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不思議アリスは人形使い  作者: ワンコ
25/65

演目二十五:串刺し

ブクマありがとうございますシュバツ =͟͟͞͞ ( ˙꒳˙)

ヒナミside



棺を抱き、黒布を全身に纏った人形…眠り姫ヴラドの棺。この人形の周りには不気味な風が吹いていおり、黒布を悠々となびかせている。



「先手は貰うゼ!ハッ!!」



アリスは、親指と小指を曲げると。黒布はブラドへと疾走。右腕を勢いよくあげ、振り下ろす。その動きに合わせ、黒布は棺を持ち上げ、ブラドに向かい振り下ろす。

ブラドはそれを両腕でガードするも、抑えきれず潰される。



「ぐぷっ…っ!」


「ヒナミ!メリーさんに指示して、追い討ちかけナ!」



潰されたブラドを好機とみて、アリスが私に指示を飛ばし、黒布を元の位置に戻した。



「了解!!『メリーさん!縮小!!勾魂砲!!!』」



縮小の指示を受けたメリーさんは、山ほどあった身体を小さく縮め、元のサイズへと戻る。そして、ブラドに向け握りこぶしを作る。



「うちかたよーい!」



メリーさんは私の声に合わせ、両手に碧い魔力を纏わせる。

アリスはその様子を興味深そうに見ている。



「………てぇっ!!!」



纏わせた魔力を発射。飛んだ魔力は軌跡を残して潰れ伏したブラドに直撃。



ドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!



大爆発。炎は碧く、真上と伸びていく。



「フハハハハハ!!!見なさい!!これがメリーさんの砲撃の威力よ!!!」



高笑いする私に、おー、と目をキラキラさせ手を叩いているアリス。それを見て、更に機嫌を良くする私であった。



カラッ…。




「………むっ」


「存外…しぶといねぇ」


「少しばかり…本気でやるとしましょう…」



何かに感づいたアリス、ナーシャ、カルラ。未だに立ち上っている碧い炎を睨んでいる。



「…どうしたの?」


「ヒナミぃ…まだ生きてるっぽい」


「はっ!?…嘘でしょ…?メリーさんの勾魂砲を食らったのよ…?それで生きてられるわけなんて…!」



アレを食らって生きてられるなんて…っ!



「しかもなんかアレだな、第二形態とか言うやつかナ?さっきまでと雰囲気が違いすぎるゼ」


「第二形態!?」


「みたいだナ…うん。ナーシャ、カルラ!ヒナミに付いとけ!!こっからオレサマの開演の時間ダ…」


「「御意!」」



アリスの顔付きが変わる。今までで見た事のないような顔だ。

こんな顔も出来るんだ…っ!?



「ワガハイ、ワガハイ…フメツ…サイキョウ!!」



炎を消し飛ばし、中から全身を紫色に染めたブラドが現れた。

ブラドは二、三度辺りを見渡してから、アリスを見付けると、宣告をする。



「ワガハイニ、キズヲ、イレタモノ。イカシテ、カエサズ、殺す」



片言喋りから流暢に喋ったブラドは、その場から消える。



カァンッ!!!!



何かがぶつかり合う音が聞こえた。咄嗟にアリスの方を見ると、黒布が棺を使い盾にし、ブラドが腕を振り抜いた姿があった。



「アリっ!!」


「ここでは我が主の邪魔になる。この場から離れるぞ」


「でもっ!」


「いいから行くぜ!」



文句を言う前に、私は遠くへと運ばれた。



そこは、何にもない崖の上。見渡しがよく、アリスとブラドの戦闘が良く見えた。



「ここならば、問題ない。ヒナミ、しかと見ておけ」



ナーシャはそう言うと後で手を組み、じっと戦闘を見つめ、カルラはどかっと地べたに座り込み、観戦している。

この人達は…もぅ。





アリスside



身体全身を激しく動かし、全指を稼働させ、ブラドの攻撃を防ぐ。隙を見て攻撃を繰り出すも、速さでは向こうの方が一歩リードしてるみたいだ。



「チッ…メンドクセェ…」


「それはこちらのセリフでもある」


「んだおめェ…ちゃんと喋れるんじゃねェか…」



紫色に染まった腕で組み、見下した顔で喋るブラド。



「まぁいいや…。ヒナミ達は…あっこか」


「仲間の心配か?安心しろ、すぐに貴様の後を追わせてやる」


「へへっ。そいつは…どうか、ナっ!!!」



オレはヴラドの仕込みを一つ解放する。



「音の魂…震えて潰れナ」



ヒナミside



棺を抱き、黒布を全身に纏った人形…眠り姫ヴラドの棺。この人形の周りには不気味な風が吹いていおり、黒布を悠々となびかせている。



「先手は貰うゼ!ハッ!!」



アリスは、親指と小指を曲げると。黒布はブラドへと疾走。右腕を勢いよくあげ、振り下ろす。その動きに合わせ、黒布は棺を持ち上げ、ブラドに向かい振り下ろす。

ブラドはそれを両腕でガードするも、抑えきれず潰される。



「ぐぷっ…っ!」


「ヒナミ!メリーさんに指示して、追い討ちかけナ!」



潰されたブラドを好機とみて、アリスが私に指示を飛ばし、黒布を元の位置に戻した。



「了解!!『メリーさん!縮小!!勾魂砲!!!』」



縮小の指示を受けたメリーさんは、山ほどあった身体を小さく縮め、元のサイズへと戻る。そして、ブラドに向け握りこぶしを作る。



「うちかたよーい!」



メリーさんは私の声に合わせ、両手に碧い魔力を纏わせる。

アリスはその様子を興味深そうに見ている。



「………てぇっ!!!」



纏わせた魔力を発射。飛んだ魔力は軌跡を残して潰れ伏したブラドに直撃。



ドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!



大爆発。炎は碧く、真上と伸びていく。



「フハハハハハ!!!見なさい!!これがメリーさんの砲撃の威力よ!!!」



高笑いする私に、おー、と目をキラキラさせ手を叩いているアリス。それを見て、更に機嫌を良くする私であった。



カラッ…。




「………むっ」


「存外…しぶといねぇ」


「少しばかり…本気でやるとしましょう…」



何かに感づいたアリス、ナーシャ、カルラ。未だに立ち上っている碧い炎を睨んでいる。



「…どうしたの?」


「ヒナミぃ…まだ生きてるっぽい」


「はっ!?…嘘でしょ…?メリーさんの勾魂砲を食らったのよ…?それで生きてられるわけなんて…!」



アレを食らって生きてられるなんて…っ!



「しかもなんかアレだな、第二形態とか言うやつかナ?さっきまでと雰囲気が違いすぎるゼ」


「第二形態!?」


「みたいだナ…うん。ナーシャ、カルラ!ヒナミに付いとけ!!こっからオレサマの開演の時間ダ…」


「「御意!」」



アリスの顔付きが変わる。今までで見た事のないような顔だ。

こんな顔も出来るんだ…っ!?



「ワガハイ、ワガハイ…フメツ…サイキョウ!!」



炎を消し飛ばし、中から全身を紫色に染めたブラドが現れた。

ブラドは二、三度辺りを見渡してから、アリスを見付けると、宣告をする。



「ワガハイニ、キズヲ、イレタモノ。イカシテ、カエサズ、殺す」



片言喋りから流暢に喋ったブラドは、その場から消える。



カァンッ!!!!



何かがぶつかり合う音が聞こえた。咄嗟にアリスの方を見ると、黒布が棺を使い盾にし、ブラドが腕を振り抜いた姿があった。



「アリっ!!」


「ここでは我が主の邪魔になる。この場から離れるぞ」


「でもっ!」


「いいから行くぜ!」



文句を言う前に、私は遠くへと運ばれた。



そこは、何にもない崖の上。見渡しがよく、アリスとブラドの戦闘が良く見えた。



「ここならば、問題ない。ヒナミ、しかと見ておけ」



ナーシャはそう言うと後で手を組み、じっと戦闘を見つめ、カルラはどかっと地べたに座り込み、観戦している。

この人達は…もぅ。





アリスside



身体全身を激しく動かし、全指を稼働させ、ブラドの攻撃を防ぐ。隙を見て攻撃を繰り出すも、速さでは向こうの方が一歩リードしてるみたいだ。



「チッ…メンドクセェ…」


「それはこちらのセリフでもある」


「んだおめェ…喋れるんじゃねェか…」



紫色に染まった腕で組み、見下した顔で喋るブラド。



「まぁいいや…。ヒナミ達は…あっこか」


「仲間の心配か?安心しろ、すぐに貴様の後を追わせてやる」


「へへっ。そいつは…どうかナ?眠り姫ヴラドの棺…仕込み解放!」



オレは仕込み解放のため、人差し指と薬指の第一関節を曲げる。

黒布はそれに合わせ、身体を震わす。黒布から黒い霧を噴出。キラキラと暗闇を輝く中、赤い光がポツポツと現れる。

赤い光はやがて、ブラドの周りを覆うと、暗闇が消える。そして現れたのは------。



「むぅ!?これは…!」



剣、槍、斧、弓、棍、など色々な武器を構えた髑髏の群れだった。赤い光は、その髑髏の眼球に灯った光であった。



「この眠り姫ヴラドの棺には、仕込みが二つしかない」



オレは左手を後に、右手を前に構える。



「だが。それ故に強力。この髑髏の群れは皆一つ一つ、ヴラドと同様の力を持っている…。この黒布が放つ黒い霧がある限り、髑髏の軍勢は止まらないゼ!!」



言葉と同時に両手をクロスさせ、U字をかくように広げる。

それに合わせ、動き出す髑髏の軍勢。



「ぬぅぅ!!やりおるわ小娘ぇぇぇぇ!!!」



ブラドは全身に力を込め、髑髏の軍勢に立ち向かう。

全力の攻撃を繰り出し、髑髏の軍勢を潰していく。



「ぬははははははは!!!我輩を止めるものなぁぁぁぁぁぁぁぁあしぃ!!!」


「ハーハッハッハ!!やるじゃあねェか!!!あと小娘じゃねぇ!!」



軍勢を操るアリス、体一つで対抗するブラド。

どちらも引かぬ戦いである。



「チッ…これじゃ、キリがねェぜ…。最大仕込み、行くか」


「何を考えているかは知らぬが、それもまた我輩を殺すことは無理であぁぁぁぁるぅぅ!!!」



アリスの独り言を聞き取ったブラドは、声高らかに叫ぶ。

声のうるささに、顔をしかめ、アリスはヴラドの解放を行うことにした。



「そーかぃ…なら、後悔すんなョ!!こいつは、オレサマの意思じゃ止まらねェかナ!!」



そう言い、アリスは中指と小指の第一関節を曲げ、その次に第二関節を曲げる。


すると、黒い霧はだんだんと赤く変わる。赤く、紅く、朱く、緋く------。



「眠り姫ヴラドの棺…最大仕込み解放!」



声と同時に、棺が勢いよく開く。


バァンッ!!



開かれた棺の中は暗く外からでは見えない。そして、中から白く細長い手が出てくる。手は棺の端を掴むと、ググッと力を込め出す。ゆっくり、ゆっくりと棺の中にいた者の姿が全貌する。


キラキラと輝く絹のような長い銀髪、目には包帯を巻かれており、肌は白く、しなやかななくびれをもっている。手足はすらっとしており、爪は鋭利な程に尖っていた。衣類は胸元と局部だけしか隠されてなかった。

アリスはヴラドに糸を伸ばすと、カタカタと操り人形特有の音が聞こえてくる。



「『串刺し姫ヴラド』…処刑を開始する」



オレは左手を前に突き出す。



「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」



ヴラドは笑いながら空を回転しながらブラドへと突撃する。



「ぬぅぅ…!ぐはっ!?」



ブラドは防ごうとするが、それをも超える力で防御を貫いていくヴラド。



「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!あなた…弱いわね」


「!?」



ダメージを受けながら、動揺するブラド。それもそうだ、いきなり人形が喋ったのだから。



「きっ、貴様!?それは本当に人形か!?」



荒い息を吐きながら、ブラドは叫ぶ。



「人形だョ?」


「ありえるか!!操り人形が喋るなど!!ましてや人形が我輩の防御を貫くなどありえないのだよ!!!!」


「それはお前の防御が弱かっただけなんじゃねェの?それに、こいつはちと、特別でナ…オレでも手を焼くんだゼ?」


「あら?それはひどいじゃない…」


「!?」



アリスとブラドの会話に、ヴラドが割り込む。それに驚いたブラドは、開いていた距離を更に離す。



「あらあら、嫌われたものね」


「お前の美しさ、芸術性を理解できない馬鹿には分からねぇョ」


「ふふふ」


「…さて、そろそろ仕上げに入ろうかナ…」


「えぇ、そうね」



アリスは右手を頭上へ、手のひらを上に見せるように開く。

すると、ヴラドの身体が分離していく。一人、二人と、増えていき、最大で五体にまで増えた。

五体のヴラドはそのまま、ブラドの方まで飛んで行くと、ブラドの周りを旋回する。それに警戒をするブラドだが…。



「どんな戦闘も策も…このヴラドの前に意味は無い。どれも皆、最後は呆気ない終わりダ…」



旋回してたヴラドは、急速に加速し、ブラドに突き刺さる様に突貫した。



「っ!…ごふ」



一つ、二つ、三つ、四つ、五つ。様々な形状をした槍を突き刺したヴラド。その槍には文字が掘られており、不思議な魔力を放っていた。



「なっ、なんなのだ!こぉっ、これはぁぁぁ!!??」


「様々な効果を施した槍だゼ?特別にくれてやル」



五本の槍が突き刺さったブラド身体は、だんだんと朽ちていく。

手から、顔から、至る所から肉が落ちていく。



「おおぉぉぉのれぇぇぇぇぁぁぁぁ!!!」


「きゃァァァァァァァァァァ!?」



最後の抵抗だろうか、ブラドは突き刺さった槍を抜き五体のヴラドを切り裂く。



「ぐはははははは!!ただでは死なぬぞおぉ!!みちづ…れ」



五体のヴラドを切り殺したブラドは、アリスの方を見て、固まる。


そこには、自分をどこか冷めた表情で見つめるアリスと、そのアリスに抱きつく先程まで自分が殺したはずの……ヴラドがいた。



「そん……あり…えな…………」



そう言葉を残し、ブラドは死んでいった。

感想批判ありましたらお願いします!


誤字脱字の報告もありましたらお願いします(´×ω×`)

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