵抗だろうか、ブラドは突き刺さった槍を抜き五体のヴラドを切り裂く。
「ぐはははははは!!ただでは死なぬぞおぉ!!みちづ…れ」
五体のヴラドを切り殺したブラドは、アリスの方を見て、固まる。
そこには、自分をどこか冷めた表情で見つめるアリスと、そのアリスに抱きつく先程まで自分が殺したはずの……ヴラドがいた。
「そん……あり…えな…………」
そう言葉を残し、ブラドは死んでいった。
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